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情報技術の四方山話

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OracleがSUNから得るMySQL

2009-04-22 09:37:22 | 三稜鏡(さんりょうきょう)

OracleがSUNから得るMySQL


こんにちは。匠技術研究所の谷山 亮治です。
OracleがSunを買収しました。SUNは1年4ヶ月前にMySQLを買収しています。MySQLはインターネット上で最も多く使われているオープンソースのデータベースです。またクローズドソースでの利用も認めるデュアルライセンスの方式を採用しています。

Oracleは2007年にMySQLの買収に失敗しています。その後SUNがMySQL買収に成功し、OracleがそのSUNを買収することでMySQLも手に入れました。

OracleはMySQL買収失敗の後、MySQLの一部に組み込むことでトランザクション処理機能を追加するInnoDB社を買収しました。またやはりオープンソースのデータベースBerkeley DB開発を源流とするSleepycat Software社も買収しています。

MySQLはWebアプリケーションで業界標準のデータベースシステムです。情報系のシステムとして優れていますが、InnoDBの機能を追加することで、いわゆる勘定系のシステムを構築することができます。OracleのSUN/MySQL買収でMySQLにInnoDBを組み込むことが当然になる可能性があります。

現在のMySQLはInnoDBだけでなく、様々なDBエンジンを組み込むことができるPluggable Storage Engine Architectureとなっており、MySQLにOracleを組み込むことが現実的になります。そうなると利用者の多いMySQLの分野にMySQLのままOracleをエンジンとして利用できるようになりOracleの弱いWebサーバー分野でのOracleの普及の大きな助けになるでしょう。すでにIBMはAS400/System iにMySQL+DB2を組み込む取り組みをしています。

Oracleの本業のデータベース分野で見たときに、SUNの買収物の中でインパクトが大きいのは、いまだ確固たる地位を築くことができずにいる、Webサーバーのバックエンドデータベース分野の雄MySQLだと思います。


Oracleの「Oracle Buys Sun」のプレスリリース(英文)へ



Sunの「Oracle to Buy Sun」のプレスリリース(英文)へ



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OracleがSunを買収

2009-04-21 13:26:26 | 三稜鏡(さんりょうきょう)

OracleがSunを買収


こんにちは。匠技術研究所の谷山 亮治です。
OracleがSunを買収しました。2009年4月20日付けのプレスリリースです。Oracleは企業向けデータベースシステム(DBMS)の巨人です。従来よりOracleはSunの上で使われることが多く、Oracle+Solarisは間違いなく業界標準のデータベースシステムの形の一つです。Oracleは自社ブランドでのハードウエアを持たなかったので、Sunの買収によりハードウエア、Solaris基本ソフト、Java、MySQL等のソフトウエアを入手しました。

ソフトウエアの詳細情報を非公開・有償公開型のデーターベースエンジン(DBMS)メーカーとしてのOracleがSUNの公開型ソフトウエア資産をどのように取り扱うのか、今後の情報が気になるところです。



Sunの「Oracle to Buy Sun」のプレスリリース(英文)へ


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OracleがBEA(WebLogic)を買収した理由

2008-01-19 09:22:46 | オープンソース
こんにちは。匠技術研究所の谷山 亮治です。

データベース関連専業最大手のOracelがBEA(WebLogic)を買収しました。Oracleは自社のデータベースのライセンスを販売し、利益を上げています。企業用途でたいへん普及しているデータベースです。

データベースは、データの入れ物です。データベースだけあっても役に立ちません。データを入れたり出したりする部分が必要です。その部分が「ソフトウエア」として、利用者に見えています。

データベースを販売するOracleは沢山の「ソフトウエア」にOracleが組み込まれるように工夫します。ソフトウエア開発者がOracleを選ばない限りOracleは売れないからです。

Oracleはデータベース専業メーカー間の競争を勝ち抜きました。デーベース業界のライバルは、データベース専業ではないMicrosoft(SQL Server)とIBM(DB2)です。ただ、伏兵がいます。オープンソースのデータベースです。この分野ではMySQL(Sunが買収を発表)、PostgreSQL、FireBirdがよく知られています。

Oracleはオープンソースデータベースが普及すると自社のデータベースライセンスの販売に影響します。MicrosoftやIBMがデータベースを自社ブランドで販売しているのとは異なります。

UINX上で広く普及する組込型のオープンソース・データベースであるBerkeley DB
をサポートするSleepyCat社はOracleが買収しています。Oracleは2年ほど前にMySQL社の買収も試みましたが合意にいたりませんでした。

Oracleは潤沢な資金で「データベースを走らせる基本ソフト」、「データベースを使ったビジネスソフト」、「データベースを使ったソフトウエアを開発するツールソフト」、「データベースに連動するソフト(エンドユーザに見える部分)を実行するソフト」を自社ブランドに集約しようとしています。

BEAはJavaを使った「データベースに連動するソフト(エンドユーザに見える部分)を実行するソフト」のメーカーの雄です。BEAのWebLogicはJavaで作られたソフトウエアを実行するソフトウエアとして普及しています。いわゆるミドルウエアにあたる部分です。この機能がないと、Javaのサーバー実行型ソフトウエアを使うことができません。システムの要を構成する部分です。

同様の機能を提供するソフトベンダはいくつかあります。IBMやSUNも競合になります。この分野での競合はオープンソースソフトウエアのJBossでしょう。JBossはオープンソースソフトウエアであるLinuxのサポートベンダとして成功したRedHat社が買収しました。

Oracleは「データベースを使ったソフトウエア」に関連する分野で成功しているプロダクトを自社ブランドに集約し、ソフトウエアの開発から、運用までをOracleと組めば簡単になるよう取り組んでいます。その一環としてJavaで開発したソフトウエアの実行環境を手に入れたとおもいます。

OracleのBEAの買収には、もう一つ見落としてはいけない面があります。BEAはJavaではないソフトウエアを連動させるミドルウエア「Tuxedo」とその関連製品を持っています。この分野では沢山のテクノロジがありますが、オープンソース分野では確固たるものはありません。

BEA=WebLogic(実行基盤)+Tuxedo(連携基盤)と見ると、Oracleにとっては、まさに欲しかったソフトウエアが手に入ったということになります。
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MySQLをSunが買収

2008-01-18 08:53:11 | オープンソース
こんにちは。匠技術研究所の谷山です。

オープンソースのデータベースとして著名なMySQLをSunが買収します。
MySQLはオープンソースのデーターベースとして最も普及しています。

検索サービスのGoogleも使っており、高速性に注力したホームページ向けデーターベースとして、良く知られています。

Sunは基本ソフト(OpenSolaris)、開発言語(Java)、オフィスソフトウエア(OpenOffice)をオープンソースとして提供し、普及に成功しています。

丁度一年ほど前に、非オープンソースのデータベースの雄OracleがMySQLを買収しようとして合意に至りませんでした。

また最近ではIBMがSolid Information Technology社を買収しました。Solid社はインメモリーデータベースの雄で、高速かつ堅牢なデータベース技術を持ち、高信頼性を求められる、組み込みデータベース分野で使われています。一方で、その技術をMySQLに応用し、より高速なMySQLを目指していました。

MySQLの機能を高めるトランザクション・エンジンであるInnoDBを提供していたInnobase社は、2年前にOracleに買収されています。

このように、MySQLやその追加コンポーネントを開発する会社を、業界最大手が買収するほどの価値があります。

MySQLにとっては、Sunの買収によって財政的・経営的な基盤を確固たるものにすることができます。オープンソースをビジネスに利用する人たちにとって、この買収がオープンソースデータベースのMySQLがオープンソースであり続ける期待が持てます。

Sunは今回の買収により、オープンソースの強力なソフトウエアスタックを支援する企業になります。オープンソースのソフトウエア基盤を提供するビジネスモデルへの移行がますます加速することでしょう。

オープンソースを販売するビジネスは開発元でない限り難しいのですが、オープンソースを使うことはずっと簡単です。ただ、使う側の心配は、使っているオープンソースソフトウエアが無くならない事と、開発が止まらないことです。

オープンソースの開発元が安定していることは、安心して利用できます。これまでMySQLを使って企業向けのソフトウエアを作ってきた当事者として、たいへんうれしいニュースです。
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電子文書の標準化動向

2007-09-13 13:48:21 | マイクロソフトのOfficeと互換ソフト
業務で使うワープロ、表計算などのソフトの選択肢が広がりつつありますが、世界的にもマイクロソフトOffice以外の選択のニュースが聞こえてきます。

私もMicrosoft Officeを長年使っています。利用者の立場として、「何故一つの会社の決して安くない製品を使い続けなければならないのか。しかも、メーカー都合のバージョンアップにも費用がかかる。日本語文書の作成には使いにくい点も多々ある。」と感じています。

例えば、この文書は一太郎Liteというシンプルな機能のワープロを使って書いています。複雑な機能は不要なのでこれで良いのです。簡単なワープロ文書であればWindowsXPについてくるWordpadでも多くの方は十分だと思います。

ユーザ側の立場としては、どのOfficeソフトを選ぼうと、作った電子ファイルを異なるソフト間でやりとりできればいいのです。

国際的な大きな流れも、電子文書の標準化の検討が進んでいます。

□Microsft のOffice Open XML(OOXML)のISO標準認定申請が否決、継続審議に
2007年9月4日付けISOのホームページでの発表でOffice Open XML file formatsが標準として認められる得票数を得られなかったとしています。Office Open XML file formatsはMicrosoft社がオフィスの電子文書の標準仕様として策定し、ISOに標準認定申請をしたものです。当然、将来的にMicrosoft Officeがサポートするフォーマットになります。今回は標準としては否決されましたが、継続して審議されおそらく来年に再度認定のための投票が行われます。

MicrosoftのOOXMLは、既にMicrosoft Officeを採用してるところが圧倒的であることから、標準化動向に関わらず、使うことになります。

□OpenDocument Format AllianceのODFのISO標準認定が可決
一方、業界団体の一つであるOpenDocument Format AllianceがISOに申請したOpenDocument Format(ODF)が2007年5月に標準として認定済みです。ODF Allianceには世界各国から452(2007年9月12日調べ)の企業、団体が加入しています。IT業界で著名な会社として、IBM、MySQL AB、Novell、Oracle、RedHat、Sun、UNYSYS(米国)などが参加しています。

ODFはOpenOfiice.orgが配布するオープンソースのオフィスソフトのOpenOfiiceの電子文書フォーマットを拡張して標準化を進めたものです。OpenOffie.orgにはSunが支援をしていますが、IBMも技術者を投入して支援を始めました。しかしながら、普及はこれか

この二つの電子文書の標準規格の間では互換性がありません。OpenOffie.orgにはSunが支援をしており、製品版としてStarSuiteを販売していますがGoogleが無償で配布を始めました。IBMも技術者を投入して支援を始めました。ソフト業界のODFへの対応が進めば、ODFが業界で中立的な存在となりそうです。

今後の日本市場では、
■Microsoft(ワールドワイドの圧倒的な利用者数でリード)
■JUSTSYSTEM(一太郎、ATOKで著名。日本語が使いやすい製品でリード)
■StarSuite8(Googleが無償配布開始。日本語フォント等商品の位置づけ)
■Google(Web上でワープロと表計算が使える。スケジュール管理も。)
■OpenOfiice.org(オープンソース。実験的製品の位置づけ)

その他Microsoft互換ソフト
■KINGSOFT
■使える!オフィスソフトE.I.O.
あたりが、どの程度普及するかですね。

他のソフトを使う機会が増えれば、オフィスソフトがMicrosoftであることは関係無くなってくると思います。最初はソフトを選択できるような形で導入を始めれば良いと思います。
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