MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『のみとり侍』

2018-05-26 00:56:35 | goo映画レビュー

原題:『のみとり侍』
監督:鶴橋康夫
脚本:鶴橋康夫
撮影:江﨑朋生
出演:阿部寛/寺島しのぶ/豊川悦司/斎藤工/風間杜夫/大竹しのぶ/前田敦子/桂文枝
2018年/日本

「正確性」の欠ける時代劇について

 時代設定は将軍だった徳川家治が亡くなり、田沼意次が失脚した時だから天明6年(1786年)で、越後長岡藩の藩主は牧野忠精なのだが、忠精は1760年生まれだから天明6年の夏は25歳で、そうなると忠精を演じた松重豊は年を取り過ぎており、キャスティングの仕方が謎である。
 時代劇は時代考証をしっかりするものだと思っていたので意外で、もっともコメディ映画なのだから必ずしも正確性は求められていないのだろうが、どうも主人公の越後長岡藩の勘定藩士の小林寛之進に同情できない。最初は「のみとり」として下手くそとなじられたものの、その後は亡き妻の千鶴にそっくりなおみねをテクニックを駆使して抱き放題なわけで、けっこう良い身分なのである。
 一番の疑問は寛之進が捕らえられて再び忠精の前に突き出された際に、馬に蹴られて記憶を失っていた清兵衛が寛之進を見て記憶を取り戻すのであるが、その時、額の大きく負った三日月型の傷がラストできれいに消えてしまっていたことで、どうも脚本や演出にこだわりがないだけストーリーに緩さを感じてしまう。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする