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taketake山旅日記

自閉的傾向を持つ重度知的障害者の長男と私の山歩きの記録

霊峰木曽御嶽山に登る(御嶽山)7月31日ー8月2日

2009年08月07日 | 北アルプス

  002_3 鹿島槍、西穂高、木曽御嶽山を候補とし、宿泊条件、アクセスを考慮して木曽御嶽山にした。木曽御嶽山は一番標高差のある開田口から登る計画を立て、登山口にある山荘きっこりと個室のある頂上二の池新館を予約した。しかし七月末になっても梅雨模様が続いたので開田口は無理と判断、山荘きっこりの安田さんに黒沢口までの車をお願いしたところ快く引き受けていただけたので、黒沢口から入山、大滝口に下ることにした。

  今回も週間予定盤が効力を奏し、スムーズに家を出発し005 た。梅雨前線が列島に居座り今日も不安定な天気だ。塩尻で中央西線に乗換え木曽福島駅に着くと、キッコリママ(勝手に名付けてごめんなさい)ことオーナーの安田さんが迎えて下さった。安田さんの車で約一時間、山荘キッコリは開田口四合目に近い標高1400㍍にある自然に囲まれた宿だ。山荘のテラスで持参のお弁当を食べてから部屋に入ると雨がパラパラと降ってきた。元教員で現在も教育に関わっておられるキッコリママの配慮でゆっくりと過ごすことか゛できた。

  007_4 が、朝は曇りだ。takeは前夜早くから寝たので機嫌良く着替えてくれた。5時に朝食をいただき出発だ。キッコリママの運転で黒沢口六合目中の湯まで送ってもらった。中の湯は小雨、休憩所で雨支度をして6時40分出発だ。この休憩所に御嶽ロープウェイのポスターが大きく貼ってあったのがtakeの目に留まったらしく、歩きだしてから何回も「ロープウェイ?」と聞いてくる。takeは中二の夏に那須岳のロープウェイに膝を震わせ008_4 ェイ終点からの道と合わさり、ロープウェイで上がってきた登山者が「今日は7時始発のロープウェイに乗った」という立ち話を聞いたtakeはこの先にロープウェイがあるのではとの疑念を持ったようだ。森林限界ちかくの八合目小屋が近付くと発電機の音が聞こえてきた。これこそロープウェイに違いあるまい と思ったtakeは顔をひきつらせたが、小屋に着き、雲間に現れた頂上への斜面を見てからは、打って変わりご機嫌となった。

  休憩している間に霧はみるみる間に晴れ山頂一体が見渡009_3 せるようになった。(結局三日間で山頂が見えたのはこの一瞬だけだった)雨具の上着を脱いで9時15分出発、しかし山は再び霧に包まれた。這松の中の道を真っすぐ進み、岩の急斜面を登ると九合目覚明小屋で、ここでお弁当だ。ベンチに腰を下ろしてキッコリママの作ってくれた大きなおにぎりを食べ終わる頃、ぽつぽつとまた雨が降ってきた。また雨具を着用して10時55分出発し、すぐに頂上への稜線に出た。ここで012_2

  二の池新館は新しい建物という意味ではなく、二の池本館の後にできたという意味の古い昔ながらの山小屋だ。小屋の従業員は休憩中だったらしく、誰もいない小屋に入り声をかけたところ女将と学生アルバイトが一番乗りの客を迎える為、出て来てくれた。案内された部屋は四畳半だか、二人でゆっくり過ごすには十分なスペースだ。私が荷物を整理している時、takeがいやに静だと思ったら、窓を開けて雨樋から溢れる滝のような水で頭を濡らしていた。takeは幼児の頃から水で頭016 を濡らすのが大好きだ。だから雨の中を歩くのも苦にならない020 食にした。

 5時40分、正座して見送る番頭さんにお礼を述べて出発。 昨日の引き返し点を目指して歩く。二の池の辺を歩いている時はそれほどでもなかった雨だが稜線にでると風をともなってシビアに降りかかってきた。takeは満面の笑みを浮かべて登っている。今回takeはゴアテックスのおNEWの雨具を着ているのでとても快適そうだ。頂上付近の山小屋が現れ、立派な階段を登ると頂上だった。takeも嬉しそうだ。お参りをして記022 念撮影をすましたら、直ちに下山、帰りは大滝口だ。風雨がやや強まる中、岩の斜面をゆっくり下って行った。大滝頂上山荘に着いた時、出発してから一度も休んでなく、体も冷えていたので小屋の中で休もうと入った。どうぞ奥で休んで下さいと小屋の人が言うので何を買おうか迷ってたら、takeは嫌だったらしくリュックを担ぐと「行く !」と言って戸口に出て行った。また風雨の下りが続く、途中八合目石室避難小屋でリュックを下ろして休憩した。この辺りが森林限界でこの先風もなく、道も歩きやすくなった。024

  田の原バス停に着いたのは9時15分、10時45分初のバスに乗り12時に木曽福島駅に着いた。 駅前の食堂に入ってびっくり、咋朝別れたキッコリママと再会したのだ。山荘キッコリは昔から夏休みに「遊びの学校」という小学生を対象にした自然教室を開催しており、これから準備の為、大阪に向かうところだったのだ。再びお別れをして、「かき揚げうどん」を食べた。毎日雨ばかりのついていない山行だったが、人との出会いは何時もになく充実した霊峰木曾御嶽山だった。026

コースタイム

8月1日 六合中の湯6:40-七合行場山荘7:45-八合女人堂9:00~9:15-九合覚明堂10:55~11:20-二の池新館11:55

8月2日 二の池新館5:40-剣が峰頂上6:20-大滝頂上山荘6:50-八合目石室避難小屋8:00~8:10-田の原9:15

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懐かしの白馬岳に登る(北アルプス)8月13日-15日

2008年08月17日 | 北アルプス

 私が18歳から20歳代にかけて一番よく行った山が白馬岳だ。今でもそうだが学生時代のクラブの新人合宿が毎年小日向のコルで行われており、卒部後も何度か参加したりしている。とはいっても最後に登ったのはtakeが二歳の頃だからかれこれ15年はご無沙汰している事になる。 今回の計画では行動は午前中に終わらせる事を原則として登路を検討した。栂池ルートはアクセスがtakeが乗れないゴンドラリフトに限定されている事からアウト。大雪渓ルートも、白馬尻荘は個室予約が難しそうなことから除外した。一番遠そうに思えた蓮華温泉からのルートだが早立ちすればなんとか正午に着きそうなことことから、一泊目を蓮華温泉ロッジ、二泊目を村営頂上宿舎として猿倉に下山する事にした。P1010001

 13日朝特急あずさ号で離京、大糸線平岩駅でバスに乗り換え13時25分蓮華温泉に着いた。ロッジの前でお弁当を食べた後、宿泊の受付をした。takeは前日から今回の計画と自分のイメージ(今回は一泊でなければならないと思っている)が一致せず、行きの道中も不安感からイラついていたが、ここでようやく納得した様子であった。P1010009_2

 翌日は4時45分に宿を出発した。宿の朝食は6時からなので、菓子パンを食べながらの早出発だ。天気はというと朝日岳の稜線は雲に覆われているものの雨飾山方面は青空であった。しかし登るにつれ、遠くで雷が鳴るのが聞こえ「天狗の庭」手前では大粒の雨が落ちてきた。引き返していく人もいたが、しばらくは樹林帯がつづくことからこのまま登って様子を見ることにした。幸い一時間ほどで雨も弱まり、8時20分白馬大池に着く頃にはほとんど気にならないぐらいになっていた。ただし霧深く風もやや強い。時折小雨がぱらついている。P1010012

 高山植物が咲き乱れる白馬大池の湖畔でゆっくりしたいが、先を急いで小蓮華岳への雷鳥坂を登っていった。takeはお弁当を食べる場所の事が気になって「お弁当」「お弁当」としきりに聞いてくる。この頃には昼食は小屋に入ってからにしようと思っていたが、伝わらないといけないので「お弁当はマーダでしょう」と裏声でいうとtakeは面白がってまた「お弁当」と繰り返した。小蓮華岳には9時50分、三国境には10時30分に着いた。クッキーとゼリー菓子を食べたtakeは元気に白馬岳最後の登りに向っていった。馬の背を越えあともう少しで頂上というところで雷鳥が現れた。takeは雷鳥の「グー」という鳴き声を聞いて「アヒル」と言った。雷鳥もアヒルに間違えられては特別天然記念物の名が泣くというものである。P1010016

 白馬岳2933mの頂上には11時20分に着いた。新田次郎著「強力伝」で知られる風景指示盤が霧の中に見えたときは本当にうれしかった。takeもここが頂上と知ってかニコニコとしている。頂上で記念撮影をしてすぐ村営頂上宿舎に下った。受付をすませ宿の食堂でお握りのお弁当をゆっくりと食べるtakeであった。P1010021

この村営頂上宿舎は昭和63年に板橋区が開催した区民登山に参加した時宿泊して以来二回目だ。二ヶ月前に予約した8畳間の個室に入いりゆっくりと過ごした。takeには500㎜のジュース、私はビールを買い、二人で乾杯した。窓の外では15時ぐらいから再び雷鳴が轟き、屋根を打つ激しい雨音が響いた。P1010029

 翌日はややゆっくりと小屋の朝食を食べ6時30分に出発した。外は昨日同様深い霧だった。高山植物が咲く小雪渓付近を通り、葱平に向ってジグザグに下っていくと霧がはれて大雪渓が見えた。8時に雪渓の取り付きに着き、takeにとっては初めてのアイゼンを履いた。take は雪上の下降を最初いやがり「マダー」といって怒っていたが、徐々になれてきた。先週この雪渓で落石事故による死者が発生している事もあって私も緊張し、takeから離れずまた10歩毎ぐらいに振り向き後方確認をしていた。P1010035

 登ってくる人とのすれ違いも多くなる頃、白馬尻に着きアイゼンを外した。そして9時40分白馬尻荘に着いた。あとは猿倉への道を下るだけである。ベンチに腰を下ろしたtake の目の前に下ってきた大雪渓が広がり、そしてこの三日間を労うかのようなさわやかな風が吹き抜けていった。

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