taketake山旅日記

自閉的傾向を持つ重度知的障害者の長男と私の山歩きの記録

締め括りは高尾山から陣馬へ(高尾)12月24日

2007年12月26日 | 高尾

 今年もあと一週間となった連休最終日、当初は道志の九鬼山を計画していたが、前日の低気圧通過時に中央高速大月はチェーン規制していたと聞き、降雪があっても困らない所へと、またまた高尾山に行くことにした。 天気は晴れで7時15分に家を出た。途中の駅から見た丹沢山塊は白く、予測通りと思ったが、京王線高尾山口駅前から見る山々は黒々としていた。結局この日は陣馬山付近に雪の降った痕跡があった程度で雪の心配は杞憂に終った。P1010003

 いつもの琵琶滝六号路をつめて高尾山頂上に出た。展望台にいくと富士山が白く大きくそびえていた。付近には初日の出に備えているのであろうか、周囲を覆った仮設テントが建てられていた。takeはこの仮設テントが気になったらしく、怪訝な顔をしながらシートをめくって中を覗き込んでいた。また冬至の時分は富士山の頂上に日が沈むダイヤモンド富士がここから見れるとかで、朝から三脚を拡げて場所取りしている人もいた。P1010006

 ここから先に進み一丁平には10時35分に着いて昼食、景信山には12時5分に着き青木茶屋で今年五杯目のなめこ汁を食べた。そして底沢峠への道を歩きながら、ここからどうしようかと思案にくれた。時間的には陣馬山まで行く余裕はあるが、takeは高尾山から歩いた時は底沢峠から下山することへのこだわりがある。中三の時に一度だけ高尾山から陣馬山まで歩いているが、それまで殆ど底沢峠からの下山していたのでこだわりが固まってしまったらしい。(2006年5月14日を参照) そこでこの区間を歩く時は陣馬山を起点にするように変えたのだが、今のtakeがどこまで許容してくれるのか見当がつかなかった。そんなことを考えながら歩いているとtakeがいきなり振り返り「コーヒー飲む」「飲む飲む」と言ってきた。自分のザックに入っているポットのお湯がまだ残っているの思い出して言ってきたのだが、これはチャンスと思い「コーヒーはお馬さんの山に行ってから飲みます」と答えるとtakeは一瞬顔を曇らしたものの受け入れてくれたようだった。P1010008

  底沢峠はさほどの抵抗も無く通過し14時5分に陣馬山に着いた。ポットのお湯でインスタントコーヒーを作り、残っていたお菓子を前に並べると、takeはどちらかというと不機嫌そうに箸でコーヒーをかきまぜていた。私はtakeを離れて人も少ない頂きから周囲の山々を見ていた。すると「いこか」とtakeが機嫌の良い声で私を呼んだ。あわてて戻り、歩きだしたtakeを追いながら後ろを振り向くと、そこには今年最後の富士山があった。私は「今年は登れなかったけど来年も宜しく」と念じながら陣馬山を後にした。

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落ち葉踏み分け御前山に登る(奥多摩)12月16日

2007年12月18日 | 奥多摩

    奥多摩の主要ピークのうち日帰りで行ける大岳山、御前山、三頭山、川乗山、六ッ石山を日帰りビックファイブと勝手に呼んで、毎年一回は行こうと思っているがなかなか果たせないでいる。今年も大岳山と六ッ石山にしか登っていない。日も短い時期なのでコースタイムの長い川乗山とアプローチの長い三頭山は来年にして今回は御前山に行くことにした。コースは奥多摩湖畔から大ブナ尾根を登って栃寄に下るという、昨年秋と同じコースだ。071216_120109

   7時に家を出て、ホリデー快速奥多摩号に乗ったが、三週前が嘘のように空いていた。まあ慌ただしい年末に山歩きをする人も少ないだろうと思いながら電車は奥多摩駅へ。ここからの丹波行きバスも空いていた。9時45分人影少ない奥多摩湖畔を出発した。ダムサイトを渡り急な尾根登りとなる。傾斜がやや緩やかになると940㍍のピークで、takeは「ジュース飲む」を連発して私に休憩を促した。ここでおやつタイムをとった後は、上着をリュックにしまって出発だ。良いリズムで登り続け11時40分に1120㍍付近に着いた。前年同様今回も日当たりの良いこの場所で、ふんわりとした落ち葉の上に敷いたシートに座って昼飯にした。071216_120030

  12時10分に出発。ザレた斜面をジグザグに登りきると惣岳山だった。そこから少し下り、登り返すと御前山だった。山頂の少し手前に、GPSだと思われるアンテナの付いた首輪をした猟犬が繋がれていて、もの悲しげに鳴いていた。takeは犬が繋がれているのが分かると、少しずつ近寄っていっ て、犬の目線に合わせるようにかがみ込むと、「迷子の迷子の…」と「犬のお巡りさん」のワンフレーズを口ずさんだ。その歌で迷ったのは犬じゃなくて猫だろう思いつつその場を離れ、12時50分に1406㍍の頂上を踏んだ。071216_125824

  頂上から見る多摩川源流の山々の内、笠取山方面は雪に被われ白かった。12月の日の落ちるのは早い。頂上の展望もそこそこにして下山にかかった。避難小屋から「体験の森」の中を下った。カラマツ広場で最後の休憩をした後は落ち葉を蹴散らしながら山道を駆け下った。やがて林道歩きになっともハイペースだった。太陽は山の端にかかり、谷間の道はすでに陰っていた。境橋のバス停に着いたのは14時50分だった。出発からゴールまでのコースタイムが昨年より15分短縮していた。それもほとんどが下りで稼いだものである。学校のマラソン大会といい最近なかなかやるなのtakeであった。

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浅間峠から笹尾根を歩く(奥多摩)12月9日

2007年12月11日 | 奥多摩

 山歩きを始めた高校生の頃は五万分の一地形図「五日市」に歩いたコースの朱線を入れて悦に入っていたものだ。その頃最後まで空白だったのが三頭山の西原峠から連行峰間の笹尾根と呼ばれている稜線だった。今と違って、一ヶ月に一回しか行けなかったので、目立つピークのないこの稜線は後回しなったのだと思う。九年前からtakeと奥多摩にあしげく通うようになり三頭山や生藤山は何度も歩いたのに、依然としてこの稜線は歩いてなかった。先日地図を見ていてこのことに気付き早速浅間峠から三国山を歩くブランを立てた。Pc090016

  当日は7時前に家を出発した。天気もよく快適な日だまりハイク日和だ。武蔵五日市からの数馬行きバスは満員だったが、早めに並んだのが幸いして楽に座れた。上川乗に9時35分に着き、バスを降りて歩き始めた。takeは都民の森に行くと思っていたらしく「バス乗る」と言って不機嫌な顔をしていたが、山道に入り、沢を離れ急なジグザグ道を登る頃には、にこにこしながら後ろの私を振り返りつつ歩くようになった。尾根沿いに登るようになると浅間峠はすぐ傍で11時に着いた。浅間峠の名とはうらはらに、峠から富士の眺望は得られないが杉の巨木が聳えるこの空間は、これぞ日本の峠という感じだ。今週も降りそそぐ陽光を浴びながらゆっくりとお弁当を食べた。Pc090019

 昼食後11時35分出発、笹尾根を三国山に向かって進んだ。すぐ木立ごしに富士山がその勇姿を現した。このコースは関東ふれあいの道「富士見の道」 と名付けられている。熊倉山の頂上で眺望を楽しんだ後さらに尾根を東に進むと、軍刀利神社の奥社があり、13時に三国山に着いた。一昨年の春に来た時は大勢の人で賑わっていた山頂も、今日は訪れる人も少なくひっそりとしていた。当初は上野原の井戸に下山しようと思っていたが、三国山に着いた時間が早かったので、バスの便が良い藤野の鎌沢に下山する事にした。甘草水のベンチで麦茶を飲み干したあとは、佐野川峠から一気にかけ下った。登里の茶畑の中を通り、鎌沢には14時10分に着いた。バス始発の和田まで歩いていくと、出発待ちのバスが止まっていて陣馬方面からのハイカーでほぼ座席は埋まっていた。takeは途中ひろった山栗を車中に落としたのか「どんぐりコレ」と言って落とした方向を指差した。座席の下に落ちていた山栗を屈みながらひろってに手渡すと、大事そうに手のひらに握り締めたtakeだった。

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三浦半島を横断して大楠山に登る(三浦)12月1日

2007年12月05日 | 鎌倉・三浦

    今年もいよいよ師走を迎え街角もクリスマスのイルミネーションで飾られるようになった。この日は夕方に用事があったので、アプローチの短い三浦半島の大楠山に行くことにした。大楠山はtakeとこれまで三回行ったことがある。最後がtake中二の早春だったから、約三年振りということになる。余談だが昨年富士山で出会ったJECC所属のKAさんは三年前のちょうど同じ日に大楠山に登っていてtakeのことを覚えていた。 Pc020012

  八時過ぎに家を出て京浜急行線安針塚駅に着いたのは9時25分だった。駅前から谷沿いの車道を登りつめると塚山公園だ。展望台から横須賀の街が見渡せる。港には自衛隊艦艇も浮かんでいる。目指す大楠山も遠くに見えた。ここで最初のおやつタイムにしてtakeは缶ジュース私は缶コーヒーを飲んだ。缶コーヒーはいつもの通りtakeの「半分ね」と言う声に負けて飲みかけを手渡した。Pc020013 

  塚山公園を南に下るとそこら車道歩きになる。道標をよく探さないとわかりにくい所なのだが、takeは記憶でさっさと歩いていた。  横須賀横浜道路をくぐると、ようやく大楠山への山道だ。沢沿いに進み次第に山腹を巻きながら登って行った。takeは道の前方に幼児の手を引きながら一歳児をおんぶしている家族連れを発見し、振り返りながらうれしそうに「赤ちゃん」と言ってから昔を懐かしむように「おんぶする」と言った。いつもの言葉のやりとりだが、私が「おんぶは赤ちゃん」と返すと「もうおしまい」と答えた。Pc020014

 標高244mの頂上には11時25分に着いた。出発する頃は曇っていた空も晴れ上がり、先週同様ポカポカとした小春日和だった。西の相模湾方面を眺めながらおべんとうをゆっくりと食べた。おべんとうを食べ終えたtakeは、ラムネ菓子を持って展望台の上から鎌倉方面の景色を見ていた。12時15分、次第に賑わいだした頂上を後にして葉山側の前田橋バス停に向って下り始めた。カッターシャツ一枚であたたかな雑木林の尾根道を下っていった。道が沢沿いなると車道の下に遊歩道が設けられており、飛び石を踏みながらの沢歩きとなった。バス停には13時10分に着き、すぐに来た逗子行きのバスに乗った。日差しをあびたおだやかな海原を眺めながら12月最初の山行を終えた。

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