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「宮廷の諍い女」

2020年08月21日 09時15分35秒 | TV/ドラマ
中国ドラマ「宮廷の諍い女」をU-NEXTで観た。(全76話、1話44分) 
原題:「後宮・甄嬛伝」(2011年末~2012年春放映)
(以下、ネタバレありなので、ご注意)

宮廷ドラマのスタンダード。(これを観ずして宮廷ドラマを語れない)
清朝後宮では、皇后と華妃の2大派閥があった。
そこに甄嬛が側室として宮廷入りすることから物語は始まる。
第1話は秀女選びのシーンから。
秀女は宮女と違って、それなりの家柄の女性でないと試験さえ受けられない。
具体的に言えば、上級官吏の娘だ。
年頃の娘は、試験を拒否できず、試験期間中は準備期間も含めて結婚もできない。清朝は満洲民族の国家だが、人数で言えば漢民族が圧倒的に多数。
ヒロイン・甄嬛も漢民族の官吏の娘だ。

秀女選びの会場で、甄嬛は幼なじみで親友の沈眉荘に会う。
再会を喜びあうも、甄嬛は浮かない顔をしている。
「選ばれたくない」、と。
いったん後宮に入ると、一生出られない、自由がなくなる。
好きな人と出会って添いとげるような人生を送りたいのに。

本作品の見所は、純真で人の良いヒロインが、嫉妬と陰謀で渦巻く後宮でもまれて、したたかな性格に変貌していく様子だ。最初は、罠を仕掛けられても怯え、部屋に引きこもるだけだったのに、最後は、積極的に策略を練り、相手を落とし込み、報復していく。結果として、聖母皇太后まで上りつめる。

【台詞】
皆 縁を口実に近づく反面
縁がないことを別れの言い訳にする

後宮の女は御花園の花と同じだわ
散っても新たな花が咲く

【備考】
登場人物が多く、階級もややこしいので、メモを取りながら観た。

官女子(最下位ー官女子は宮女と変わりないが、夜伽ができる)
答応(8位)
常在(7位)
貴人(6位)     ↑定員無し=何人いてもOK
嬪(5位ー定員6名)  ↓「嬪」から上位
妃(4位ー定員4名)
貴妃
皇貴妃        ↑側室   
皇后         ↓妻=正室=正妻
*嬪から上位となり、基本、1等級ずつしか上がらない。
*貴賓は小主であり、独立した部屋をもらえる
*観ていると、皇后も側室も、お互いに「娘娘(にゃんにゃん)」と呼び合っている。(にゃんにゃん、にゃんにゃん、とあたかも猫だらけ)
でも、注意して観ていると、ヒロイン・甄嬛は、最初「娘娘」と呼ばれていない。上位の「嬪」以上になってから、「娘娘」と呼ばれるようになった、と思う。「娘娘」は、もともと「女神様」の意味があるようで、下位の側室には使わないようだ。(正式に資料に当たっていないので間違っていたらスマン)

【追記】
Amazonで観ると第1話のみ無料、2話から76話まで各220円かかる。
75話×220円=16,500円(U-NEXTなら月額料金のみで無料)
*なお、Netflixは、ダイジェスト版となり、90分×6話。
*Netflixダイジェスト版も少し観たが、どうしても多数エピソードが抜けて、面白さのレベルが落ちる。ぜひ、完全版で観られたい。

【追記】2
ヒロインには、実家から連れてきた2人の侍女がいる。
私は、浣碧より流朱が好ましく感じられるが、最期は痛ましい。  
祺貴人は、ヒロインを陰湿にいじめる悪役だが、最期はあまりに気の毒。ちょっと酷い、と思った。
登場人物は多く、女性だけでも数え切れないほどいる。
だが、源氏物語と同じで、誰1人幸福になっていない。(かろうじて、崔槿汐くらいか?)

【参考リンク】
宮廷の諍い女 チャンネル銀河 
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