新専貨回想

平成の世を駈けたヤード系輸送の末裔

道内の石油輸送終焉

2014-06-01 19:34:47 | 北海道各線

 本輪西駅発送の石油輸送列車が全廃になり、道内での石油の、と言うかコンテナ以外の車扱い鉄道輸送が終焉を迎えました。本輪西の日本石油精製専用線、中条のクラレや青海のデンカと共に、あれだけ賑わっていた駅が無くなってしまったとは俄かに信じ難いですが、これが現実… 本来なら大ロットで輸送距離が比較的長い北海道での石油輸送は、鉄道輸送に有利な筈ですが、過剰なまでに整備が進んだ道路網に対し、相対的に不利になってしまったのは残念ですね。

 

北海道の石油タンク車と言うと、一昔前ならタキ11000などキセを被った保温付き石油類専用車ですね。本州にも潤滑油など特殊油種輸送用として少数が配置されていましたが、化成品タンク車的な1輌単位での新専貨列車での運用が中心で、そればかりを何輌も連ねたC重油専用列車は北海道ならではでした。常備駅が男鹿線の脇本と言うのがマニアック、かつては原油輸送にも使われたのかな?

 

タキ17000は43系の保温付き版にあたり、保温付き石油タンク車の最終形式ですが、少数派に終わり、タキ11000より先に姿を消してしまいました。私が貨車を撮り始めた頃には、本州にはNRSの17043が清水‐安善の機械油輸送に使われているのみでした。

タキ20000は晩年は北海道でしか見ることが出来ない形式でした。4輌残っていたうち、3輌が新苫小牧で長期休車、残り1輌の西港の20016も永らく休車中でしたが、末期にC重油専用車の需要が逼迫したため奇跡の復活を遂げました。只でさえ太い10系タンク車のタンク体に、更に保温キセを被せたものだから、更に太さが強調されていますね。

(1998年8月 釧路開発埠頭 西港駅)