クレージー作戦 くたばれ! 無責任
1963年/日本
恐るべき‘無責任’
総合 100点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
植木等の偉大さは普通の‘無責任’ではなく、究極の‘無責任性’にある。
例えば、『ニッポン無責任時代』で平均を、『ニッポン無責任野郎』で源等という無責任な主役を演じておきながら、次の年に「くたばれ! 無責任」などというタイトルのついた作品の主役をするということは無責任甚だしい。
その無責任性は本作品の内容に関しても言える。
植木等が演じる田中太郎は無気力な社員だ。それは映像の紺のモノトーンで表される。しかし彼の商社が開発した新商品「ハッスルコーラ」を飲んで元気になる。それは映像がモノトーンからカラーになることで表される。これは決して彼が元気だからカラーになるわけではないことは、彼が落ち込んだ時に映像がモノトーンにならないことで証明される。つまり映像の変化は「ハッスルコーラ」を飲んでいるかいないかで決まっており、後半、映像がずっとカラーなのは田中太郎が「ハッスルコーラ」を飲み続けていることになる。
「ハッスルコーラ」の販売に当たって、会社は役所から許可を得ようとしたが、興奮剤が入っているという理由で許可が下りなかった。専務は社長に興奮剤を入れずに販売をするといったのだが、これは専務のウソだと思う。それでなければわざわざ別会社を作って売り出す必要などない。興奮剤が入っているのがバレた時にその子会社に責任を全てなすりつけられるようにするために別会社を作ったのだ。それに興奮剤が入っていなければ本社を超えるほどの売り上げになるはずはなく、安全銀行の年老いた頭取が‘ハッスル’出来るはずがないからだ。
結論を言えば、この作品は観客に気付かれないように描いてはいるが、前代未聞の‘ドラッグ’推進映画なのだ。こんな映画に主役で出演するなんて無責任も甚だしいのだが、もちろんこの作品はこのように分析して観るアートシアター系の作品ではなくただの娯楽作品なのだから、ここに書かれていることは全て冗談と受け取ってもらってかまわない、無責任だけど...
最新の画像[もっと見る]
- 『破墓/パミョ』 9時間前
- 『破墓/パミョ』 9時間前
- 『ボストン1947』 1日前
- 『ゼンブ・オブ・トーキョー』 2日前
- 『ゼンブ・オブ・トーキョー』 2日前
- 『最後の乗客』 3日前
- 『トラップ』 4日前
- 『エターナルメモリー』 5日前
- 『ヒットマン』 6日前
- 『ソウ X』 1週間前