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MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ヴェノム : ザ・ラストダンス』

2024-11-12 00:57:07 | goo映画レビュー

原題:『Venom: The Last Dance』
監督:ケリー・マーセル
脚本:ケリー・マーセル
撮影:ファビアン・ワグナー
出演:トム・ハーディ/キウェテル・イジョフォー/ジュノー・テンプル/リス・エバンス/ペギー・ルー/アラナ・ユーバック/スティーブン・グレアム
2024年/アメリカ

人間とエイリアンの関係について

 あれほど仲が悪かったはずの主人公のエディ・ブロックとヴェノムの関係を知っている者としてはラストはつい涙腺が緩んでしまった。
 エイリアン愛好家のムーン家を登場させたことが興味深い。かつて『E.T.』(スティーヴン・スピルバーグ監督 1982年)などで人間とエイリアンの平和な交流が描かれていたが、もうそのような関係は夢物語なのだと本作で示されたような気がする。
 それにしても映画におけるデヴィッド・ボウイの曲の採用率の高さには驚いてしまう。本作も「スペイス・オディティ(Space Oddity)」が使用されているのだが、エディがヒッピーのマーティン・ムーンと別れた後に口にする「all time low」というフレーズは「スペイス・オディティ」の続編と言われている「アッシュズ・トゥ・アッシュズ(Ashes to Ashes)」から引用されており、芸の細かさがうかがわれる。
 マルーン5の「メモリーズ」を和訳しておきたい。

「Memories」 Maroon 5 日本語訳

俺たちが勝ち取った物に乾杯しよう
おまえがここにいてくれたらという願望にも乾杯するが
おまえはここにはいない
酒が俺たちがこれまで通ってきた全ての想い出を甦らせるのだから

今日ここにあるものに乾杯しよう
途中で俺たちが失くしたものにも乾杯しよう
だって酒が全ての想い出を甦らせるし
想い出こそがおまえを連れ戻してくれるのだから

俺が思い出す時期がある
俺が苦悩というものを知らなかった頃や
俺が永遠というものを信じていて
全てが同じままであるだろうと思っていた頃
誰かがおまえの名前を口にすると
今俺の心は12月の寒さのようだ
だって俺はおまえに呼びかけようと求めることさえできないのだから
でもいつの日にか俺はするだろう

誰でも傷つくことはあるし
いつかはみんな傷つくのだが
全ては何とかなるはずなんだ
グラスを掲げて言おうじゃないか!

俺たちが勝ち取った物に乾杯しよう
おまえがここにいてくれたらという願望にも乾杯するが
おまえはここにはいない
酒が俺たちがこれまで通ってきた全ての想い出を甦らせるのだから

今日ここにあるものに乾杯しよう
途中で俺たちが失くしたものにも乾杯しよう
だって酒が全ての想い出を甦らせるし
想い出こそがおまえを連れ戻してくれるのだから

想い出こそがおまえを連れ戻してくれる

俺が思い出す時期がある
喪失感というものが全くなかった頃
憎悪がどれも強すぎて抑えられないと感じていた頃
今俺の心は残り火のような感じで
それで暗闇を照らし出している
俺はおまえのためにこれらの松明を持って行くよ
それらを決して落としたりはしないよ

誰でも傷つくことはあるし
いつかはみんな傷つくのだが
全ては何とかなるはずなんだ
グラスを掲げて言おうじゃないか!

俺たちが勝ち取った物に乾杯しよう
おまえがここにいてくれたらという願望にも乾杯するが
おまえはここにはいない
酒が俺たちがこれまで通ってきた全ての想い出を甦らせるのだから

今日ここにあるものに乾杯しよう
途中で俺たちが失くしたものにも乾杯しよう
だって酒が全ての想い出を甦らせるし
想い出こそがおまえを連れ戻してくれるのだから

想い出こそがおまえを連れ戻してくれる
想い出こそがおまえを連れ戻してくれる
想い出こそがおまえを連れ戻してくれる

Maroon 5 - Memories (Official Video)

gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/moviewalker/entertainment/moviewalker-1226577.html?_gl=1*jcxjyb*_ga*MTEzMzY0MzIzMy4xNzI1NTM0NDIy*_ga_XJ5END643J*MTczMTE1NDQ2Ni4yMDMuMS4xNzMxMTU1MDcxLjIzLjAuMA..


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『このろくでもない世界で』

2024-11-11 00:57:48 | goo映画レビュー

原題:『화란』 英題:『Hopeless』
監督:キム・チャンフン
脚本:キム・チャンフン
撮影:イ・ジェウ
出演:ホン・サビン/ソン・ジュンギ/キム・ヒョンソ/チョン・ジェグァン/ユ・ソンジュ/キム・ジョンス/チョン・マンシク
2023年/韓国

「父親」から逃れるために

 18歳の主人公のヨンギュは継父の暴力を受けながら実母と義理の妹のハヤンと共に暮している。ヨンギュは高校で妹をいじめた相手に怪我をさせたことで高額の示談金を求められていたが、払える当てはなく、その話をたまたま聞いていた犯罪組織を取り仕切るチゴンが立て替えてくれる。それがきっかけでヨンギュは働いていた食堂を辞めて窃盗したバイクを売り払ったり高利貸しをしているチゴンの仕事に携わることになる。チゴンもかつて父親に湖畔に捨てられた経験があり、ヨンギュの気持ちがよく分かるのであるが、チゴンにもチュンボムという親分がいるところに難しさがある。
 複雑なストーリーを簡潔に記すならば、ヨンギュにしてもチゴンにしても「父親」という存在がいる限り自由にはなれないのであり、それがヨンギュとチゴンの関係をこじらせているのである。だから「父親」にあたる存在を消してからヨンギュとハヤンは逃亡(原題の意味であるオランダへ?)するのである。韓国は「兄弟」の絆が強すぎるが故にお互いを傷つけてしまうから、ヨーロッパのような「個人主義」に憧れるのだと思う。


gooニュース
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『アイミタガイ』

2024-11-10 00:59:53 | goo映画レビュー

原題:『アイミタガイ』
監督:草野翔吾
脚本:草野翔吾/市井昌秀/佐々部清
撮影:小松高志
出演:黒木華/中村蒼/藤間爽子/安藤玉恵/近藤華/白鳥玉季/吉岡睦雄/松本利夫/升毅/西田尚美/田口トモロヲ/風吹ジュン/草笛光子
2024年/日本

美し過ぎるほど目立つ「かすり傷」について

 本作は文句のつけようがないほど上手く出来ていると思うのだが、上手くできていればいるほど却って細かい点が気になってしまうことをパラドックスというのであろう。真っ白な衣装だと却って小さな黒いシミが目立つということである。
 例えば、主人公の梓の親友である叶海はカメラマンなのであるが、作品冒頭で叶海はガンガン写真を撮っているが、被写体に断りもなく勝手に撮っており盗撮だと思う。あるいは梓の恋人の澄人が宝石店へ行って店で一番高い宝石を見せてくれと店長に頼み、ガラスケースから取り出した指環を店長が澄人の前に差し出すのであるが、「一見さん」に警戒心が無さ過ぎると思う。
 児童養護施設からの叶海宛てのメッセージカードが届いた日は令和5年4月8日なのであるが、4月8日は土曜日で基本的に郵便の配達は無いとまで指摘すると余計なお世話と言われそうだな。


gooニュース
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『まる』

2024-11-09 00:58:16 | goo映画レビュー

原題:『まる』
監督:荻上直子
脚本:荻上直子
撮影:山本英夫
出演:堂本剛/綾野剛/吉岡里帆/森崎ウィン/戸塚純貴/おいでやす小田/濱田マリ/柄本明/早乙女太一/片桐はいり/吉田鋼太郎/小林聡美
2024年/日本

扱う画の作風に呼応する映画の作風について

 今年観た『ブルーピリオド』(萩原健太郎監督 2024年)は突然美術に目覚めた高校生が東京藝術大学を受験して入学するまでが描かれる青春映画だったが、本作の主人公の沢田は40歳過ぎても目が出ず、名を馳せた現代美術家のアシスタントで糊口を凌いでいる。
 興味深い点を挙げるならば、『ブルーピリオド』が具象画を扱っているのに対して、本作は抽象画を扱っており、それぞれの作風に呼応するかのように『ブルーピリオド』がストレートな青春映画であるのに対して、本作の主人公の沢田の人生はこじれにこじれている。
 しかしこれは荻上監督の作風のせいでもあるのだろうが、美術に対する沢田の熱い思いが感じられないし、むしろ沢田のことを心配している矢島の方がよっぽど熱量がある。どんな形であっても自分の作品を評価してくれる人がいるのならば、年齢からしても意地でも食らいつくくらいでなければ成功はしないはずで、ラストで自分が描いた作品に〇を加えることで評価してくれるのであるならば、その意見を受け入れなければならないはずなのだが、素手で作品の真ん中に穴を開けて去ってしまうという沢田の行動は素直に肯えない。いや、別にそれでもいいのだが、それでは沢田は結局何をしたいのか観ている方は分からなくなるのである。最後にメイキングが流れる映画を初めて見たのだが、これは監督の自信の無さではないのか?
 沢田の作品の展示会場に殴り込んだ矢島のTシャツに「RICH」と書かれていたのは皮肉として面白かった。


gooニュース
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『八犬伝』

2024-11-08 00:58:30 | goo映画レビュー

原題:『八犬伝』
監督:曽利文彦
脚本:曽利文彦
撮影:佐光朗
出演:役所広司/内野聖陽/土屋太鳳/渡邉圭佑/鈴木仁/板垣李光人/水上恒司/松岡広大/佳久創/河合優実/栗山千明/中村獅童/尾上右近/磯村勇斗/立川談春/黒木華/寺島しのぶ
2024年/日本

監督の得意分野について

 滝沢馬琴と葛飾北斎の対話シーン、あるいは馬琴と馬琴の息子の宗伯の妻のお路の執筆を巡る葛藤など、いわゆる「実の世界」はなかなかの緊張感を伴って見応えがあったのだが、馬琴が執筆している「八犬伝」のパート、いわゆる「虚の世界」になると途端にチープな映像になってしまって、まるで良質の時代劇の合間にテレビドラマの「仮面ライダー」が流れるような印象を受けた。曽利監督は「個人」を描くことは上手いと思うのだが、既に『鋼の錬金術師』でも証明されているように「団体」になると映像がスカスカになってしまう嫌いがある。
 確かに予算的に厳しいことは分かるのだが、一層のこと八犬伝パートを別の監督に託せばより良いものになったような気がする。


gooニュース
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『ツイスターズ』

2024-11-07 00:58:14 | goo映画レビュー

原題:『Twisters』
監督:リー・アイザック・チョン
脚本:マーク・L・スミス
撮影:ダン・ミンデル
出演:デイジー・エドガー=ジョーンズ/グレン・パウエル/アンソニー・ラモス/ブランドン・ペレア/キーナン・シプカ/モーラ・ティアニー
2024年/アメリカ

「ストーム・チェイサー」のあり方について

 主人公のケイト・カーターは友人たちと「ストーム・チェイサー」を結成して嵐を無化する装置を車に装填して嵐を追うのであるが、これがどうも非現実的で、かつ非効率的でかなりの危険を伴うためになかなかストーリーにのめり込むまでには至らなかった。
 それよりも気になったのが、ケイトが着ているTシャツには「Pat Benatar(パット・ベネター)」とプリントしてあって、パット・ベネターが強い女性の象徴になっていることだったのだが、一方でタイラー・オーウェンズの格好はU2のボノのようないで立ちで、どういう意味なのかと思っていたのだが、ただ「Beautiful Day」と言わせたかっただけなのかもしれない。
 ルーク・コムズの「エイント・ノー・ラヴ・イン・オクラホマ」を和訳しておきたい。

「Ain’t No Love In Oklahoma」 Luke Combs 日本語訳

俺は同じ古い行き詰まりの高速道路の上で
あの同じく古い悪魔を追い続けている
俺の血管を流れるあの嵐に乗りながら
飛行機を制御不能に陥らせる一撃のように
怖れるものは何もない俺が死ぬ思いを味わう
俺は息ができないから一息つくが
俺は同じ古い行き詰まりの高速道路の上で
あの同じく古い悪魔を追い続けている

オクラホマ州には愛がない
長く黒い列車の汽笛だけ
雨風に乗りながら
おまえのためにそれがやって来る時をおまえは知ることになる

俺を溺れさせようとしたその赤い河の中で
俺は救われた
俺を屈服させることなんてできやしない
俺の周囲に落ちて来る全世界と共に
俺は俺の大地に立っている
俺は走り続けているけれど
俺はじっとしている
平和のために祈りはするが俺にはスリルも必要だから
俺は同じ古い行き詰まりの高速道路の上で
あの同じく古い悪魔を追い続けている

オクラホマ州には愛がない
長く黒い列車の汽笛だけ
雨風に乗りながら
おまえのためにそれがやって来る時をおまえは知ることになる

オクラホマ州には愛がない
長く黒い列車の汽笛だけ
雨風に乗りながら
おまえのためにそれがやって来る時をおまえは知ることになる
オクラホマ州には愛がない
長く黒い列車の汽笛だけ
雨風に乗りながら
おまえのためにそれがやって来る時をおまえは知ることになる

Luke Combs – Ain’t No Love In Oklahoma (From Twisters: The Album) [Official Music Video]

U2 - Beautiful Day (Official Music Video)

gooニュース
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『墓泥棒と失われた女神』

2024-11-04 00:59:06 | goo映画レビュー

原題:『La chimera』
監督:アリーチェ・ロルヴァケル
脚本:アリーチェ・ロルバケル
撮影:エレーヌ・ルバール
出演:ジョシュ・オコナー/イザベラ・ロッセリーニ/アルバ・ロルバケル/ビンチェンツォ・ネモラート/カロル・ドゥアルテ
2023年/イタリア・フランス・スイス

キメラの複雑さについて

 冒頭はイギリス人の元考古学者のアーサーが刑期を終えて列車に乗って帰郷しているシーンからである。時代は80年代で場所はイタリアのトスカーナ地方。恋人のベニアミーナの家を訪れるのであるが、彼女は不在で(亡くなっている?)彼女の母親のフローラ夫人たちが出迎えてくれる。そこでイタリアという名前の女性と知り合う。
 アーサーにはダウジングという地下に眠っている宝物を探し当てる特殊能力があり、それを知っている仲間たちに昔の墓に添えられている副葬品を見つけるように誘われてしまい、彼らはその盗品を買い取ってくれる美術オークション会社経営のスパルタコに持ち込むのである。
 ある晩、アーサーはいつもの霊感で全く手が付けられていない遺跡を発見し潜って行くのであるが、警察が来たと勘違いして女神像の頭部だけを切り取って遺跡から抜け出す(しかしこのシーンには「~博物館(?)」というプレートが映っていたので、誰かが既に発見しているはずなのであるが、意味がよく分からなかった)。
 アーサーたちはスパルタコがオークションを催している海上の船まで追っかけて例の女神像がオークションにかけられていることを知り、スパルタコに女神の頭部を見せて女神像は自分たちのものだと主張するのであるが、何故かアーサーは突然頭部を海に放り投げてしまう。
 アーサーは自宅に戻ったものの家は解体中で、偶然で出会ったイタリアの娘に彼女たちのグループが住んでいる廃駅に連れて行かれる。すっかり改装された廃駅に一緒に住むように誘われるがアーサーは翌朝去って行ってしまう。
 その後、アーサーは純金を見つけたという場所でダウジングを強いられて、地下通路に入って行くのだが、入口が陥没してしまうのである。
 本作は例えば、ピエル・パオロ・パゾリーニ監督の『大きな鳥と小さな鳥』(1966年)に見られた「コマ落とし」やヴィットリオ・デ・シーカ監督やフェデリコ・フェリーニ監督などのイタリア人監督の作風がかなり大きく反映されていると思うのだが、それは決して「安住の地」には留まれない「貧しい人たち」が主役だからかもしれない。
gooニュース
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『破墓/パミョ』

2024-11-03 00:58:18 | goo映画レビュー

原題:『파묘』 英題:『Exhuma』
監督:チャン・ジェヒョン
脚本:チャン・ジェヒョン
撮影:イ・モゲ
出演:チェ・ミンシク/キム・ゴウン/ユ・ヘジン/イ・ドヒョン/キム・ジェチョル/キム・ミンジュン/パク・ジョンジャ/小山力也
2024年/韓国

「村山」を巡って

 主人公の2人(ファリムと弟子のボンギル)は巫堂(ムーダン)という朝鮮半島のシャーマンらしく、ロサンゼルスの富豪の跡継ぎの新生児が患っている謎の病気を治して欲しいという家族の依頼で、風水師のサンドクと葬儀師のヨングンの協力も仰ぎ、その家族の100年前の先祖の墓を掘り返して改葬することになる。
 その過程でその先祖が朝鮮半島を日本が統治していた時代に親日派だったということで処罰の意味で埋葬に相応しくない山奥に埋葬されていたことで成仏していなかったことが原因だったと分かるのだが、改葬するものの棺桶から抜け出した祖父の霊に依頼主のパク氏と彼の父親が呪い殺されてしまう。
 火葬したことで解決するはずだったのだが、墓を掘っている最中に蛇を殺した墓堀人が体調を崩し、再び同じ場所を訪れると棺桶が埋められていたその下に縦に埋められているもう一つ巨大な「棺桶」を発見してしまうのであるが、そこには「狐」という異名を持つ「むらやまじゅんじ」という名前の日本人の陰陽師で関ヶ原の戦いの頃の人物が閉じ込められていたらしい。実際に村山智順という人物はいるらしいのだが、「むらやまちじゅん」と読み、彼は東大卒業後、朝鮮総督府中枢院の嘱託として朝鮮の民間信仰を調査していた人物で関ヶ原の戦いの時代とは全く関係が無いし、もしも「キツネがトラの腰を切る」と頻繁に出て来る言葉が、いわゆる「日帝風水謀略説(鉄杭事件)」を指すのであるならば、「むらやま」とは1994年に日本の首相だった村山富市のことになる。
 てっきり筆者の知らない歴史的事実が描かれているのかと思って調べてみたものの、史実はほぼほぼ無視なのであるが、ホラー映画だからいいのか? 2024年韓国No.1大ヒットしちゃってますけど。


gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/moviewalker/entertainment/moviewalker-1225778


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『ボストン1947』

2024-11-02 00:59:01 | goo映画レビュー

原題:『1947 보스톤』 英題:『Road to Boston』
監督:カン・ジェギュ
脚本:カン・ジェギュ/イ・ジョンファ
撮影:チェ・チャンミン
出演:ハ・ジョンウ/イム・シワン/ペ・ソンウ/キム・サンホ/パク・ウンビン
2023年/韓国

走ることの可能性について

 1936年のベルリンオリンピックのマラソン競技で金メダルと銅メダルを獲得した孫基禎と南昇竜は、実は韓国人のソン・ギジョン(当時の世界記録保持者)とナム・スンニョンだったというところから物語は始まる。第2次世界大戦の終結とともに韓国は日本から解放されたものの、「日本人」がメダルを獲ったという記録が変わることはなく、すさんだ生活を送っていたソン・ギジョンの元を訪れたナム・スンニョンは「第2のソン・ギジョン」という企画を提案する。当初はギジョンは乗り気ではなかったのだが、ソ・ユンボクという若手の走りを見て1947年のボストンマラソンに向けてコーチを引き受けることになるのである。
 しかし当時の韓国はアメリカには独立国家としてではなく、アメリカの管轄下の難民国と認識されていたために、アメリカに入国することさえ保証金として2000ドルを必要とし、ギジョンが面識のあったボストンマラソン優勝者のアメリカ人のジョニー・ケリーの援助もあって何とかボストンマラソンの招待状をもらったにも関わらずアメリカが保証人になったために韓国人ではなくアメリカ代表のような形で出場する羽目になってしまう。マスコミを通して訴えたことが功を奏してユンボクは太極旗を入れて走ることができるようになり、無名だったユンボクがボストンマラソンで優勝するのである。
 日本人ならば第二次世界大戦後に韓国が独立したことくらいは想像がつくが、韓国は戦後も苦しい立場に置かれていたことを本作で初めて知った。史実に基づくものだから、派手さは無いが佳作といっていいのではないだろうか。


gooニュース
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『ゼンブ・オブ・トーキョー』

2024-11-01 00:59:10 | goo映画レビュー

原題:『ゼンブ・オブ・トーキョー』
監督:熊切和嘉
脚本:福田晶平/土屋亮一
撮影:小林拓
出演:正源司陽子/渡辺莉奈/藤嶌果歩/石塚瑶季/小西夏菜実/竹内希来里/平尾帆夏/平岡海月/清水理央/宮地すみれ/山下葉留花/小坂菜緒/真飛聖/八島智人
2024年/日本

「3人娘」と「11人娘」の違いについて

 修学旅行で地方から東京を訪れた女子高校生の2024年6月5日の一日が描かれている。アイドルグループ「日向坂46」の4期生メンバー全員が出演しているのであるが、脚本も上手く演出も巧みで、このように与えられた「お題」をそつなくこなせる監督こそが実力の持ち主と見なされるはずで、昔の80年代の角川映画を彷彿とさせる。というよりもより洗練されたもののように見えるのは、脚本、演出に加えて今の若いタレントの器用さも大きく貢献しているような気がするが、昔の角川映画ほど興行的にヒットが難しいのは、そのような優秀なアイドルグループが多すぎるからであろう。


gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/mdpr/entertainment/mdpr-4414522.html?_gl=1*1svchf0*_ga*MTEzMzY0MzIzMy4xNzI1NTM0NDIy*_ga_XJ5END643J*MTczMDM3NjYxNi4xNzAuMS4xNzMwMzc2NjMyLjQ0LjAuMA..


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