新専貨回想

平成の世を駈けたヤード系輸送の末裔

宮浦の黄タキ回想(2) タキ55497

2009-07-26 21:05:51 | 九州各線

 旭化成延岡は先に述べた理由もあり、他社が手放した15年落ちの経年塩素タンク車をあちこちから集めていました。これは珍しい富山化学工業所有だった車輛です。

不鮮明ですが…専用種別標記の下に「航送用」の文字がありました…でもこの車、タイトルカットでお分かりの通り、本来は非航送車です…

(P:1998年5月4日 鹿児島本線 大牟田駅にて)


宮浦の黄タキ回想(1) タキ25460

2009-07-25 19:45:06 | 九州各線

 98年頃の宮浦に来ていた塩素タンク車、南延岡の旭化成と、新南陽のトクヤマからの物がありましたが、注目すべきは高圧ガスタンク車では異例とも言える高車齢を誇っていた?旭化成所有の車輛でしょう。最後まで黄タムを使っていた会社ですし、私の訪問当時でも、本州では見る機会も稀だった254**~654**の若番が多数残っているのも感動モノでした。

 それも旭化成自体が、国の認定する高圧ガス容器検査所に指定されており、自社で容器再検査が出来るので、20年落ちの高齢タンク車を使い続けるコストが低く抑えられるメリットがあったお陰です。

 しかし、JR貨物が従来無償だった、経年30年を超える私有貨車の全検費用を所有者負担に規則改正されたのと、紙列車のコンテナ化と製紙業界の脱塩素化の流れの中、大量に余剰となったタキ5450形の車齢の若い車の転属で、それも思い出となりました。

 これまた本州ではもう希少だった非航送車のスッキリしたプロテクタが新鮮です。

非航送車は2個の石灰箱が両サイドに分散して配置され、カセイソーダ箱は装備していないのも特徴です。

 そう言えばタキ5450も、今年で1354**~1454**あたりが20年落ち、1554**~1654**も大多数は15年落ちなんですよね…

(P:1998年5月4日 宮浦駅にて)


「銀タキ」へのレクイエム(12) タキ29114

2009-07-19 12:50:39 | 九州各線

 MCLCのタキ29000は未撮だし、日産のタキ7500は現地で撮っていないので、最後は三菱化学のタキ29100形です。製造メーカーが異なるだけあり、宇部や旭化成とは形態が大きく異なります。三菱化学の新ロゴ、どうも味気ない様に思うのは私だけ?

 広い構内に並ぶ銀色タンク車の列も、もう見る事は出来ません。コンテナ化はされましたが、三池の古典電機の活躍と、鉄道輸送自体が末永く続くことを願います。

さよなら、大牟田の銀タキたち…


「銀タキ」へのレクイエム(11) タキ10468

2009-07-17 19:32:54 | 九州各線

 今度は輸送廃止された日本化成小名浜から移籍した車輛です。三菱化学は元来タキ7500形と29100形しか所有せず、タキ10450形はいませんでしたので、この移籍で初登場した訳です。あと残るタキ29000形2輌(29015・16)も、子会社の三菱化学物流(MCLC)に移籍し、タキ7500形初期車が淘汰されました。

 たまたま日本化成時代の同車を撮影していたので、載せておきます。宇部興産やJOTの車と比べると、踏板の足がごつい感じです。
(P:1994年2月15日 総武貨物支線 越中島貨物駅にて)


「銀タキ」へのレクイエム(10) タキ7521

2009-07-15 21:10:27 | 九州各線

 今度はいよいよ最後まで残った三菱化学所有車です。この少し前まではトップナンバーもいましたが、後述する予定の日本化成宮下からの移籍車に押し出され廃車された後でした。末期には台車がTR225に振替えられていたのも記憶に新しいところ。九州地区拠点で使われていたのにも関わらず、踏み板が積雪地仕様の如く金網なのも興味深いです。当初は東北方面等への運用も多かったのでしょうか?


「銀タキ」へのレクイエム(9) タキ29120

2009-07-13 20:00:20 | 九州各線

 今度は影の薄い存在だった旭化成のタキ29100形です。このロット、旭化成時代より、宇部興産からの移籍車と入れ替わるように日陸にリースバックされ、速星に移った後の姿の方が有名かも知れません。

 形態的には同じ川崎製の宇部興産所有車とほぼ同じですが、受台の塗り分けが違うのが見逃せません。

(P:1998年5月4日 鹿児島本線 大牟田駅にて)


画像ライブラリの悩み

2009-07-12 22:00:57 | 撮影機材など

 鉄道写真を撮り始めて長くなると、溜まりに溜まった写真の整理保存と管理に頭を抱える事になります。分類整理も然ることながら、如何に良い状態で確実に長期間保存可能な手段を講じることの難しいこと。まあ個人的趣味でやっていることだから、費やすことのできるコストや時間には限界があるし、そう神経質になるのもナンセンスですが、かといって10年そこらで画像が劣化したり読み出し不能になったりでは面白くありません。

 最近は写真のデジタル化も急速に進行し、デジタルデータ化と大容量メディアで保存が楽になったと言われますが、いろいろ話を聞くうちに、そう簡単なモノでは無いと…CDやDVD等の光磁気メディアも経年劣化しますし、その劣化速度がメディアの銘柄や原産国などで品質のばらつきが非常に大きく、不幸にしてハズレメディアに当たってしまったら、数年でデータの読み出しが不能になるとか・・・高価な国産メディアを使えばある程度回避できるかも知れませんが、それも絶対では無いそうで。

 現代のフィルムはカビが生えたり褪色したりはしますが、直射日光や極端な高温多湿とか余程保存状態が過酷でない限り、数十年レベルで画像が判別不能になるほど劣化する事は考えにくいけど、デジタルデータは褪色しないけど、「全く読めない」状態に陥る可能性が容易に想定できるので、いまいち信用し切れません。そもそも現在のメディアやJPEGフォーマットの互換性が、いつまで保持されるかも問題ですし。

 光磁気メディア以外の手段も、
大容量フラッシュメモリに保存…読み出し限定なら経年劣化は比較して少ないかも知れませんが、所詮ICチップだから、静電気で一瞬にしてクラッシュする危険がある。
HDDに保存…論外。読み出しのみでも長期間の使用で回転部分が摩耗するし、突然クラッシュして大量のデータをパーにした話はよく聞きます。
WEBストレージサービス…運営企業が健全な間は良いけど、サービス打ち切りの時困るし、不幸にも企業が倒産してしまえば、データは永遠に回収不能になる危険も。

…うーん、デジタルデータに関しては、信頼性の高い(=高価な)光磁気メディアに記録して冷暗所に保存し、更に特に重要と思うカットは大きめのサイズの銀塩プリントを作成して保存するのが、現時点では安全でしょうか…

 デジタルデータはコンパクトに収納できると言うのは魅力的なのですが、データ自体は画像として可視化されていない故の危険性と言うのも孕んでおり、その管理を真面目にやるとフィルムより難しいのかな、と10年分位大量に放置されたポジフィルムのカビを拭いながらいろいろ考えてしまった…


「銀タキ」へのレクイエム(7) タキ10459

2009-07-11 19:08:36 | 九州各線
 宇部興産のタキ10450と共通運用されていたJOTのタキ10450です。同形式でJOTというのが珍しいですが、元住友化学です。宇部車と同じ様に見えますが、見比べていくと色々相違点があって面白いです。僚車に特異な遮熱板を後天的に追加されたタキ10461がありますが、結局一回も見ないうちに半田埠頭に消えました…

「銀タキ」へのレクイエム(6) タキ29110

2009-07-10 20:43:11 | 九州各線

 宇部のタキ29100の中でも、キャノピー鏡板が省略された増備車です。この重厚感がたまりません。模型でも欲しいですが、プラ成型で真面目に造ると、多分TomixのHG気動車シリーズ以上の値段になっちゃんでしょうね…それでも欲しいけど>配管や弁装置、キャノピー等のディテールが繊細に表現されたHGタキ29100

「形式タキ29100」表記の上に小さく「アルミクラッド」表記。もしタキ29000形にこの表記があっても、それは真っ赤な嘘です(笑) (濃度95%以上)表記も、九州のタキ29100形の特徴ですね。