原題:『Blade Runner 2049』
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
脚本:ハンプトン・ファンチャー/マイケル・グリーン
撮影:ロジャー・ディーキンス
出演:ライアン・ゴズリング/アナ・デ・アルマス/ロビン・ライト/ハリソン・フォード
2017年/アメリカ
同じ過ちの繰り返しで創造される「ディストピア」について
驚くべき作品である。前作『ブレードランナー』(リドリー・スコット監督 1982年)において主人公のリック・デッカードと、敵対するロイ・バッティとプリス・ストラットン、そしてヒロインのレイチェルという人物構図は、本作においてはリック・デッカードはそのままで、ロイ・バッティの代わりに「K」、プリス・ストラットンの代わりにラヴ、そしてレイチェルの代わりにアナ・ステリン博士が担っており、要するに本作は前作のヴァージョンアップというだけで「奇跡」と30年経過したという以外に進展がなく謎が解明されないまま前作のストーリーをほぼ踏襲しているだけなのである。同じ過ちを繰り返す人間の「ディストピア」の創造こそが本作のアイロニーであろう。
しかし最後にヴァンゲリス(Vangelis)が作曲した有名なオリジナル・エンディングテーマを使わなかったのは何故なのか、「Tears in Rain」は使用していたが故に解せない。ラストはヴァンゲリスのエンドタイトルを聴きたかった。
Blade Runner - Theme End Titles (1982) Blu-Ray