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「梅原猛の授業仏教」梅原猛

2024年07月08日 06時50分45秒 | 読書(宗教)


「梅原猛の授業仏教」梅原猛

9年ぶりの読み返し。

P61
 西洋の聖者は二人とも殺された。これは重要なことです。ソクラテスは70歳で毒を飲んだ。イエス=キリストはまだ20代か30代前半ではりつけにされて殺された。ところが、東洋の聖者はそうじゃないんです。釈迦は涅槃で静かに死につく。孔子さまも畳の上で死んだ。これは西洋と東洋の思想を比較する上で大事な視点だと思います。

P79
新約聖書は「マタイ伝」「マルコ伝」「ルカ伝」「ヨハネ伝」という、4人の弟子によるイエスの伝記がありまして、次に「使徒行伝」という弟子たちの伝記があり、そのあとパウロがあちこちの信者にあてた「パウロの手紙」がある。パウロという人が実際にはキリスト教をつくったようなものですが、そのパウロの手紙があって、最後に「ヨハネの黙示録」がある。

P110
精進、禅定、正語、忍辱。やさしい言葉でいえば「こつこつ努力する」「集中力を養え」「正直であれ」「辱めに耐えろ」。この四つがあれば、人生は生きていけます。これが仏教で教える四つの大切な道徳です。

P138
大乗仏教がこんなに残っているのは、日本をのぞいては、チベットくらいのものです。

P144
上からの仏教布教者が聖徳太子、下からの仏教布教者が行基。この二人によって、仏教が日本の国教になったわけです。

P149
最澄は日本天台宗の根拠地、比叡山延暦寺を、まだ京都に都ができる前に建てたんですね。

P188
親鸞は自分でひとつの宗派をつくろうとは思わなかった。

P189
親鸞は90歳まで生きました。一世を風靡した僧ですが、親鸞は一生をほとんど無名ですごし、京都の片隅の自分の弟の寺でひっそり死んだ。

P194
仏教には二つの原理があります。ひとつは平等ということですね。(中略)
もうひとつ大事なことは、悟りを得る、煩悩の世界を超えた生き方ができるということです。

P210
京都の東にあるのは鎌倉時代につくられた寺で、北にあるのは室町時代につくられた寺です。

【ネット上の紹介】
宗教教育に基づいた道徳を教えたい―著者のその願いは中学校で一学期間授業をする形で叶った。その授業は、やさしい言葉で教える仏教の「いちばん大切なこと」。仏教を通して質の高い生き方を、中学生だけでなく、すべての学生から熟年世代まで語りかける名著。

[目次]

なぜ宗教が必要なのだろうか
すべての文明には宗教がある
釈迦の人生と思想を考える
大乗仏教は山から町へ下りた
生活に生きる仏教の道徳
討論・人生に宗教は必要か
日本は仏教国家になった―聖徳太子、行基、最澄
空海が密教をもたらした
鎌倉は新しい仏教の時代1 法然と親鸞
鎌倉は新しい仏教の時代2 日蓮と禅
現代の仏教はどうなっているか
いまこそ仏教が求められている

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