米誌が選ぶ史上最高の映画主題歌 「Let It Go」など20曲(映画.com) - goo ニュース
Doris Dayさん『Whatever Will Be,Will Be(Que Sera,Sera)』の歌詞
『アナと雪の女王』の主題歌である「Let It Go」を「ありのままの」と訳したことで
思い出すことは、ドリス・デイが歌った「ケ・セラ・セラ(Que sera sera)」(1956年)を
ペギー葉山が歌った日本語ヴァージョンでは「なるようになる」と訳されたことである。
改めて「レット・イット・ゴー」を解釈するならば、何でも凍らせてしまう魔法を
持って苦しんでいた王女エルサが、もはや抑えきれない悪の力を解放することで
自らの自由を得るというものだった。だから「ありのままの」という訳は間違いでは
ないのであるが、そこに至るまでのエルサの心の葛藤が抜けてしまっているのである。
「ケ・セラ・セラ(英語では「Whatever Will Be, Will Be」)」を正確に訳すと
「何事にしても起こるべきことは必ず起こる」となり、これは人がどのようにあがいても
起こるべきことは起こってしまうという意味で、「なるようになる」という訳も
間違ってはいないのであるが、ここでも心の葛藤が抜けてしまっているのである。
ここに日本文化の甘さを見るかおおらかさを見るかは人それぞれではあるが、
50年以上経っても変わらない日本文化の体質は無視しようがない。(ちなみに
「ケ・セラ・セラ」の詳細は鹿島茂著『悪の引用句辞典』中公新書「ファブリーニ伯爵」参照)