【1日目】
一番のスーパーあずさ号に乗って、松本からの新穂高温泉行のパスに乗った。二年前の笠ヶ岳と同じアプローチなのでtakeもスムーズに移動できた。終点新穂高ロープウェイ駅に着いたのが12時を回っていたので早速蒲田川右俣を越えた森の中でお弁当にした。
昼食を終え蒲田川左俣林道をゆっくりと歩いた。錫杖岳も見えていたがやがて曇ってきて雨がポツリポツリと落ち始めた頃最初の宿泊地、わさび平小屋に着いた。屋根裏部屋に案内され荷物を整理してから風呂に入り、takeはジュース、私は缶ビールを飲んで夕食までの時間を寛いだ。
コースタイム 新穂高温泉1247-わさび平1420
【2日目】
この日は長丁場だ。4時半からの朝食を食べて5時過ぎに出発した。takeは予想した通り、二年前と同じ笠ヶ岳新道方面に行こうとしたので、「今日は新しい山小屋だよ」と声をかけて進路を修正した。2日目の宿泊は「新しい山小屋」、3日目は「次の山小屋」と呼んでtakeが理解しやすいよう何度も説明していた。
蒲田川左股の林道を進み小池新道を登った。天気は高曇りだった。穂高の稜線も槍ヶ岳の穂先も見えて、北アルプスに来たんだなと実感したが、この景色は四日間の最初で最後のものとなった。
takeのペースで後からどんどん抜かれながらもゆっくりと歩るき、シシウド原で長めの休憩の後も調子良くがんばって歩き、3日目の「次の山小屋」となる鏡平小屋に着いた。takeは通りすぎようとしたが、昼食だと伝え小屋前のベンチに山崎ランチパック等を並べ体制を整えた。
パンを食べているうちに雨がポツリポツリと降ってきた。カップスープとコーヒーを飲み終えたtakeに雨具のズボンだけを着用して出発したが、やがて雨足も強くなり上着も着て稜線へと登った。ここからが北アルプスの景気を眺めながらの山歩きだと思っていたのに一面ガスの中だ。だけど次々と現れる高山植物のお花畑が雨中の山歩きに興を添えてくれた。
弓折岳の分岐から稜線を登り返していると双六小屋が見えてきた。takeも「新しい山小屋」と認識したようで「お泊まり」と言いながら快調に歩るき双六小屋に着いた。
コースタイム わさび平0507-秩父沢0645-シシウド原0903~15-鏡平小屋0900~0928-弓折岳分岐1035-双六小屋1145
【3日目】
予定では双六岳を越えて三俣蓮華岳まで歩き、そのまま来た道を引き返して鏡平小屋に泊まる予定であったが、夜来からの雨は止まず明るくなりかけた時点でも風が強かった為、三俣蓮華だけ往復は中止することにした。
昨日からよく面倒を見てくれいただいた巻貝のような髪型をしている女性スタッフに、何時まで小屋にいていいのですかと聞くと部屋の清掃が始る8時までは部屋にいて良しとのことだったので、6時過ぎまでtakeを寝かせて食堂に行くと二人分の朝食だけが置かれていた。
二人とも部屋で完全装備を着用して風雨の双六小屋からの下山を開始した。2時間のコースタイムのコースなのでゆっくりと歩いたが、10時前には「次の山小屋」の鏡平小屋に到着した。夕食までの長い時間をtakeとゆつくりと過ごした1日だった。
コースタイム 双六小屋0743-弓折岳分岐0901~06-鏡平小屋1001
【4日目】
夜半に雨音が途絶えたので、部屋の窓から見える槍穂高に少しの期待はあったが、朝は昨日と同じく雨だった。余裕をもって早めに出発し、シシウド原と秩父沢の橋の手前で休憩したほかは、慎重に濡れた岩の上はゆっくりと歩いて林道まで下った。
初日の宿泊地のわさび平小屋でtakeは麦茶を飲みお菓子を食べていた。私はその間に小屋の受付に預けておいた荷物(帰りの車中で飲食するtakeの銘柄指定飲料)を受け取っていたか゜、それを見たtakeはまた宿泊の受付をしているのではないかという猜疑心にとらわれたようで「パパ!!」と呼ぶと急いでザックを担いでいつもの1.5倍のスピードで林道を駆け下った。
出発地点の新穂高ロープウェイ駅に着いて雨具上下を脱いだ。バスが出発するまでの2時間を着替えやソフトクリームを食べたりしながら過ごした。バス停にいる間にもまた雨が降りだしたりして最後まではっきりしない天気だった。昨年に続き目的のピークを逃したが、雨天の稜線行動はしないという単純な原則に従ったまでのことなのでしょうがないと考えている。
最後に一昨年に引き続きお世話になった双六小屋グループのスタッフの皆様方に感謝の意を表してこの四日間の山行記録終わります。
コースタイム 鏡平小屋0525-シシウド原0613~17-秩父沢0715~20-わさび平小屋0825~33-新穂高温泉0926