


そして翌日は曇り、本沢温泉から白砂新道を登った。途中から霧がかかり、稜線は風も強そうだったので雨具を着用した。稜線に出るとやはり風が強く吹いていた。東天狗岳頂上は私達だけだった。記念写真を撮って中山峠へと直ぐ下ったが、頂上での満面の笑みを浮かべたtakeの写真が残っていないのは辛い。
毎年のように通っている八ヶ岳の本沢温泉だが、昨年は二回計画して二回とも天気が悪るく、断念した。26日に家人の同窓会があり、これを口実にtakeと本沢温泉山行に行くことにした。山は景観の良い硫黄岳に登ることにした。
早朝の北陸新幹線に乗り佐久平から小海線に乗換え小海駅に降り立った。稲子湯行のバスは一昨年秋は満席だったのに今回ハイカーは私達を含めて3人だけだった。終点稲子湯で身支度をして出発した。天気は晴れだ。歩き出しから15分、駐車場のある唐沢橋を渡ったところにシートを敷いて昼食にした。
昼食を終えてまた歩く。しらびそ小屋の倉庫付近から登山道が変わっていた。今度の道はtake14歳の時、takeと初めてこのルートを歩いた時と同じ道だ。この一帯は森林整備毎に、道を交互に使っているようだ。沢沿いの道を歩き、takeの決まり通り、駒鳥沢の広場でスポドリを飲み、みどり池に着いた。ここで天狗岳が目の前に広がる。ゆっくりとしたいが、既にスポドリを飲んだtakeは湖畔をさっさと歩いて森の中に入って行こうとした。
ここから本沢温泉への素敵な森の道を歩いて、二時前に本沢温泉に着いた。小屋の受付をする際、下駄箱を見たら、まだ一足も靴がなく最初の宿泊客だったようだ。バルコニーのある個室で荷物整理を済ませ、すぐ温泉に浸かることにした。この小屋は上下の構造が複雑だが、慣れているtakeは迷うことなく自分で浴室へと向かった。5時半から食堂(お願いしていつも定位置にしてもらっている)で夕食を頂き、自室に戻り18時半には就寝した。
快晴の陽射しを浴びて起床、朝食を頂いて本沢温泉を後にした。少し登ると、露天風呂の分岐がある。よくテレビ等でも取り上げられる露天風呂だが、まだ行ったことはない。硫黄岳の火口壁が間近に見えるようになり、夏沢峠に着いた。ここでtakeは決まりとして麦茶を飲んで、菓子を食べた。
夏沢峠から硫黄岳へは樹林帯を抜けると高度がどんどん上がっていく感じだ。後ろを振り返ると、最初は根石岳しか見えなかったのが、天狗岳が頭を見せ、そのうちその全体と蓼科山が見えた。頂上に続くケルンを一つ一つ越して、頂上に着いた。私が初めてこの頂上に立ったのは19歳の12月だった。takeも3回目になる。
下山は赤岳鉱泉だ。赤岩の頭までの岩場を慎重に歩き、そこからは一気に下った。心配していた樹林帯の残雪は、形だけが少し残る程度だった。赤岳鉱泉小屋前のベンチに座っての昼食はこのところ定番となったカレーパンとあんパンだ。昼食を食べ、すぐザックを背負ってバス停へと歩いた。
歩き出しからtakeはスポドリが気になり落ち着かない。二日間楽しく過ごしたのに、こんなところで機嫌を損ねられてはたまらないと思い、すぐアクエリアスを飲ました。そして堰堤を越え、ゴールが近づくと、何時ものtakeとは思えないハイペースになった。バス停一番のりでザックを降ろし、〆の伊右衛門を飲んだtakeは、日陰の階段に座って寛いだ。
コースタイム
5/26 稲子湯1010―唐沢橋1028~50-駒鳥沢広場1153~58-みどり池1230-本沢温泉1345
5/27 本沢温泉0625-夏沢峠0730~35-硫黄岳0832~38-赤岳鉱泉0950~1009-堰堤1103-美濃戸山荘1131-美濃戸口バス停1210
今回の計画の発端は家人が17日の祝日に開催された高校同期会に二十数年ぶりに参加することから始まった。17日に毎週末山行をスライドさせようと考えたが、17日はtakeとしては月曜日で日帰りハイクは不自然に感じるだろうと思った。日曜日・月曜日の宿泊山行ならよくあるパターンなので、これで行こうと決め、十数年前から利用させていただいている蓼科のペンション「山ぼうし」さんを予約した。
北陸新幹線に乗って8時半頃、佐久平駅に着いた。1日目はここから蓼科牧場に行って、蓼科山に久しぶりに登ると言うのが昨日まで考えていたプランだった。しかし天気予報で雷雨注意報を聞いて転進を決意、昨年GWも歩いた白樺湖南岸の八子ヶ峰を歩くことにした。
立科町役場前で町営マイクロバスに乗り換え終点東白樺湖に着いた。過去は南白樺湖バス停から歩いているが、なんとかなるだろうと適当に方角を定めて別荘地の中を進んでいる内に方角が全く分からなくなった。ほとんど使うことのないコンパスをザックから出そうかと思った頃、スキー場にいく小道が識別でき安心した。
昼食は別荘地内の木陰でとり、スキー場の斜面を適当に登って八子ヶ峰へと続く尾根上に出た。天気は曇りだがまあまあの展望で、霧ケ峰の車山をはじめとして、頂上は雲が懸かっていたが蓼科山も大きく見えた。展望もさるものながら、道々に咲く花々もこの季節ならではのものだろう。
女神茶屋の前で「山ぼうし」さんに車で迎えに来てもらい早々とチェックインした。ペンション「山ぼうし」さんにお世話になるのは7回目、takeは案内もされないのに自分が泊まる所だと思っている部屋に入っていき早々とくつろいでいた。3時には風呂に入ったtakeはごろごろしているうちにお昼寝となった。お楽しみの夕食前に起こすとニコニコ顔で食堂に降りた。車中の朝寝、風呂上がりの昼寝をしたのに、夕食を食べ終え布団を敷くとtakeはすぐに眠る体制に入った。1700メートルの気温が心地よいのか、夜中にトイレに起きただけで朝6時まで寝てくれた。
そして翌朝、焼きたてパンの朝食をいただき、6時50分に『山ぼうし』さんに別れを告げて出発した。まだ運転していない北八ロープウェイの下をゆっくりと歩いた。途中ロープウェイが運転を始めて一時間程たった8時25分頃、ロープウェイ上駅前の広場に到着した。 曇っていた空もこの頃から日差しが届くようになった。そして観光客に混じりながら坪庭を歩いた。ここから北横岳の間は石楠花の花が見頃で、「なんでこんな素晴らしいところを観光客が歩いているのだ」と下から地道に歩いてきた私は内心で思うのだった。
観光道を離れて急登を登りきると北横岳ヒュッテで、小屋前のテーブルをお借りして、カレーパンとあんパンの昼食にした。ここから北横岳頂上は10分ほどで着いた。5年振り二度目の頂上だ。当初登る予定だった蓼科山は雲に隠れていた。ここからは来る道を戻るだけだ。坪庭の観光客は朝より増えていた。takeはロープウェイ上駅前の広場でtakeはスポーツ飲料を飲んだ。
下りは途中から道を逸脱してスキー場の草の斜面を下った。12時前にバス停に着き、スパッツを外してあげるとtakeは持参の伊右衛門を飲み、お決まりのソフトクリーム売り場へと向かった。
コースタイム
【7/16】東白樺湖1026ー稜線上1201ー八子ヶ峰1238~46ー東峰1313ー女神茶屋1335
【7/17】「山ぼうし」0651ーロープウェイ駅上0825~30ー北横岳ヒュッテ0919~40-北横岳0953~55-北横岳ヒュッテ1008-ロープウェイ駅上1045~48-ロープウェイ駅下バス停1145
三年連続となる秋の本沢温泉宿泊だ。同じ宿で似たようなコースを歩くのはtakeも安心でき、何よりtakeの予定確認に何度も何度も返答することの心労がないことが大きい。大菩薩のロッジ長兵衛さんも同じ理由でよく使わせていただいている。
北陸新幹線の佐久平から小海線に乗って小海駅で下車、前夜寝たのが遅かったtakeは家を出てからここまで、乗換時以外は熟睡していた。稲子湯行きのバスは途中「小海町立高原美術館」に停まる。この美術館は来週から大ヒット映画「君の名は」展が開催されていて、この静かな美術館も聖地巡礼者でごった返すのかなと思った。
満席バスの大半を占めていた団体が「みどり池入口」で下車し、終点稲子湯で下車したのは4人だけだった。トイレを済ませ身支度を整えて出発した。出発して15分程の唐沢橋の先が、指定昼食場所でビニールシートを広げてお弁当を並べた。ここからみどり池の登山道が始まる。途中、登山道のルートが変更になっていた。森林整備の為、私の知っているだけで三度目の付け替えだと思う。
駒鳥沢の休憩場所から一登して到着したみどり池の景観はいつも感激する。バスで一緒だった団体さんはシラビソ小屋の前で休んでいた。幽玄な森林歩きを味わう為、休まず団体さんの先を歩くことにした。針葉樹の森林歩きを楽しみ、沢沿いの道に降り立つと本沢温泉だ。受付を済ませ部屋に入いり、混まないうちにと、温泉へと直行した。17時半から食堂の指定席(スタッフの気づかいで同じ場所を用意していただいている)で夕食を食べるとtakeは即就寝体制に入った。
翌朝は5時半にまず私が起きて、準備をしてからtakeを起こした。6時からの朝食を食べ、6時半頃夏沢峠へと出発した。この日も天気は快晴だった。露天風呂の河原を下に見て峠へのジグザグ道をゆっくりと歩いた。夏沢峠に着き早くも菓子をリクエストするtakeに栗饅頭を渡し、周りの風景に見入った。30人程のツアー団体がいて名札を着けたスタッフに聞いたらモンベル社が主催しているツアーとの事だった。このツアーとは関係無いが、妻がモンベル社の会員になってから私の衣類は帽子から靴下まで全てモンベル製品になっている。
ここから硫黄岳への登りは急だが、高度が上がるにつれて遠方と山々が見渡せるようになりとても楽しい。道が緩やかになりケルンが現れると頂上で、takeは二回目、私は五回目だった。ここで初めて姿を現す横岳、赤岳、行者岳の錚々たる景観を眺めてから、赤岳鉱泉へと下った。
赤岳鉱泉でパンの昼食、小屋の前のベンチでカレーパンとアンパンを食べた。まだ山から下りてくるには時間が早いのか、人は少なかった。ここからは北沢に沿いに橋を何度も渡りながら進んだ。堰堤を越すと車道になる。一般車両の終点の駐車場は満車状態だった。車道になってからtakeのピッチは早まり、快調に下った。バス停の美濃戸口には既にアルピコバスが停まっていた。さっそく乗り込みtakeのスパッツを外し、靴ひもを緩めると、takeは仕上げの伊左衛門をゆっくりと飲み始めた。
コースタイム
10/15 稲子湯1015-唐沢橋1033~1058-駒鳥沢1206~10-みどり池1240-本沢温泉1358
10/16 本沢温泉0632-夏沢峠0757~0807-硫黄岳0913~20-赤岳鉱泉1042~1120-堰堤広場1148~50-美濃戸山荘1220-美濃戸口バス停1257
GW連休中の宿泊山行は恒例行事で去年は荒船山を歩いた。今年は蓼科の「ペンション山ぼうし」に泊まって周辺を歩くプランを立てた。「ペンションやまぼうし」は十年前に蓼科山のベースとして宿泊してからよく利用させてもらっている。今回は二年振り通算七回目の宿泊だ。
連休で満員のスーパーあずさ1号で茅野駅に着いた。ここからバスで南白樺湖に行き、雪の消えたスキー場の斜面を登った。平らな草地の上にシートを敷いて昼食にした。対面に霧ヶ峰の車山も雪は消えたが緑はない。
スキー場のリフト終点から少し登ったところが八子ヶ峰へと続く稜線だ。四年前の6月にも同じコースを歩いているが、その時は雨で視界もなく、ただひたすら歩いただけだった。今日は晴天で目の前の景色も最初は霧ヶ峰、次に蓼科山、最後に八ヶ岳と楽しむことができた。
蓼科湖への道を分けて女神茶屋に下ったところがこの日の終点で、宿のオーナーが車で迎えにきてくれた。宿の部屋は初めて泊まった時から210号室とtakeは決めている。部屋に入ったtakeは前はテレビが無いことが気になり、「テレビ、テレビ」と言っているのをオーナーが聞きつけ、他の部屋から運んできてくれた。takeはテレビが見たい訳ではなく、前に来たときあったものが無いことが気になるのだ。
お風呂に入り、6時半からの美味しい夕食を食べて8時頃に就寝した。朝は7時にtakeを起こして部屋を片付けた。この宿の朝食は焼きたてパンでtakeはバターとジャムをこてこてに塗って食べていた。
食事を終え、ザックを背負って出発した。北八ヶ岳ロープウェイの真下にあるスキー場の道をゆっくりと歩いた。takeは地に足の着かないモノには乗らないと15歳位の時から決めている。(特別支援高等部の修学旅行で沖縄に飛行機で行ったのが唯一の例外だ。)ちょうどロープウェイが動き始めた頃だったが、我関せずという感じだった。
歩き始めてすぐに四本爪アイゼンをザックに入れたかどうか気になって私のザックの中に無く、takeのザックも無かったので、宿に忘れたかもしれないと思いtakeに「忘れ物したからホテル行く」と伝えると一瞬顔を強ばらしたが「アッタネー」と何回も言いながら引き返してくれた。結局宿にもなく、もう一度調べるとtakeのザックの奥に隠れていた。進行中の予定行動中止や変更はtakeの嫌がるパターンだが、最近少しづつだが落ち着いて対応できるようになってきたと思う。
振り出しに戻って、またスキー場の草原を歩き始めた。道は途中から山道になり、やがてロープウェイ終点駅に着いた。ここで持参のパンとスープの朝食だ。天気は曇りで風が強い。北アルプス方面は荒れた天気だったとあとで知った。食事前に雨具のパーカーを着た。食事後、縞枯山荘の前を通って雨池山に向かったが、八丁平からの山道がアイスバーンになっていた。持参の四本爪アイゼンで歩く山ではないと判断して引き返した。坪庭を回遊して時間をつぶしてから来た道を引き返した。
下るにつれて空も時折、雲が切れて青空が顔を出した。牧場のようなスキー場の斜面を下り、またロープウェイ出発駅に戻った。
草原を下りながらtakeは両手を上げて手のひらを空に向ける「とってもいい気持ち」のポーズをしていた。バス停に着いてザックを置いてお茶を飲んだtakeはロープウェイ出発駅の売店でソフトクリームを食べた。
コースタイム
【4月30日】
南白樺湖1006ースキー場の草地1025~48ー稜線1120ー八子ヶ峰1206ースズラン峠1308
【5月1日】
山ぼうし0810ー引き返し0825ー山ぼうし0855ーロープウェイ終点駅1040~1105ー坪庭ーロープウェイ終点駅1210ー ロープウェイ出発駅1325