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「日中韓を振り回すナショナリズムの正体」半藤一利/保阪正康

2023年07月24日 08時19分41秒 | 読書(昭和史/平成史)
「日中韓を振り回すナショナリズムの正体」半藤一利/保阪正康

P47
特定秘密保護法は若手の官僚が主導したと言われています。今回の集団的自衛権の解釈改憲については、どうも外務省の主導のようです。むしろ防衛省は消極的ですよ。

P66
従軍慰安婦問題で、世界が日本という国に問うていることの本質は、女性の人権に対するスタンスであり、求められているのは、歴史事実に対する贖罪です。

P92
日本人は日露戦争を経験した後、初めて「国民」になったということだったんです。

P104
ちょうど明治維新のときにプロイセンとフランスの間で普仏戦争が起こって、皆、そちらに回ってしまったんです。列強が日本へ来なくなった隙に、明治維新を起こしたんですね。(中略)
井伊大老が桜田門外の変で暗殺された翌年に、アメリカは南北戦争が始まっている。

P126
国家総動員法では、成立のときの国会の論議で、例の佐藤賢了の「黙れ」事件がありました。(中略)法案の説明のために来ていた1軍人である佐藤が「黙れ」と怒鳴りつけた。国民は国家の言うことを聞いていればいいんだ。国会議員など軍人に逆らうなという意識です。(中略)
(半藤一利)は、戦後、佐藤賢了に会っているんです。
「ああいう法律を通したことについて、反省なさっていませんか」と尋ねた。すると、「ばかもん、国防に任じている者には、戦争のできない国家なんて国家じゃないんだ」と怒鳴られました。終戦から13年くらいたった頃です。

P162
以前の中国には反英だってあったのに、1915年に「21ヶ条の要求」が出されてから、中国のナショナリストの反感は全部、日本に向いた。

P168
岸は満洲の官僚でしたし、日米安保条約にサインした吉田茂は奉天で総領事でした。

P181
西安事件で、蒋介石を監禁したとの報を受けたとき、毛沢東は蒋の処刑を望んだ。が、スターリンや周恩来は反対し、日本軍と戦うためには国民党軍と共産党軍との協力が大事と、毛沢東を説得した。

P201
反日の底の方に、侮日という古層がある。日本の今日のあるのは韓国文化を上手く取り入れて、それを消化したからだ。韓国のほうが兄貴なんだ、という抜きがたい優越感が底のほうにある。

【ネット上の紹介】
“憎悪の連鎖”をどうやって断ち切ればいいのか。“自虐史観”“居直り史観”を共に排して、歴史を直視すれば、解決の道は見えてくる―。「気づいたら戦争」にならないための“本物の愛国者”入門。
プロローグ 「国家ナショナリズム」が「庶民ナショナリズム」を駆逐する
第1章 現代日本のナショナリズムが歪んだ理由
第2章 近代史が教える日本のナショナリズムの実体
第3章 中国と韓国の「反日感情」の歴史背景
第4章 現代の中国および韓国のナショナリズム
第5章 将来に向けての日本のナショナリズム
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