MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『徒花 - ADABANA -』

2024-10-24 23:46:59 | goo映画レビュー

原題:『徒花 - ADABANA -』
監督:甲斐さやか
脚本:甲斐さやか
撮影:高木風太
出演:井浦新/水原希子/三浦透子/甲田益也子/板谷由夏/原日出子/斉藤由貴/永瀬正敏
2024年/日本

「イノセンス」という免罪符について

 どうやらウィルスの蔓延により人口が激減している近未来が舞台で、延命措置として上流階級の人間だけが延命治療として使用できる「それ(クローン)」の所有が許されているようで、実際に難病を患ったらしい娘の治療のために母親が娘を連れて密入国しようとしたものの、入国審査であっけなく2人とも排除される様子が作品の冒頭で描かれている。
 しかし緊張感があったシーンはこの冒頭のシーンだけで、残りは主人公の新次と彼の担当である臨床心理士のまほろの物語が静謐に進んで行くという感じでストーリーにメリハリがない。新次が不治の病であることは分かるのだが、新次の幼少時代の母親を巡るトラウマも海岸で出会う元カノとの想い出も具体的に描かれることはなく、かと言って新次が出会う新次の「クローン」は人形を作って過ごしているようなのだが、新次が自身よりも代わりに自分のクローンの方が生き残るべきという確信がどのようにして生まれたのかもよく分からない。それが「イノセンス」ならば話が単純過ぎると思う。


gooニュース
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『サウンド・オブ・フリーダム』

2024-10-23 21:00:18 | goo映画レビュー

原題:『Sound of Freedom』
監督:アレハンドロ・モンテベルデ
脚本:アレハンドロ・モンテベルデ/ロッド・バール
撮影:ゴルカ・ゴメス・アンドリュー
出演:ジム・カヴィーゼル/ミラ・ソルヴィノ/ビル・キャンプ/エドゥアルド・ベラステーギ/ハビエル・ゴディーノ/スコット・ヘイズ/ゲイリー・バサラバ
2023年/アメリカ

「真実」の奥深さについて

 芸能事務所のオーディションの名目でロベルト・アギラ―ルの娘のロシオと息子のミゲルが誘拐される事件をきっかけに、アメリカ国土安全保障省の政府捜査官のティム・バラードは秘密裏に国境を越えて南米コロンビアに赴き現地の支援者たちと「スコーピオン」と称するボスが支配する犯罪組織本部の摘発に乗り出す。これが実話を基にしているというのだから驚く。コロンビア辺りだと政府が介入できないギャング組織がまだ存在しており、現代の奴隷の人数は奴隷制度があった時代よりも多いらしい。
 『ACIDE/アシッド』(ジュスト・フィリッポ監督 2023年)は確かに「真実」を描いていており、本作もまた国際的な児童誘拐や人身売買や性的虐待を描いているのだが、本作に関して言えば、後半は明らかにフィクションで、これくらいのエンタメ感を出さないとなかなか人々の興味を惹けないのではないだろうか。
 しかし本作の特異な点は原作のモデルとなったアメリカの元政府職員ティム・バラード本人が、彼がCEOの会社の5人の女性従業員に対して不同意性交があったと有罪判決を受けていることで、まさに「ミイラ取りがミイラになる」という話なのだが、より正確を期すならば「ミイラに関わっている内に自分自身もミイラだと分かった」というような感じだろうか。作品の最後に本人が出演して映画公開に困難が伴ったと語っている理由はこのことなのである。
 主題歌であるジャスティン・ジェッツの「サウンド・オブ・フリーダム」を和訳しておきたい。

「Sound of Freedom」 Justin Jesso 日本語訳

ずっと君のそばにいるために
僕が知っていることは
ただ希望を手放さないということだけ
僕は君の輝きの方へ向かっている

僕に力を与えて欲しい
僕に力を与えて欲しい

僕の愛とは
僕が君を見つけるまで戦うこと
決して諦めない
すぐに僕は君のそばに行くよ

輝きに至る僕の道を見つけることが僕の唯一の信条
闘って目を開けることが僕の唯一の強み

僕に力を与えて欲しい
僕に力を与えて欲しい

僕の愛とは
僕が君を見つけるまで戦うこと
決して諦めない
すぐに僕は君のそばに行くよ

絶望の中で愛を見つけること
最も困難な夜に希望を見つけること
空が暗くなるほど輝く光は明るくなるんだ

怯えるが故に信条を見つける
強みが見つければ君は生き残れる
空が暗くなるほど輝く光は明るくなるんだ

夜を突き抜ける僕の道を見つけるための力を与えて欲しい
君の安寧を見つけるための力を
僕は君を置き去りにしたりはしないよ

Justin Jesso - Sound of Freedom (From "Sound of Freedom") [Official Music Video]

gooニュース
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『ACIDE/アシッド』

2024-10-22 00:59:05 | goo映画レビュー

原題:『Acide』
監督:ジュスト・フィリッポ
脚本:ジュスト・フィリッポ/ヤシネ・バッダイ
撮影:ピエール・ドゥジョン
出演:ギヨーム・カネ/レティシア・ドッシュ/ペイシェンス・ミュンヘンバッハ/マリー・ユンク/スリアン・ブラヒム/マルタン・ベルセ
2023年/フランス

エンタメにならない「真実」について

 メインテーマはフランスに降り始めた高濃度の酸性雨と、そこから逃れようと試みる人々の物語なのだが、労働紛争に関わって逮捕され、仮釈放された主人公のミシェルには恋人のカリンがおり、ミシェルの元妻のエリーズはミシェルよりも別の地域に住む兄のブリスを頼っており、両親の険悪な関係に挟まれた娘のセルマが翻弄されてしまうというストーリー展開である。
 確かに例え酸性雨で命が危機にさらされようと、それで今抱えている自分たちの問題が棚上げされるわけではないのだから、「真実」に忠実ではあるのだろうが、それがスペクタクルとして面白いかどうかとなるとまた別の問題で、例えば、助けてもらって屋敷に入れてもらった女性には腎臓病の透析を受けている息子がいるのだが、酸性雨で屋敷が崩壊しそうになるとその女性の車を奪って二人を残して三人は逃げてしまうのである。彼らに共感はできないが、自分がその立場に置かれるとすれば同じ行動を取らないと断言はできない。まるでノンフィクションを観ているような気分にはなった。


gooニュース
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『ボレロ 永遠の旋律』

2024-10-21 00:58:01 | goo映画レビュー

原題:『Bolero』
監督:アンヌ・フォンテーヌ
脚本:アンヌ・フォンテーヌ/クレア・バー/ピエール・トリビディク/ジャック・フィエスキ/ジャン=ピエール・ロンジャ
撮影:クリストフ・ボーカルヌ
出演:ラファエル・ペルソナ/ドリア・ティリエ/ジャンヌ・バリバール/エマニュエル・ドゥボス/バンサン・ペレ―ズ/ソフィー・ギルマン
2024年/フランス

『ボレロ』誕生物語

 フランスの作曲家のモーリス・ラヴェルが名曲『ボレロ』を誕生させるまでの苦悩が描かれている。興味深いのはフランスのダンサーのイダ・ルビンシュタインに依頼されて作られた曲なのだが、ラヴェルが彼女のリハーサルを目にした際に、舞台設定が酒場で、そこで主人公の踊り子が『ボレロ』に合わせて踊るという「大衆演劇」で、ラヴェルが想定していた「品」というものが全く無かったために、イダに中止を求めるものの、イダがスポンサーであったためにラヴェルに中止させる権限はなかった。
 しかしラヴェルも見守る中、実際に初日1928年11月22日のパリ・オペラ座で上演されると大好評で、このように様々な視点で制作された作品が不朽の名作になるのだと納得した次第である。
 それにしてもあれほど女性に囲まれていながら生涯独身という点は気になる。女性関係が派手だったわけではなく、だからと言って同性愛者でもないらしいからますます気になる。

モーリス・ラヴェル:ボレロ|アロンドラ・デ・ラ・パーラ|WDR交響楽団
gooニュース
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『2度目のはなればなれ』

2024-10-20 00:59:36 | goo映画レビュー

原題:『The Great Escaper』
監督:オリバー・パーカー
脚本:ウィリアム・アイボリー
撮影:クリストファー・ロス
出演:マイケル・ケイン/グレンダ・ジャクソン/ジョン・スタンディング/ダニエル・ビタニス/ビクター・オシン/エリオット・ノーマン
2023年/イギリス

「大物の高齢者」について

 反戦映画として素晴らしい作品だと思ったのだが、欲を言えば、主人公のバーニー・ジョーダンとフェリーで知り合ったアーサー・ハワード=ジョンソンが一緒に訪れたバイユー戦没者墓地のシーンにおいて、何故バーニーは本人にはともかく、終戦後にダグラス・ベネットの妻に一度も会いに行かなかったのか理由がいまいちよく分からなかったし、亡くなった弟の墓をアーサーが見つけた時の心理描写も足りないように感じた。
 ところで本作は戸田奈津子が日本語字幕を担っているのだが、どうも字幕翻訳が怪しいのである。例えば、アーサーが眠れずにいたら、妻のレネも起きてきたのでアーサーが眠るために「酒でも飲もうか」と翻訳されているのであるが、実際は「俺は走るべきなんだな(I should have run)」と90歳がかました冗談に、妻のレネが「フランスまで」と冗談を被せてくるウイットが面白いのである。もう戸田に字幕翻訳は無理だと思う。大物の高齢者だからといって誰でも良い仕事をするとは限らない。それとも人材不足なのか?


gooニュース
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『箱男』

2024-10-19 00:59:41 | goo映画レビュー

原題:『箱男』
監督:石井岳龍
脚本:石井岳龍/いながききよたか
撮影:浦田秀穂
出演:永瀬正敏/浅野忠信/白本彩奈/渋川清彦/中村優子/川瀬陽太/佐藤浩市
2024年/日本

「オチが上手すぎる」作品について

 観終わった感想は「オチが上手すぎる」というものだった。もちろんこれは誉め言葉とは言えないし、むしろ「言いがかり」にも似たものになってしまいかねない。確かに『箱男』の映画化はどのように撮ろうと文句を言われることは石井岳龍監督は承知でアプローチしたのだと思うのだが、それにしても冒頭から主人公が「箱男化」しており、「箱男」が誕生する過程が描かれなかったのは残念な気持ちを抱いた。映像と「ノートの記録」は誰が書いているのか分からないように分けるべきだったのではないかとも思う。箱男の「本物」と「偽物」も不明瞭にするべきだったのではないかとも思う。原作のファンであるが故に書いていくと次々と文句が出てしまう。
 しかし映像のテイストはまるで70年代に撮った作品のような雰囲気を漂わせ、石井岳龍監督が撮ると時代が当時に戻ってしまうスタイルのブレの無さは際立っていた。


gooニュース
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『ナミビアの砂漠』

2024-10-18 00:59:13 | goo映画レビュー

原題:『ナミビアの砂漠』
監督:山中瑶子
脚本:山中瑶子
撮影:米倉伸
出演:河合優実/金子大地/寛一郎/新谷ゆづみ/中島歩/唐田えりか/渋谷采郁/澁谷麻実/倉田萌衣/伊島空/堀部圭亮/渡辺真紀子
2024年/日本

「東京砂漠」から見る「ナミビアの砂漠」について

 なかなか理解しにくい作品ではある。そもそも主人公の21歳のカナは人生に悪戦苦闘しているのか、それともただ性に奔放の我儘娘なのか、あるいは箱庭療法のカウンセリングを受けているところを見ると多少なりとも過去のトラウマによって心を病んでいるのか。文脈の捉え方によってカナに同情もできるし、自業自得だと突き放すこともできるのだが、わざわざ映画で表現したのであるならば、監督は主人公に同情を求めているはずなのである。しかしそうなるとカナに関する情報が少なすぎる。
 同情という点で言えば、『あんのこと』(入江悠監督 2024年)も含めて、あまりにも主演を演じている河合優実に頼り過ぎている感じがする。両作品ともに河合優実の熱演で辛うじて観賞できる作品になっていると思うが、河合以外だったら目も当てられなかったのではないのか。


gooニュース
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『侍タイムスリッパー』

2024-10-17 00:54:52 | goo映画レビュー

原題:『侍タイムスリッパ―』
監督:安田淳一
脚本:安田淳一
撮影:安田淳一
出演:山口馬木也/冨家ノリマサ/沙倉ゆうの/峰欄太郎/庄野﨑謙/紅萬子/井上肇/田村ツトム/高寺裕司/安藤彰則
2024年/日本

インディーズ映画の「あるある」について

 登場人物たちがいわゆる「ガラケー」を使っているので不思議に思っていたら、黒船襲来から140年と謳ったポスターが映されて、そうなると大政奉還から140年経っているとするならば2007年だからガラケーなのだと納得できるし、1996年頃からテレビ時代劇のレギュラー枠が減少し始めたとするならば、主人公の高坂新左衛門の敵役である風見恭一郎が10年前に時代劇から退いた理由も頷ける。
 『マルサの女』『大病人』『スーパーの女』など伊丹十三監督のヴィデオが映される。それは伊丹監督も50歳を過ぎてから映画監督デビューしたという共通点と、作風も好みということのオマージュなのだろうが、もちろん撮影機器の飛躍的な発達ということはあるとしても、伊丹監督に引けを取らないクオリティーの高さを感じる。
 本作に関して、二人が真剣を使い出した時点で監督は止めなければならないというレビューを目にしたのだが、それを言うならばそもそも侍が現代にタイムスリップしてくること自体が非現実なのだからこんな映画を観てはいけないのである。
 インディペンデント映画の「あるある」としてカメラを止めてはいけないということはよく分かった。


gooニュース
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『からかい上手の高木さん』

2024-10-16 00:59:55 | goo映画レビュー

原題:『からかい上手の高木さん』
監督:今泉力哉
脚本:今泉力哉/金沢知樹/萩森淳
出演:永野芽郁/高橋文哉/鈴木仁/平祐奈/前田旺志郎/志田彩良/白鳥玉季/齋藤潤/江口洋介
2024年/日本

離ればなれの10年について

 主人公の高木さんと幼馴染の西片は中学校の同級生だったが、高木さんは父親の仕事の都合でパリに引っ越すことになり、それから10年後に高木さんは西片が体育教師として勤めている中学校に教育実習生として戻ってきて、以前のように高木さんは西片をからかうような関係になるのである。
 高木さんと西片の中学生の頃の関係を生徒の大関みきと町田涼の関係に投影させているように見える。つまりもしも中学生の時に高木さんが西片に告白していたら、みきが涼に告白したことで涼が不登校になってしまった状況と同じことになった可能性を暗示しているように見えるのであり、離れていた10年が無駄ではなかったという印象を観客に与えるように思うのである。


gooニュース
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『ハピネス』

2024-10-15 00:59:07 | goo映画レビュー

原題:『ハピネス』
監督:篠原哲雄
脚本:川﨑いずみ
撮影:鶴崎直樹
出演:窪塚愛流/蒔田彩珠/橋本愛/山崎まさよし/吉田羊
2024年/日本

死の悲しみを相殺させるロリータファッションについて

 冒頭から主人公で高校生の山岸由茉が恋人で同級生の国木田雪夫に自身の余命宣告をする場面が映される。実は由茉は生まれつき心臓に持病を抱えており、悪化したことであと1週間しか生きられないと医師に言われたのである。
 その後は、由茉のやりたいことをするために二人で時を過ごしながらロリータファッションに身を包み大阪本店の「Innocent World」を訪れ、資生堂パーラーの「スペシャルカレー」を堪能し、最期は雪夫の部屋で迎えることになるのである。
 まるでロリータファッションで高揚することで死の悲しみを相殺させるような感じを抱いた。実際に本作は「難病もの」の部類の作品のはずなのだが、それほどの悲壮感は感じなかったのだが、ただ由茉の父親の山岸英生を演じた山崎まさよしの演技だけが一人浮いていた。『月とキャベツ』(1996年)や『影踏み』(2019年)で主演を演じてもらった縁があったからだろうが、作品そのものが損なわれるのではないかと憂うほど酷すぎた。


gooニュース
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