今年も昨年同様に7月下旬はtakeと二人で北アルプス、夏期休暇期間は妻と三人で家族登山を予定した。昨年は燧ヶ岳に登った家族登山だが、今年は会津駒ヶ岳と鳥海山が候補になった。結局はまだ見たことのない鳥海山に秋田県側の矢島口から登る計画に決まった。心配なのは天気で東北の梅雨明けは遅れていて、出発前日には秋田県中部から岩手県にかけて集中豪雨があり重大災害となった。秋田新幹線も不通のままだった。
10日の6時前に家を出て朝一番の山形新幹線に乗り、終点新庄駅には10時半に着いた。すぐレンタカーに乗り、鳥海山北麓の「花立牧場公園」に12時半頃着きお弁当にした。takeは電車⇒目的地付近でお弁当を行動パターンにしているので、電車内でのお弁当は許してくれないのだ。公園は霧に包まれ近くにいるジャージ牛しか見えない。付近を散策した後、明日の登山口、五合目祓川の偵察に車で行って駐車場の場所を確認した。今回の宿は麓の猿倉温泉「鳥海荘」だ。窓から鳥海山が見えるらしい部屋に案内していただいた後は温泉に浸かりのんびりしながら夕食の時間を待った。
翌朝3時半に起床してびっくり、takeはまだ寝ていなかった。23時頃まだ布団に入っていなかったので、布団に入れたのだが、一睡もしなかったらしい。(takeは金曜日の夜は外が明るくなるまで起きていることがあるが今日は日曜日だ)そのtakeがサッシの窓を開けることを要求するので開けてみるとなんと叩きつけるような雨が降っていた。4時に朝食の予約をしていたので、とりあえず着替えて食堂に行き、朝食後部屋に戻って天気待ちにした。takeはこれ幸いとばかり、早睡眠体制に入った。
6時頃、雨脚も弱ってきたのでtakeを起こして出発した。雨は断続的に止んだり強まったりした。五合目祓川駐車場で完全装備に整え出発、祓川ヒュッテに登山届を提出し竜ヶ原湿原を横断した。雨は出発の時は止んでいたがまた強く降ってきた。祓川神社にお参りしてダケカンパ林のタッチラ坂の登りになるが、雨水が流れ沢の中を歩いているようだ。雨は強く降っては、太陽が現れ、また雨が強く降るような天気だった。
6合目賽ノ河原を過ぎると雪渓が現れ、通過に時間がかかった。7合目御田の雪渓を越え8合目七ツ釜避難小屋を過ぎた大雪路の手前に出た。雨も止んでいたのでここで昼食のパンを食べることにした。食べ終えた9時20分ぐらいにまた雨が降ってきた。この時点でここから引き返すことにした。理由はこの日のペースだと頂上は正午過ぎになり、帰りの雪渓は軽アイゼンを着脱しながらになるので16時頃になること。そうなると積乱雲が高くそびえる今の状態で午後の雷雨に会う危険が高くなること。 なによりも昨夜寝ていないtakeの体調に不安があった。
ここで引き返して昨日の牧場でソフトクリームを食べるというストーリーを作ってtakeに話すとtakeは機嫌よく下山を始めた。思った通り雪渓の下降には軽アイゼンの着脱も含めて時間がかかった。しかしtakeも軽アイゼン歩行に慣れると嬉しそうに雪渓を自由歩行していた。朝歩いたばかりのタッチラ坂を下り、竜ヶ原湿原まで下りて来たころから天候は少しずつ回復の気配を見せてきた。時折ぱらつくものの強い雨は降らなくなり、頂上も下から望めるようになった。
自分の判断に誤りなしと信じ、駐車場で雨具をしまってレンタカーに乗った。午後早い時間に宿に帰ってきたので温泉に入りゆっくりと寛ぐことができた。こんな家族登山も良いものだと思っていたが、翌朝宿の窓から快晴の青空のもと鳥海山のスカイラインを見た時は少し残念な気持ちもした。
コースタイム
5合目祓川0635ー6合目賽の河原0732ー7合目御田0758~0810ー8合目七ツ釜避難小屋0837ー康新道分岐0852~0930ー7合目御田0955ー5合目祓川1135