goo blog サービス終了のお知らせ 

【ぼちぼちクライミング&読書】

-クライミング&読書覚書rapunzel別館-

「勝ち逃げの女王~君たちに明日はない」(4)垣根涼介

2012年07月09日 21時42分20秒 | 読書(小説/日本)

「勝ち逃げの女王~君たちに明日はない」(4)垣根涼介

4巻目、シリーズ最新刊。
垣根涼介さんには2つの大きなシリーズがある。
ひとつは「ヒートアイランド」シリーズ。
①「ヒートアイランド」
②「ギャングスター・レッスン」
③「サウダージ」
④「ボーダー」

もうひとつのシリーズが「君たちに明日はない」シリーズ。
リストラ請負人の話で、業界ネタ満載。
①「君たちに明日はない」
②「借金取りの王子」
③「張り込み姫」

今回読んだのが、このシリーズの4作目。
本シリーズは2作目が一番面白く、3作目で落ちる。
4作目で保ちなおした。
いくつか文章を紹介する。

P114(著者の仕事観が出ている)
(ようはさ、どんな企業に勤めてどんな役職になっているかっていうことより、そこでやっている仕事の、自分にとっての意味のほうが大事なんじゃないかなって)

さて、「好きこそものの上手なれ」というけど、やはり「才能」という壁は存在する。
次に、著者の「才能」への考え方が示されている。

P162
(中略)次々と見せつけられる実力の差やセンスの壁に、それでも挫けずにその行為をやり続けるに値する、自分の中の必然です。それがあるかどうか。その気持ちだけが、その必然に支えられた情熱こそが、絶え間なく技術を支え、センスを磨き、実力を蓄えてくれる。また、それらの裏付けがあるからこそ、さらに情熱を持って長くやり続けられる。それが才能なんだって」 

P197
テクニックではない。気持ちなのだ。
自分はどうありたいのか。何を表したいのか。何を、どう伝えたいのか。それを真摯に見極め、追求していく気持ちの強さ。それこそが、才能なのだ。また、その気持ちが強ければ強いほど、培ってきたテクニックも凄味を増す。

(努力している人にとって)救われる言葉の数々。
(精神論で解決できる場合もあるけど)・・・でも、報われない場合も多い。
私は「3月のライオン」(羽海野チカ)に書かれている言葉の方が現実に添っているように思う。

「信じれば夢は叶う」
それは多分本当だ
但し一文が抜けている
「信じて努力を続ければ夢は叶う」
――これが正解だ
さらに言えば
信じて
「他のどのライバルよりも1時間長く
毎日努力を続ければ
ある程度迄の夢は、かなりの確率で」
               叶う――だ

【ネット上の紹介】
団塊の世代からバブル謳歌組、はたまたロスジェネ世代までリストラ請負人・村上真介が、サラリーマンの迷いをぶった斬る!イヤでもヤル気がわいてくる、痛快お仕事小説。