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「夕暮れへ」齋藤なずな

2018年04月10日 21時15分01秒 | 読書(マンガ/アニメ)
 「夕暮れへ」齋藤なずな

何年も前に新刊パトロールに登録していた。
しかし、いっこうに出版されず。
もう創作活動をやめたのかな、と。
ほとんど諦めていたら、今回の出版。
嬉しいかぎりだ。即購入。

内容は、現在入手困難となっている「片々草紙」から8作品(90年代の作品)、また近作2本が収録されている。
「トラワレノヒト」2012年12月発行「キッチュ」より
「ぼっち死の館」2015年12月発行「アックスVol.108」より
この2作品がすばらしかった。
20年ぶりなのに、衰えるどころか進化している。
漫画好きな方には、特にお薦めします。


…・あんたには長いこと隠していて悪かったけど
実は私――
アウン・サン・スー・チーなの

ボケて一皮むけたな、あの性格
お体裁がなくなった分よりあらわになったよネ

死の島?!
そんなもんあってたまるもんですか!!

ご存じとは思うが、アルノルト・ベックリンの「死の島」がモチーフになっている
死の島 (ベックリン) 

こうなってくると……
……
……
スタップ細胞もあってよかったような気がしますね

結婚って
しないのも大変だけど
しても大変ね

【おまけ】
近藤ようこさんの帯の推薦文。
「こんな大人の漫画読んだことない。今までいろいろあって、これからもいろいろある、私たちの人生の物語。」
解説が呉智英さん。
この二作は、ともに老いと死がテーマである。齋藤なずな自らがその年代に入り、先述のように家族の介護や見取りを経験したからであろう。両作とも、人間の奥底にひそむエゴが死を前に噴出する様が辛辣なまでに描かれる。

【関連作品】


【ネット上の紹介】
葛藤、嘆き、喜び等、かあらみあう人間の煩悩を、巧みな人物描写で細やかに丁寧に描かれた人間ドラマは絶品! 恋愛、夫婦関係、介護、孤独な老人、と重たくなりがちなテーマを、気取らず自然体で善も悪も織り交ぜて描かれた作品は、豪快な生命力さえ感じてしまう! 
2017年より、『ビッグコミックオリジナル増刊号』にてシリーズ連載『ぼっち死の館』を開始、と70歳をすぎてもマンガ表現に力を注ぐ齋藤氏、日本の漫画界において、忘れてはならない、今年イチオシの作家です!