先週始めに降った雪が近郊の山にも多く積もっているし、天気予報では寒気団に覆われて厳しい寒さと言ってている。ここは暖かそうな沼津アルプスでもと思って計画した。沼津アルプスは二年前に初めて歩いた山だ。標高400メートルに満たない山々に「アルプス」は大げさだが、起伏が多く全山縦走したらなかなか大変なアルプスだ。
東海道本線を熟睡したtakeを沼津駅で起こしてバス停へと向かった。駅を出ると風が強かったのでヤッケ代わりに雨具を着た。市内循環のバスに乗り、香貫台入口で降りて歩き始めた。住宅街を抜けて山道を歩るくとすぐ主稜の鞍部に着いた。この辺が沼津アルプスらしいところだ。ここから急な道を登ったところが徳倉山で最初の休憩地イコール昼食場所だ。風の弱い場所を選んだがそれでもシートが飛ばないようにするのに気を使った。
徳倉山からの富士山は薄雲のせいか至近距離にしては今一歩だった。来た道を引き返して南行コースを進んだ。駿河湾の波は荒く、船も出ていなかった。志下峠の少し上ではtakeの麦茶儀式を済ませこのコース最高峰392メートルの鷲頭山の登りにかかった。鷲頭山の東面は岩場でロッククライミングのゲレンデだったこともあるらしい。道は尾根通しの急な道をフィックスロープを頼りによじ登った。頂上は広くお宮が置かれていた。
ここからまた急降下してさらに南行するとウメガシの樹林の中の岩稜が続いた。別に緊張するようなところではないが、一箇所手を使わないと乗り越せない岩があった。takeは岩のホールドに手をかけると靴のフリクションを利用して上手に乗り越し、「なかなかやるじゃん」と私は思った。
ほどなく多比口峠に着き、ここから駿河湾に向かって降りて行った。すぐ舗装路になり漁村らしい集落が現れ多比のバス停に着いた。バス停には沼津行始発のバスが止まっていて今すぐ出発するところだった。慌てて飛び乗るとtakeは最後部の席に腰を下ろし、靴を脱いで「伊衛門」のお茶を海岸を眺めながらゆっくりと飲んだ。
コースタイム
香貫台入口0855―鞍部0925―徳倉山0935~56―志下坂峠1038―志下峠1106-鷲頭山1140~45―多比口峠1233―多比バス停1310