MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『いちご白書』 80点

2007-04-17 19:15:52 | goo映画レビュー

いちご白書

1970年/アメリカ

ネタバレ

Not terrific, not fantastic, but nice!

総合★★★★☆ 80

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 このアメリカの学生運動を描いた映画が日本においてどのように受け止められているのかを確かめる時、荒井由実作詞作曲の「『いちご白書』をもう一度」を聴く限り、若者たちの権力に対する反抗と挫折のような平凡な物語として受容されているような印象を受けるのだが、ただそれだけの話なのだろうか。
 「いちご白書」とは学部長が学生の声明に対して、いちごについて語っているようなレベルと評したことから付けられたもので、実際ここで描かれる学生運動はそのように展開する。
 主人公のサイモン・ジェームズはボート部に所属していたノンポリの学生だったのだが、だんだんと学生運動にのめり込んでいく。しかしそののめり込み方は、決して学校側や学生たちとの議論が深まっていった結果ではない。そののめり込み方は、例えば他の学生に殴られたとか、8ミリカメラを壊されたとか、友人が怪我をさせられたなど、学生運動の主題とは全く関係ないことでのめり込んでいく。要するにサイモンにとって学生運動は本来の意味合いから外れ、ただストレス発散の道具と化しており、正に‘いちご’(=甘い)なのだ。
 だから監督のこの作品の意図は体制批判ではなく学生批判である。それでなければ、ラストシーンでサイモンが警官に飛びかかろうとした時、ストップモーションにして「昨日、ある子供が外に出て...」というようなほのぼのとした(バカにしたような?)曲を流す訳がないのだ。
 当事学生だった人たちは(少なくとも日本では)未だにそのようなことにも気が付かずにこの反「反体制」映画を観てノスタルジーに浸っているのだろうか?
 『いちご白書』をもう一度!


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