新専貨回想

平成の世を駈けたヤード系輸送の末裔

最後のカーバイド専用車考察(1)

2018-10-27 22:49:47 | Weblog

 次のネタを何にしようかと考えていたところ、少し前にネタ振りした西大垣のホキ5900、ちょい調べてみると色々興味深いことが判明。最後まで残っていた割には、趣味者的視点で詳しく語られた文献に乏しく、ただ西大垣と武生、黒井との間で運用されていたことが辛うじて分かりました。

 国鉄末期の昭和62年時点で残っていたカーバイド専用車の運用は、電気化学工業のホキ6000形による青海-八木原間の工場間輸送と、このホキ5900形による西大垣-武生/黒井間の輸送のみで、三菱化成は塩浜にホキ6000形1輌の車籍を残していたものの、その使用実態は永年無かったものと思われます。電化の輸送は国鉄民営化直前に消滅し、西大垣拠点運用も昭和63年に近鉄養老線の貨物扱終了と共に終焉を迎え、カーバイドの専用貨車による鉄道輸送の歴史に終止符を打ちました。

 ちょっと話を逸らして、カーバイドの用途として、
(A)ガス溶接、溶断、灯火用アセチレンガスの発生源
(B)有機合成原料
(C)カーボンブラック原料
(D)石灰窒素(肥料兼農薬)原料
(E)製鋼用脱硫剤

と言ったところが主なものでしょうか。昭和30年代は多くの化学メーカーや電炉メーカーが参入し、隆盛を極めましたが、2018年現在で日本国内で生産しているのは、デンカ(青海)とイビデンケミカル(青柳)、あと日本カーバイド工業(魚津)は現在はプラント停止かも? その中でも国内シェア90%を占め、工業的に大規模生産しているのはデンカのみです。有名な青海の原石線で運ばれる石灰石は、カーバイド工場で消費される分を輸送している模様です。(セメント工場は直結のベルトコンベアがあります)


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