新専貨回想

平成の世を駈けたヤード系輸送の末裔

去り行く者

2010-03-31 22:04:36 | 東北線/常磐線

 つい先日、日車を出場したタキ1000形の新車、「JP-8」標記付きだったそうで、中古老朽タンク車の寄せ集めという印象の強かった、米タンへの新車投入は何年振りの事でしょうか…

 これでタキ38000の米タンが短命に終わる事はほぼ決定的になりました。「東邦号」のタキ15600後継車の噂も聞かれる此の頃ですし、シキ車等の特殊車輛を除く75km/h系貨車が主要幹線から全廃されるカウントダウンに入った様です。

 今回は現在の米タン・タキ38000に追われ、解体を待つタキ35000米タン他、新専貨廃止で失職したタキ3700等の私有貨車が静かに佇む、冬枯れの陸前山王。この様なシチュエーションでは、コダクローム64が何とも良い味に描写してくれるような気がしますが、このフィルムももうありません…

西日を浴びて佇むタキ35000。液垂れやタッチアップの跡が痛々しいです。先代のタキ3000がこのタキ35000に追われ、東海道3363に繋がれて半田埠頭へ旅立っていったのも、ついこの間の様に思えます。

(P:2008年12月 東北本線 陸前山王駅)


「映画の街」酒田だそうですが

2010-03-23 21:54:39 | 日本海縦貫線/上越線/信越線

 酒田港のマスコット、酒田臨港開発の協三ロッド式15t機ですが、貨物扱い量の減少でほとんど動く事も無くなった様です。後の平屋根の方は、かつて「西○警察」で名脇役を演じ、全国のお茶の間にその雄姿を見せた事も忘れられません。

 誕生以来酒田港で地味な貨車入換作業を黙々とこなしてきた彼に訪れた、一回のみの晴れの日も今は昔、今やスポットライトが当てられる事も無くなり、ひっそりと休む彼の後ろを、いつものようにDE10が牽くコンテナ列車が駆け抜ける、現代の酒田港の点景…

(P:2010年3月21日 羽越支線 酒田港駅)


あれからもう2年ですが

2010-03-22 22:24:30 | 日本海縦貫線/上越線/信越線

 2008年3月の新専貨全廃から丸2年、その後の酒田港がどうなったか、乗り鉄がてら様子を見に行ってきました。

 廃止直後は酒田港駅にまとめて留置だった液化塩素タキ車は、その後解体処分された模様で、跡形も有りませんでした。一方で運用終了後東北東ソー構内に留置のカセイソーダ、塩酸タキ車は、あの日と変わることなく、次の出番を待ち続けるように、そこに佇んでいました。

 しかしながら、周辺では急速に不要施設の解体撤去作業が進行中です。この界隈で一際高く聳え立ち、銀色に輝くランドマークだった、くみあい飼料のサイロが跡形も無くなっていたのには驚きました。良い具合に「枯れて」いた木造倉庫群も多くが失われていました。これらのタキ車達も、あと僅かの命と思われます。

 手前に積まれた大量の古タイヤが、この車輛たちの運命を暗示している様で、物悲しい情景です…

 構内にある車輛に近付く事は不可能なので、画像を拡大してみました。右側手前2輌のタキ2600は、古典的なマンホール開閉ハンドルからして、タキ2800ファーストロット改造車と思われます。左の列の5輌目には、一際太いドームを持っているので、タキ42642に間違えないでしょう。何れもカセイソーダ輸送の歴史を物語る貴重な「近代化遺産」とも言えるので、形あるうちに何とか出来れば良いのですが…

(P:2010年3月21日 羽越支線 酒田港駅)


「ついで」の1カット

2010-03-11 22:34:52 | 日本海縦貫線/上越線/信越線

 他の物を撮りに来たんだけど、丁度良い場所に停まっているから、はたまたちょっと変った車輛が来たから、ついでに撮っておくか、と思ってシャッターを切った1カットが、後で見るとおっ、と思う事が案外多かったりします。この時も、信越本線4380/4381を見に来ていた時でしたが、編成調査中に丁度やって来たのが、このEF62の牽引するスキー臨です。牽いていたのが4380/4381だったら必死でシャッター切りまくったと思いますが、こちらは既に数年前にEF64-1000に置き換え済みで、牽いていたのは消えて久しいレインボー14系です。今となっては「お宝」でしょうし、EF62は個人的に好きなカマですが、まあ余りJTには興味が無かったので、3カット程撮ってお仕舞いです。それと前後して来た新カヌ165系K編成湘南色デカ目の急行「赤倉」も撮らず仕舞いで、今考えると勿体ない話です。

 この新井~二本木界隈で4380/81を撮っている途中、そう言えばDE15の特雪やEast-iとか、色々遭遇した記憶がありますな…

 近々久しぶりにEF62に逢いに横川行こうかな…

(P:1996年3月15日 信越本線 新井駅)


足立の貨物ホーム

2010-03-07 23:47:24 | 山陽線/山陰線

 伯備線足立駅の石灰工場にあった貨物ホームの顛末は以前紹介した通りなのですが、鶴見線のクモハ12とかの写真を探す途中で、その当時のポジが発掘されたのでご覧頂きましょうか。詳しい撮影年月日はまだ調査中ですが、同じスリーブに入線し立てピカピカの一畑2100系2扉車の姿が有ったので、1995年の夏と推定されます。

 走行中の115系車窓からスナップの酷い写真ですが、改めて見返すと、昔の葛生や金生山とか石灰山の情景に憧れる人には堪らない雰囲気でしょうね。直ぐに再アクションを起こさなかった事が悔やまれますが、学生時代故、他に見たい物が沢山ある中、乏しい金銭的リソースの配分上「死んだ線路」の優先順位が相対的に低くなってしまうのは止むを得ないのでしょうが。レールの在否関わらず、こういう雰囲気の場所も本当に少なくなりました。今の情勢では秩父鉄道影森も時間の問題かも知れませんし・・・

(P:1995年8月頃 伯備線 足立駅)