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【ぼちぼちクライミング&読書】

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町山智浩の「アメリカ流れ者」

2018年06月11日 19時34分29秒 | 読書(英・米)

町山智浩の「アメリカ流れ者」

町山智浩さんの映画コラム。
(ラジオ番組でのトークを文字に起こしている)
映画を観ると現代事情が見えてくる。

P17
「BLとかやおいは『スター・トレック』から始まっているんです。もともと『スター・トレック』が放送された1960年代、カーク船長とミスター・スポックがあまりにも仲がいいので〈2人はデキている〉と女性たちが妄想して、それを物語として書き始めたのが、やおいやBLの始まりなんですよ!」

P31
自分のための復讐は「リヴェンジ」ですが、他の人に代わって仇を討ってあげることを「アヴェンジ」といいます。

P37
民主党と共和党のイデオロギーが逆転したのは、1960年代に民主党のケネディとジョンソン大統領が南部の黒人に選挙権を与える法律を通したからです。南部の白人たちはこれに怒って民主党を離れ、彼らを取り込むことでニクソンが大統領に勝ちました。

P86-87
いわゆる「リベラル」という言葉は、もともと「ニュー・ディールに賛成」という意味でした。戦後の日本も、このニュー・ディール主義(リベラリズム)のもとに始まったのです。
1980年ごろから新自由主義(ネオ・リベラリズム)に取って代わります。当時の大統領は共和党のロナルド・レーガン。ネオ・リベラリズムとは、基本的に「国が経済をコントロールしたり、国民に福祉を与えたりするのをやめて、実力重視の競争社会、自由主義競争を加速しよう」という考え方です。
 これはつまり、企業が利益を上げるために人員を削減したり、大きい企業が小さい企業を乗っ取ることなどを規制しないということです。

P173
映画業界では「興行収入が制作費の3倍なればトントン」といわれています。つまり「制作費10億円の映画を作ったとしたら、チケットの売り上げが最終的に30億円になれば黒字に転換」ということです。

【ネット上の紹介】
映画は、何も知らずに観ても面白い。でも、知ってから観ると100倍面白い。観てから知っても100倍面白い!人種差別・戦争・ドラッグ…映画が映し出す光と闇。合計21本の傑作コラムを収録!
多様性のあるアメリカ、人類の未来―スター・トレックBEYOND
ミュータントに託して描かれる差別との闘い―X‐MEN:フューチャー&パスト
タランティーノが暴くアメリカの暗い歴史―ジャンゴ繋がれざる者
政治とは交渉と妥協である―リンカーン
“良い戦争”などあり得ない―フューリー
PTSDで壊れゆくアメリカ軍人―アメリカン・スナイパー
市井の人から見た戦争の脅威―この世界の片隅に
ゾンビに託して描かれる虚構と現実―ワールド・ウォーZ
外国に無関心なアメリカ人―マイケル・ムーアの世界侵略のススメ
ドラマでわかるアメリカのドラッグ事情―ブレイキング・バッド〔ほか〕