最初に紹介するのは新潟臨海鉄道の太郎代駅です。皆様もご存知の通り、同鉄道は新潟東港の河川工事で路線が分断されるに至り、2002年9月末日限りで廃止となりました。どちらかと言うとメタリックな巨大プラントとパイプライン、どこと無く無機質で人工的な緩衝緑地帯というイメージを臨海鉄道に抱いている人がこの鉄道を訪れたら、きっとちょっとしたギャップを感じることでしょう。黒山を出て広がる風景は長閑な田園と静かな郊外の住宅地、唯一の途中駅、藤寄を出てしばらくするとコンテナターミナルの中を走り、少しらしくなってきたかな、と思ったら、松林をバックにした静かな環境の中に広がる、終点太郎代駅です。
フェンスや架線柱など邪魔な物は一切無く、光線状態も良好で、私の好きな駅でしたが、何分にも公共交通利用前提では不便極まりない場所でもありました。万代バスセンターから「太郎代浜」行きバスに乗り、「太郎代局前」で降りれば歩いて数分なのですが、確か2時間に1本位しかバスが無かったと思いました。あとは豊栄駅でレンタサイクルを借りる、黒山駅から気合で歩く(1時間は優に掛かります。。。)しかありません。クルマ使えば大した事無いって?私はクルマ運転しないので。。。(一応免許はありますが)
さて、この駅の概要ですが、私が最初に訪れた1995年頃は、発送のみの扱いだった模様です。発送貨物は、クラレ、三菱瓦斯化学のアセトン、メタノールが秋田港、中条、青海、黒井、新井に向けて、コープケミカルの濃硫酸が羽前水沢、中条、東新潟港、黒井向けに送られていた(と思いました。。。他にもあったかも?) あと藤寄駅に置き切れない日本曹達扱いのカセイソーダや三菱瓦斯化学扱いのホルマリン、メチルメタアクリレート、アセトアルデヒド等、各種化成品タンク車が置いてあることもありました。
貨車の形式的には、かつてはタム3450、3700等の2軸車やタキ5200、6500、内外輸送のタキ9900や35000とか、珍しい物も見られましたが、末期にはメタノール、アセトン輸送用車はタキ7250と7950、13700、13800の35系軍団に集約されて面白みが無くなりました。硫酸車は殆どがタキ5750で、カクタス化成、三谷産業、日本鉱業他、末期には神岡鉱業からNRSの29300、46000も転入し、小坂以外では珍しかったドーム付きの住商化学品の汽車製5750(15769-15771)も姿を消しました。
また前置きが長くなりましたが、次回は駅構内の様子を画像で紹介したいと思います。