毎年夏季休暇の時期は家族旅行という名目で山歩きをしている。昨年まで、夏合宿はtakeと私、家族旅行はプラス妻のメンバーだったが、今年は夏合宿に妻も参加したので同じメンバーになった。目的地は会津駒ヶ岳で、檜枝岐村の民宿で温泉に浸かりながらの3日間だ。
【14日】
一日目は予定より起床が一時間半遅れ慌てて家をでた。そして浅草8時10分発会津田島行きに乗った。この電車は直通だけど長い正午前に終点会津田島駅に着いた。電車に飽いたtakeは途中から「おりる」を連発してうるさかった。レンタカーを借りて檜枝岐村に行ったが途中降雨が激しかっので、村にある「ミニ尾瀬」というところの休憩所で昼食を食べ宿へと向かった。今宵の宿は民宿「コマドリ」さんで、温泉に入り、「山人料理」(やまんど料理)を美味しくいただいた。
【15日】
天気は晴れ、朝食を食べ、全村6時に一斉放送される「夏の思い出」を聞きながら靴ひもを結んだ。登山口は民宿から歩いて30分程の駐車場にあるが早い時間から駐車場は一杯になると聞いていたので、行きは民宿のご主人に送っていただき帰りは歩いて帰ろうと思っていたのだ。しかしtakeは車が去っていったことに強く激しい不安を感じ不穏な状態になってしまった。いつもレンタカーで登山口に乗り付け、その車で帰るパターンが崩れたことで先行きの見通しが立たなくなったのだ。
そこで、「山を降りたら宿のおじさんが自動車で迎えに来てくれる」ということを二時間ぐらい繰り返し説明するうちにやっと穏やかな表情に変わった。山道は広葉樹の森の急な登りから始まり、二本目で「水場」というところに着いた。水入れを持って三分ほど下ると冷たくおいしい水が湧き出ていた。takeの機嫌も回復し更に登ると会津駒ヶ岳の頂上が見えてきた。やがて地塘の点在する草原が現れ、山小屋に着き、池の前のベンチで昼食にした。この頃から雲がかかるようになり、駒ヶ岳の頂上も見えたり見えなかったりだった。ヒウチヶ岳や至仏山等尾瀬を取り巻く山々も見えなかった。
昼食を食べ終え駒ケ岳の頂上を目指した。池をぐるりと回り、高層湿原に咲く花々を眺めながらのコースは「とってもとってもいい気持ち」だった。やや急な木道を登りきった頂上は展望はないものの達成感のある頂だった。takeは三角点に腰を下ろしてスポーツドリンクを一気飲みした。頂上をくだりまた湿原を楽しみながら小屋に戻り一休みの後、下山にかかった。下り始めるとまたtakeは帰りの自動車が気になるらしく、「自動車?」と連発で聞いてくるのでそのたびに「ホテルのおじさんがプップップーと迎えに来るからね」と答えなければならなかった。
下りはペースも早く二本で登山口に着いた。駒の小屋から携帯で前もってお願いしていたので、登山口への到着を連絡するとすぐ宿の車が迎えに来てくれた。5分程で宿に着くとお風呂の準備もできていた。温泉に入り、ビールを飲み、畳にごろりと横たわる。これぞ旅行登山の醍醐味なのだ。
コースタイム
登山口0612-水場0810~15-駒の小屋0943~1015-会津駒ヶ岳1034~46-駒の小屋1105-水場1222~28-登山口1335