原題:『Battle of the Sexes』
監督:ジョナサン・デイトン/ヴァレリー・ファリス
脚本:サイモン・ボーフォイ
撮影:リヌス・サンドグレン
出演:エマ・ストーン/スティーヴ・カレル/サラ・シルヴァーマン/アンドレア・ライズブロー
2017年/アメリカ
「性別間の戦い」という真意について
1973年に行われた、女子テニスの現役世界チャンピオンのビリー・ジーン・キングと元男子チャンピオンのボビー・リッグスによる「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」と呼ばれる男女対抗試合が描かれているのであるが、このタイトルには二重の意味が込められており、もちろん男性対女性という見た通りの意味の他に、女性であるビリー・ジーン・キングが内に抱えていた「男性性」との葛藤も込められている。
そして実際のテニスの試合ではビリー・ジーン・キングはボビー・リッグスを倒すのであるが、ビリー・ジーン・キングの本来の「女性性」が彼女自身の「男性性」に負けてしまうという対照性がやがて社会性や身体性の性別そのものの固定観念からの解放を謳うようになるという「出来過ぎた話」が実話であるということが驚きなのである。