原題:『Brian Wilson: Long Promised Road』
監督:ブレント・ウィルソン
脚本:ブレント・ウィルソン/ジェイソン・ファイン
撮影:マキシミリアン・シミジ/デヴィッド・E・ウェスト
出演:ブルース・スプリングスティーン/エルトン・ジョン/ニック・ジョナス/ジェイコブ・ディラン/ドン・ウォズ
2021年/アメリカ
ショービジネスにおける「正常」の保ち方について
『エルヴィス』(バズ・ラーマン監督 2022年)を観て、エルヴィス・プレスリーの主体性の欠如に驚いたばかりなのだが、主体性の無さはプレスリーだけではないことを本作のブライアン・ウィルソンを見て知った次第である(因みにブライアン・ウィルソンは1942年生まれ)。
しかいブライアンが抱える問題はプレスリーとは正反対で、ザ・ビーチ・ボーイズは当初ウィルソン兄弟の父親であるマリー・ウィルソン(Murry Wilson)が担っていたのだが、すぐに長男のブライアンがセルフプロデュースするようになる。一見主体性を獲得したように見えるのだが、様々な問題に対処するために多大なストレスを抱え、友人のローレン・ダロ(Lorren Daro)に勧められたドラッグの服用などで精神を病んでしまい、バンドをクビになり、さらに担当医となった精神科医のユージン・ランディ(Eugene Landy)に「洗脳」されるという事態に追い込まれるのだから、なかなかショービジネスは難しいものがある。
ひとつ難を言えば本作は映画というよりもテレビドキュメンタリーのように見える。
本作の主題歌である「ライト・ウェア―・アイ・ビロング」を和訳しておきたい。
「Right Where I Belong」 Brian Wilson and Jim James 日本語訳
僕にとって愛とは
音楽そのものなんだ
愛は僕が心底共有したいと思っているものなんだ
僕は心配になったり怖がったりしていて
それは生きる上においては付きもの
いつかは本当に良くなってくるはずだけれど
それらが僕の10代だった
自立して安定した職業に就けと誰もが言った
それは最悪の考えだった
一昼夜また別の歌が
僕の心に染み入る
空想の上では
僕は故郷を離れることはないけれど
現実は
僕は自分の居るべき場所にいないんだ
僕にとって愛とは
音楽そのものなんだ
愛は僕が心底共有したいと思っているものなんだ
僕は自分自身のことは分かっている
意志の力がまた僕を試練から乗り越えさせることも
もしも最後までやり通すならば
全ては解決する
君は勝つ方法が分かる
今まで見たヤンキースの最高のセンターになることが
僕の野望だったけれど
僕は音楽ビジネスの方へそれてしまった
空想の上では
僕は決して一人ではないけれど
現実においては
僕は孤独である自分を恐れている
僕にとって愛とは
音楽そのものなんだ
愛は僕が心底共有したいと思っているものなんだ
僕はまだ心配になったり怖がったりしていて
僕はそれらと一緒に生きることを学んだ
いつかは本当に良くなってくるはず
いつの日にか本当にそうなる
僕が自立して安定した仕事を得た
長い老後
僕のためのラプソディーにおいて
音楽がまた波に乗れと招くんだ
空想の上では
僕は故郷を離れることはないけれど
現実は
僕は自分の居るべき場所にいないんだ
Right Where I Belong - Brian Wilson and Jim James
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