鉄道写真を撮り始めて長くなると、溜まりに溜まった写真の整理保存と管理に頭を抱える事になります。分類整理も然ることながら、如何に良い状態で確実に長期間保存可能な手段を講じることの難しいこと。まあ個人的趣味でやっていることだから、費やすことのできるコストや時間には限界があるし、そう神経質になるのもナンセンスですが、かといって10年そこらで画像が劣化したり読み出し不能になったりでは面白くありません。
最近は写真のデジタル化も急速に進行し、デジタルデータ化と大容量メディアで保存が楽になったと言われますが、いろいろ話を聞くうちに、そう簡単なモノでは無いと…CDやDVD等の光磁気メディアも経年劣化しますし、その劣化速度がメディアの銘柄や原産国などで品質のばらつきが非常に大きく、不幸にしてハズレメディアに当たってしまったら、数年でデータの読み出しが不能になるとか・・・高価な国産メディアを使えばある程度回避できるかも知れませんが、それも絶対では無いそうで。
現代のフィルムはカビが生えたり褪色したりはしますが、直射日光や極端な高温多湿とか余程保存状態が過酷でない限り、数十年レベルで画像が判別不能になるほど劣化する事は考えにくいけど、デジタルデータは褪色しないけど、「全く読めない」状態に陥る可能性が容易に想定できるので、いまいち信用し切れません。そもそも現在のメディアやJPEGフォーマットの互換性が、いつまで保持されるかも問題ですし。
光磁気メディア以外の手段も、
大容量フラッシュメモリに保存…読み出し限定なら経年劣化は比較して少ないかも知れませんが、所詮ICチップだから、静電気で一瞬にしてクラッシュする危険がある。
HDDに保存…論外。読み出しのみでも長期間の使用で回転部分が摩耗するし、突然クラッシュして大量のデータをパーにした話はよく聞きます。
WEBストレージサービス…運営企業が健全な間は良いけど、サービス打ち切りの時困るし、不幸にも企業が倒産してしまえば、データは永遠に回収不能になる危険も。
…うーん、デジタルデータに関しては、信頼性の高い(=高価な)光磁気メディアに記録して冷暗所に保存し、更に特に重要と思うカットは大きめのサイズの銀塩プリントを作成して保存するのが、現時点では安全でしょうか…
デジタルデータはコンパクトに収納できると言うのは魅力的なのですが、データ自体は画像として可視化されていない故の危険性と言うのも孕んでおり、その管理を真面目にやるとフィルムより難しいのかな、と10年分位大量に放置されたポジフィルムのカビを拭いながらいろいろ考えてしまった…