新専貨回想

平成の世を駈けたヤード系輸送の末裔

臨時専用種別

2024-03-14 00:32:25 | 首都圏各線

 六価クロムの話題に関連してタキ30100形の写真を探してたついでに目に留まったのがこれ、極普通のタキ7900形...なんですが、臨時専用種別と第三者使用の札が刺さっています。他の専用種別のタンク車をラテックス仮専用として使っているのは良く見たことがありますが(普通は凍結防止のためキセ付のタンク車が指定されることが多かったですが、安治川口→岳南原田とか、新茂原→浪速とか温暖な地域限定では、裸タンク体のタキ8000やタキ35000とか使っていました)、逆にラテックス専用車を他の用途に転用した例って少ない様な気がします。

さて、何を積んでいたのでしょうか…15倍ルーペでポジを見ると、「コンクリート混和剤」と書いてあるのまでは読めましたが、臨時常備駅と借受者までは読めませんでした。

ふと、同時期に同じ越中島貨物で「コンクリート混和剤」を運んできた奴がいなかったっけ? と探してみると、タキ8000形ホルマリン専用車にありました。こちらは辛うじて「臨時常備駅 倉敷貨物タ 借受者 日本ゼオン(株)」と読めました。冒頭のタキ7900も多分同じだと思いますがさて... 日本ゼオンはラテックスのメーカーとして大手なので、ラテックス専用車を使うのも何となく納得できますが。

しかし、コンクリート混和剤、と一括りにされますが、日本ゼオンと花王と日産化学と藤沢薬品とでは指すものが全く別物なんですよね。


六価クロム

2024-03-13 00:20:43 | 首都圏各線

 とあるメッキ工場で六価クロム含有処理槽の中に落ちた猫が脱走、と言うニュースを耳にしました。少し前まで猫を飼っていた者としては悲しい出来事ですし、事故防止上も、品質管理上も、きちんと蓋しておけよ...と言う案件ですが、中小零細製造業って結構ゆるゆるな所が多いからね…(全てじゃないけどね。私が以前いたところもまあ...頼むからシンナーが満たされたたらいの前でたばこ吸うのだけは勘弁してくれ...)

 で、その話題の六価クロムを運ぶ貨車を。積み荷の重クロム酸ソーダ液は、メッキや化成皮膜処理(クロメート処理、アロジン処理など)の他、有機化学での酸化剤としても汎用されてきましたが、毒性の強さから使用が忌避されるようになってきました。輸出用製品ではRoHS指令などの環境規制で事実上使用不可なので、民生用途では六価クロメートやアロジン処理はほぼ姿を消しましたが、防衛装備品関連ではまだ結構使われています。(旧国鉄のJRSとかでもそうでしたが、役所関係の規格は一度決めるとそれを変更するのはえらく大変だそうなので、何十年も前の規格そのまま、と言う場合が多いので。今度は国産の兵器を輸出する、と言う話になってきてますが、六価クロムや鉛の問題はどうするのでしょうか?と思って調べたら、兵器や宇宙関連機器はRoHS指令除外品目なのね)