MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『PK』

2016-11-16 18:24:22 | goo映画レビュー

原題:『PK』
監督:ラージクマール・ヒラニ
脚本:ラージクマール・ヒラニ/アビジット・ジョーシ
撮影:C・K・ムラリ―ダラン
出演:アーミル・カーン/アヌシュカ・シャルマ/スシャント・シン・ラージプート/サンジャイ・ダット
2014年/インド

「頭の悪さ」の使い道について

 ラージクマール・ヒラニ監督の前作『きっと、うまくいく』(2009年)の原題『3 Idiots』とは「三人のバカ」で本作の原題『PK』はどうやら「酔っ払い」という意味らしく、監督はこの手のキャラクターを扱うのが好みらしい。確かに宗教批判というデリケートなテーマを扱う場合、バカな振りでもしなければ安易なバッシングは避けられないだろう。最もそのPKと呼ばれる主人公は正確にはバカではなく宇宙人だから地球のことは何も知らないのだが、PKには「preacher's kid(伝道者の子供)」という意味もある。
 宗教の「茶化し方」が本作の見ものではあろうが、例えば、宗教指導者にその証明となるはずの「刻印」が体に無いことと、主人公のジャグーが留学先のベルギーで知り合い、恋に落ちたパキスタン人のサルファラズと結婚するために教会で待っていた際に、子供から渡されたサルファラズからのものとされる手紙で失恋したジャグーだったが、その手紙にはサルファラズの「著名」が無いために「間違った番号(wrong number)」だったというつなげ方が上手く、さらに絶対に嘘をつかないはずのPKが愛を知ってしまったことで嘘の意味を理解するラストも洒落ていて前作を超えた傑作になっていると思う。


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