新専貨回想

平成の世を駈けたヤード系輸送の末裔

酒田港オールスターズ(その2) タキ5046

2012-07-08 21:02:16 | 日本海縦貫線/上越線/信越線

 意外にも東ソー系のタキ5000形では唯一の東洋曹達工業よりの生え抜きがこの5046、これ又意外にも同形式唯一の日立製です。こちらは塩酸タンク車ではお約束的なフランジトップのドーム、受台も押え金式になって5002よりすっきりした印象になりました。台枠緩衝長がほとんど無いのが如何にも効率重視な高度成長期の製作であることを象徴しているようです。

 末期の運用は他のタキ5000、5050と同様、中条や二本木向けに合成塩酸を運んでいました。呉羽勿来亡き後、関東で塩酸タキを見る機会はほとんど無くなったので、日本海側に出掛けた時のお楽しみでした。

(2002年2月4日 信越貨物支線 新潟貨物(タ)駅)


酒田港オールスターズ(その1) タキ5002

2012-07-08 01:01:26 | 日本海縦貫線/上越線/信越線

 久し振りに新シリーズでも始めてみようかと思います。信越ネタはまだ紹介したいものは少し残っているのですが、それはそれで写真を発掘し次第改めて継続したいと思います。今度は二本木に比べると取扱品目こそ少ないけど、個性的なメンバーを擁した酒田港の東北東ソー化学酒田大浜工場の一大フリートを、完全網羅には程遠いですが紹介していきます。

 私が貨車撮影を始めた頃、塩酸タンク車と言えば味タムを別にしたら、活発に動いていたのは能町の日本曹達と、この酒田港は東北東ソーでした。あと勿来の呉羽化学も少数残っていましたが、程なく消えて行きましたので、比較的遅くまで見られたのはこの2つでした。双方とも個性的なメンバーが集まっていましたが、トータルではタムまでいた酒田港の勝利? その酒田港の中でも注目株は7輛のタム5000と、タキ5000形第一ロットでしょうか。タキ5000形は5001、5002、5012、5013、5031、5046、5161、5162といましたが、最後の2輛は長期休車、最若番5001は少しのことで間に合わず、既に運用落ちしてゴルフ練習場脇の倉庫線にカサカサになって置いてあったのを見るに留まりました。と云う事で、私が実見した現役最古のタキ5000形はこの5002です。昭和30年三菱三原製で、その10年後の昭和40年には同じく三菱で改造(恐らくタンク体更新)を受けているので、何かタンク体に不具合が発生した様です。フランジトップのドームが多い塩酸タンク車の中で、プレーンなドームは比較的珍しく、また同じく東ソー所有の5013とかと比べるとタンク体が細長く、均整の取れたプロポーションが好ましいですね。

(1996年3月16日 羽越本線 中条駅)