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OracleがBEA(WebLogic)を買収した理由

2008-01-19 09:22:46 | オープンソース
こんにちは。匠技術研究所の谷山 亮治です。

データベース関連専業最大手のOracelがBEA(WebLogic)を買収しました。Oracleは自社のデータベースのライセンスを販売し、利益を上げています。企業用途でたいへん普及しているデータベースです。

データベースは、データの入れ物です。データベースだけあっても役に立ちません。データを入れたり出したりする部分が必要です。その部分が「ソフトウエア」として、利用者に見えています。

データベースを販売するOracleは沢山の「ソフトウエア」にOracleが組み込まれるように工夫します。ソフトウエア開発者がOracleを選ばない限りOracleは売れないからです。

Oracleはデータベース専業メーカー間の競争を勝ち抜きました。デーベース業界のライバルは、データベース専業ではないMicrosoft(SQL Server)とIBM(DB2)です。ただ、伏兵がいます。オープンソースのデータベースです。この分野ではMySQL(Sunが買収を発表)、PostgreSQL、FireBirdがよく知られています。

Oracleはオープンソースデータベースが普及すると自社のデータベースライセンスの販売に影響します。MicrosoftやIBMがデータベースを自社ブランドで販売しているのとは異なります。

UINX上で広く普及する組込型のオープンソース・データベースであるBerkeley DB
をサポートするSleepyCat社はOracleが買収しています。Oracleは2年ほど前にMySQL社の買収も試みましたが合意にいたりませんでした。

Oracleは潤沢な資金で「データベースを走らせる基本ソフト」、「データベースを使ったビジネスソフト」、「データベースを使ったソフトウエアを開発するツールソフト」、「データベースに連動するソフト(エンドユーザに見える部分)を実行するソフト」を自社ブランドに集約しようとしています。

BEAはJavaを使った「データベースに連動するソフト(エンドユーザに見える部分)を実行するソフト」のメーカーの雄です。BEAのWebLogicはJavaで作られたソフトウエアを実行するソフトウエアとして普及しています。いわゆるミドルウエアにあたる部分です。この機能がないと、Javaのサーバー実行型ソフトウエアを使うことができません。システムの要を構成する部分です。

同様の機能を提供するソフトベンダはいくつかあります。IBMやSUNも競合になります。この分野での競合はオープンソースソフトウエアのJBossでしょう。JBossはオープンソースソフトウエアであるLinuxのサポートベンダとして成功したRedHat社が買収しました。

Oracleは「データベースを使ったソフトウエア」に関連する分野で成功しているプロダクトを自社ブランドに集約し、ソフトウエアの開発から、運用までをOracleと組めば簡単になるよう取り組んでいます。その一環としてJavaで開発したソフトウエアの実行環境を手に入れたとおもいます。

OracleのBEAの買収には、もう一つ見落としてはいけない面があります。BEAはJavaではないソフトウエアを連動させるミドルウエア「Tuxedo」とその関連製品を持っています。この分野では沢山のテクノロジがありますが、オープンソース分野では確固たるものはありません。

BEA=WebLogic(実行基盤)+Tuxedo(連携基盤)と見ると、Oracleにとっては、まさに欲しかったソフトウエアが手に入ったということになります。
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