問題のタキ42250、オリジナルのポジフィルムが見付からないのでプリントを複写したまずい写真ですが…(まあ原板もイマイチなカットですが)、西八幡→酒田港の運用は42250-53が廃車となった平成元年度末頃には終了、新製車の42254のみそれ以来神栖で廃車まで遊休車となっていたようです。用途はフタル酸エステル用だと、最終製品を運ぶタキ5950の運用拠点が末広町→和歌山操→浪速なので、酒田港はもう一つのナフタレンスルホン酸系AE減水剤かも知れません。
AE減水剤とは、コンクリートに添加することで細かい気泡をたくさん含ませ、セメントに対する水の添加量を少なくしても流れやすくする界面活性剤の一種です。単にセメントと骨材を所定量の水で練っただけだと流動性が悪く、かと言って作業しやすくするために大量の水を加えたら「シャブコン」になって本来の強度が出なくなるので、強度と作業性を両立するためにこの様な薬剤を添加する、と言う訳です。同目的の薬剤は何種類もあるようですが、これの場合は、ナフタレンを発煙硫酸か濃硫酸でスルホン化したナフタレンスルホン酸とし、フェノール樹脂を造るときと同じようにホルムアルデヒドを縮重合し、ナトリウム塩としたものが用いられるようです。
(1995年3月29日 鹿島臨海鉄道 神栖駅)