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taketake山旅日記

自閉的傾向を持つ重度知的障害者の長男と私の山歩きの記録

恒例夏合宿で新穂高温泉から双六池を歩く(北アルプス)8月2日~5日

2014年08月13日 | 北アルプス

P8020002_3

【1日目】

 一番のスーパーあずさ号に乗って、松本からの新穂高温泉行のパスに乗った。二年前の笠ヶ岳と同じアプローチなのでtakeもスムーズに移動できた。終点新穂高ロープウェイ駅に着いたのが12時を回っていたので早速蒲田川右俣を越えた森の中でお弁当にした。 P8020003_2

 昼食を終え蒲田川左俣林道をゆっくりと歩いた。錫杖岳も見えていたがやがて曇ってきて雨がポツリポツリと落ち始めた頃最初の宿泊地、わさび平小屋に着いた。屋根裏部屋に案内され荷物を整理してから風呂に入り、takeはジュース、私は缶ビールを飲んで夕食までの時間を寛いだ。

コースタイム 新穂高温泉1247-わさび平1420

【2日目】

  この日は長丁場だ。4時半からの朝食を食べて5時過ぎに出発した。takeは予想した通り、二年前と同じ笠ヶ岳新道方面に行こうとしたので、「今日は新しい山小屋だよ」と声をかけて進路を修正した。2日目の宿泊は「新しい山小屋」、3日目は「次の山小屋」と呼んでtakeが理解しやすいよう何度も説明していた。P8030005

    蒲田川左股の林道を進み小池新道を登った。天気は高曇りだった。穂高の稜線も槍ヶ岳の穂先も見えて、北アルプスに来たんだなと実感したが、この景色は四日間の最初で最後のものとなった。P8030007_2

  takeのペースで後からどんどん抜かれながらもゆっくりと歩るき、シシウド原で長めの休憩の後も調子良くがんばって歩き、3日目の「次の山小屋」となる鏡平小屋に着いた。takeは通りすぎようとしたが、昼食だと伝え小屋前のベンチに山崎ランチパック等を並べ体制を整えた。P8030008_4

  パンを食べているうちに雨がポツリポツリと降ってきた。カップスープとコーヒーを飲み終えたtakeに雨具のズボンだけを着用して出発したが、やがて雨足も強くなり上着も着て稜線へと登った。ここからが北アルプスの景気を眺めながらの山歩きだと思っていたのに一面ガスの中だ。だけど次々と現れる高山植物のお花畑が雨中の山歩きに興を添えてくれた。

  弓折岳の分岐から稜線を登り返していると双六小屋が見えてきた。takeも「新しい山小屋」と認識したようで「お泊まり」と言いながら快調に歩るき双六小屋に着いた。P8030020_2

コースタイム わさび平0507-秩父沢0645-シシウド原0903~15-鏡平小屋0900~0928-弓折岳分岐1035-双六小屋1145P8030025

【3日目】P8040036_2
  予定では双六岳を越えて三俣蓮華岳まで歩き、そのまま来た道を引き返して鏡平小屋に泊まる予定であったが、夜来からの雨は止まず明るくなりかけた時点でも風が強かった為、三俣蓮華だけ往復は中止することにした。P8040042_2

  昨日からよく面倒を見てくれいただいた巻貝のような髪型をしている女性スタッフに、何時まで小屋にいていいのですかと聞くと部屋の清掃が始る8時までは部屋にいて良しとのことだったので、6時過ぎまでtakeを寝かせて食堂に行くと二人分の朝食だけが置かれていた。P8040046_3

  二人とも部屋で完全装備を着用して風雨の双六小屋からの下山を開始した。2時間のコースタイムのコースなのでゆっくりと歩いたが、10時前には「次の山小屋」の鏡平小屋に到着した。夕食までの長い時間をtakeとゆつくりと過ごした1日だった。P8040047

コースタイム 双六小屋0743-弓折岳分岐0901~06-鏡平小屋1001

【4日目】

  夜半に雨音が途絶えたので、部屋の窓から見える槍穂高に少しの期待はあったが、朝は昨日と同じく雨だった。余裕をもって早めに出発し、シシウド原と秩父沢の橋の手前で休憩したほかは、慎重に濡れた岩の上はゆっくりと歩いて林道まで下った。P8050052

  初日の宿泊地のわさび平小屋でtakeは麦茶を飲みお菓子を食べていた。私はその間に小屋の受付に預けておいた荷物(帰りの車中で飲食するtakeの銘柄指定飲料)を受け取っていたか゜、それを見たtakeはまた宿泊の受付をしているのではないかという猜疑心にとらわれたようで「パパ!!」と呼ぶと急いでザックを担いでいつもの1.5倍のスピードで林道を駆け下った。P8050055

  出発地点の新穂高ロープウェイ駅に着いて雨具上下を脱いだ。バスが出発するまでの2時間を着替えやソフトクリームを食べたりしながら過ごした。バス停にいる間にもまた雨が降りだしたりして最後まではっきりしない天気だった。昨年に続き目的のピークを逃したが、雨天の稜線行動はしないという単純な原則に従ったまでのことなのでしょうがないと考えている。P8050059

  最後に一昨年に引き続きお世話になった双六小屋グループのスタッフの皆様方に感謝の意を表してこの四日間の山行記録終わります。

コースタイム 鏡平小屋0525-シシウド原0613~17-秩父沢0715~20-わさび平小屋0825~33-新穂高温泉0926

 

 

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雨天の中 爺ヶ岳に登る(北アルプス)7月28日~30日

2013年08月02日 | 北アルプス

 いよいよtakeと私の夏山合宿だ。今年は北アルプス後立山連峰に行くことにした。初日は扇沢から柏原新道を歩き種池山荘泊、2日目は爺ヶ岳を越えて鹿島槍ヶ岳に登り冷池山荘泊、最終日は往路を戻り扇沢に下山の計画だ。気になるのは梅雨が明けきらない天気予測だ。気象庁の週間予報もほとんど定まらないような状態で出発の日を迎えた。P7280021

【7月28日】

  朝一番の新幹線で長野駅には8時過ぎに着いた。すぐバスに乗って扇沢に着いたのは10時15分だった。takeは新幹線もバスも乗車中はずっと寝ていた。久しぶりの扇沢をあとにして、柏原新道入口で登山届を提出した。そのまま近くのベンチでお弁当を広げた。天気は曇り空だ。  昼食を食べ終え、出発前の記念撮影をしていると、中高年大団体がやって来たのでその後に着いて歩き出した。P7280025_2

 すぐ紅葉坂の急登が始まり、takeはギアをローシフトに変えたので、たちまち大団体に引き離された。(山荘に着いたのは圧倒的に私達が早かった)急登が終わり、道は巻道になった。八ッ見ベンチを過ぎケルンに着いた時、遥か彼方の稜線に種池山荘が見えた。指差してtakeに「今日のお泊まりはあそこ」と言った。  天気が保ったのはここまでで、ぽつりぽつりと雨が降ってきた。あわてて雨具上下を着用した頃、本振りになった。ここから道はずっと巻道が続けている。takeは雨具のフードで耳を塞がれるのが嫌いだ。今日はレインキャップなので雨を楽しむように歩いていた。P7280030

 道が石畳になった頃、雨も上がり日も射してきた。雨具の上を脱いで、ガラ場を越えて登って行くと、今日の宿、種池山荘に着いた。山荘スタッフの若者がきびきびと親切に対応してくれたのが嬉しかった。部屋に入ったあとはごろごろしながらくつろいぎ夕食を待った。

P7280033

コースタイム   扇沢1010ー新道入口1025~57ー八ツ見ベンチ1152ーケルン1218ー種池山荘1453P7280034

【7月29日】  

  翌朝まだ明るくなる前に外の様子を見に行くとけっこう強い雨が降っていた。この時点で鹿島槍ヶ岳は断念、様子を見て爺ヶ岳を往復する事にした。朝食も5時から6時に変更してもらった。爺ヶ岳往復だけならその日のうちに下山もできるが、takeには3日間と説明しているので変更は難しいのだ。それにtakeのいない三日間は留守番をしている妻に取って貴重な夏休みでもある。P7290043

  6時に朝食を食べて部屋に戻るとtakeは布団を引っ張り出し二度寝体制に入った。私もゴロリとして、喫茶室の本を借りてきて読んでいた。小屋に残っている人は少ないようで、スタッフの皆さんが、「今から清掃を始めますのでお騒がせします」と断りを入れに来られた。9時頃になると雨脚も少し弱ってきたように思えたのでtakeを起こして爺ヶ岳に向けて出発することにした。P7290046

  P7290044

頂上でお菓子と麦茶を飲んだらすぐ下山にかかった。剱岳の名展望台と言われているが視界はほとんどきかなかった。P7290048

  登りよりも慎重にゆっくり下り、種池山荘に戻った。出発から2時間の山歩きだった。雨具を乾燥室に広げた後、おしゃれな喫茶室で持参のパンを食べた。部屋に戻ってからが長い午後だ。私はビールを少しずつ飲みながら読書をした。takeは飲料空缶で遊んでいたが、やがて昼寝を始めた。

P7290051

コースタイム 種池山荘0939ー爺ヶ岳中央峰1046~55ー種池山荘1140

【7月30日】

   いよいよ下山の日だ。朝食を済まし雨具を着用して玄関に出た。takeはお世話になった小屋のスタッフに「ありがとうございました」とつぶやくように言ってから靴をはいた。来た時も少し緊張するガラ場を通過したあたりで雨が止み、目の前に蓮華岳が初めて姿を現した。雨具の上を脱いで少し歩いたらまた雨が降ってきて再び雨具を着用した。P7300056

  歩きやすい道だが濡れているので慎重に下った。最初の一本で麦茶をカラにし、八ツ見ペンチで昨日作ったスポーツドリンクを飲む等、普段の下山のペースになってきた。沢の水音が聞こえだし、その音が大きくなるころ一昨日出発した時の登山口に着いた。P7300058

takeは休まず扇沢を目指してハイペースで車道を歩いた。空はまた雨がやみ青空も少し雲の間に見えてきた。雨に祟られた三日間だったが、ピークにも登れたしtakeも楽しそうだったし点数をつけると70点ぐらいの山旅だった。P7300060

コースタイム 種池山荘0550ーケルン0808ー八ツ見ベンチ0830ー新道入口0910ー扇沢0925

 

 

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飛騨の名峰笠ヶ岳に登る(北アルプス)7月29日~8月1日

2012年08月05日 | 北アルプス

    今年の夏山の第一候補は南アルプスの甲斐駒と仙丈だったが、山小屋の個室対応が困難なことから見送り、そこで私がまだ登ったことのない北アルプスの笠ヶ岳を目標にすることにした。ちなみに妻は学生時代に登ったことがあるそうだ。そして今年も北アルプスの山小屋に顔の広いS先輩にお願いして小屋を予約した。S先輩のアドバイスを聞き笠新道から笠ヶ岳に登り、その後弓折岳から鏡平を回り下山するコースを計画した。

[一日目]

   P7290006
松本駅からバスで安房トンネルを越え、正午に新穂高温泉に着いた。takeとの行動するときは往復の交通に全体の六割は神経を使うので、ほぼ三割はこの時点で達成だ。
  三十数年ぶり新穂高温泉はがらりと変わった印象だった。昔幕営したキャンプ場で弁当を食べようとしたが、無くなったようで道端の日蔭にシートを敷いて昼食にした。P7290008

    蒲田川左岸の道を進んだ。この道を歩くのは高校一年夏に双六池から新穂高温泉に下山した時以来だ。翌日の出発点となる笠新道入口で美味しそうに水を飲むtakeに「明日」と言って登り道を指差したところ理解してくれたようだった。   そこから10分程歩いたところが今日の宿「ワサビ平小屋」だ。お風呂に入り、離れのゆっくりした個室でのんびりと過ごした。P7290007

コースタイム  新穂高バス停1205ー昼食1220~55ー笠新道入口1355ーワサビ平小屋1410

[二日目]

    P7300011
朝4時半に朝食をいただき5時に出発した。takeは何も言わず昨日来た林道を下り笠新道入口に着いた。
  今回の計画で今日が最大の難関だ。標高1400㍍の登山口から標高2400㍍の杓子平まで一気に登り、そこから標高2800㍍の抜戸岳まで400㍍また登り、稜線をたどって笠ヶ岳山荘に至るロングコースだ。気合いを入れて「お野菜の歌」注 (宿泊山行のテーマソング)を歌いながらつづら折りの急登を歩いた。天気は晴れだが霧がかかり直射日光が届かないのがうれしかった。P7300019

    ミズナラ樹林からかんば林に変わる頃、霧の中から槍穂が見えてたりした。杓子平まで標高差200㍍ぐらいの体も辛くなってきたあたりで、takeの予定確認が始まった。去年も二日目だったから1番気になる頃なのだろう。「お昼にパン食べて新しい山小屋はお風呂なーいで新しい山小屋の夜ご飯食べたら布団敷いて寝ます。」と私が話すとtakeは「朝起きて!」と聞いてくるので「新しい山小屋の朝ご飯食べたらお山歩いて、山小屋のお弁当食べて別の山小屋に泊まって…」というようなことを十回以上繰り返すのだ。今回は「山小屋のお弁当」と「別の山小屋」が理解のキーワードになったようだ。P7300021

    足も重たくなった頃杓子平に着いた。コルにでると霧の中に抜戸岳から笠ヶ岳に続く稜線が現れ思わず息を飲んだ。シートを敷いて菓子パンの昼食を準備した。 ここから抜戸岳までもきつかったが先の見通しを持ったtakeは力強くお花畑の中の道を歩いてくれた。P7300026

  抜戸岳からは楽しい稜線歩きだ。抜戸岩を越えたあたりで笠ヶ岳がはっきりと現れた。最後の登りを元気に歩き笠ヶ岳山荘に着いた。    今日も素敵な個室だ。夕食を食べ、部屋に布団を敷いた頃、小屋のチーフが明日のお弁当を持ってきてくれた。「山小屋のお弁当」の登場にtakeはとてもうれしそうだった。P7300034

コースタイム  ワサビ平小屋0500ー笠新道入口0510ー休060510ー休0715~20ー1920㍍地点0732ー2200地点0836ー休0840~50ー杓子平0958~1030ー休1130~36ー抜戸岳1218~15ー笠ヶ岳小屋1345

[三日目]

  P7310042
  廊下で身支度をする人の音で目が覚めた。窓の外を見ると槍穂のシルエットがうっすらと見えている。寝ているtakeを残して外に出られないので部屋の窓から眺めていた。だんだんスカイラインが朱くなり槍と小槍の間あたりから登るご来光を手を合わせて仰いだ。  今日はコースタイムも短いので朝もゆっくりだ。人の少ない食堂で朝食をとり笠ヶ岳往復に出発した。P7310043

  雲一つない快晴で頂上からの景観も素晴らしく南アルプス越しに富士山も見えた。  笠ヶ岳を下り抜戸岳まで昨日の道を歩るき、さらに双六方面へと進んだ。刻々と変わる風景を見ながらの最高の稜線歩きだった。抜戸岳先の秩父平の下りが心配で簡易アイゼンも持参していたが、夏道がはっきりでていて楽に下れた。P7310055

 
    秩父平の雪渓の中の平らな岩の上で昼食にした。take楽しみの「山小屋のお弁当」は五目寿司を大きな朴葉でくるんだ朴葉寿司だった。前日作った弁当なので傷んではいないか心配したが、そこはよく考えていたのだ。味も大変美味しかった。P7310066_3

     ここから大ノマ岳に登ると双六池の小屋が見えてきた。takeが「お泊り?」と聞くので、勘違いしてはいけないと思い「お泊りはこっち」と弓折岳の中腹を指差したのがtakeの不安を誘ったらしい。それからはtakeは「お泊り」を連呼し、私は「頑張れ」を連呼しながら歩いた。幸い怒ることはなかった。弓折岳のコルに着き、鏡平小屋の赤い屋根が見えると「あったね」と言って機嫌も直った。P7310074

    地塘の点在する鏡平小屋はとても趣のある場所だ。別館の個室に案内していただき荷をほどいた。一息ついたら売店に行きtakeはオレンジジュース、私は生ビール大ジョッキで乾杯だ。17時からの夕食は別室を用意して下さったのでゆっくりできた。   部屋に戻ったらtakeは布団に入り6時過ぎに寝てしまった。私は夕日に映える槍ヶ岳を見て、静かな秋の日に小槍を登攀したことや、厳冬期にいまは亡き先輩のリードで穂先に立ったことなど、若き日の追憶にひたっていた P8010080

コースタイム  笠ヶ岳小屋0612ー笠ヶ岳0632~42ー笠ヶ岳小屋0702~06ー休0805~15ー抜戸岳分岐0847ー秩父岩P0928~38ー秩父平1008~39ー大ノマ岳1132~45ー大ノマ乗越1215ー弓折岳1240ー弓折乗越1245~55ー鏡平小屋1342P7310079

[四日目]

  P8010081
いよいよ下山の日だ。鏡平小屋に別れを告げ石畳の道を下って行った。とても整備された歩きやすい道だ。  秩父沢を渡る手前で一本入れた。昨日昼食を食べた秩父平の雪渓から続く谷川の水がほとばしっていた。takeのリクエストでコップに水を入れた。

  ここから時間も進むと林道にでて、やがて最初の宿「ワラビ小屋」の前にでた。ようやく二日前の出発点に戻ってきた。一休みしたら新穂高温泉に向かって最後の歩きだ。穴毛谷出合にさしかかると笠ヶ岳の頂上がはるか上方に見えてくる。よくも一日で登ったものだとtakeを褒めてあげたくなる。P8010086

  新穂高温泉に着き四日間の山旅は終わった。最後にこの四日間お世話になった山小屋スタッフの皆様に感謝の意を表してこの山旅の締めくくりとしたい。P8010089_2

コースタイム  鏡平小屋0528ーシシウドヶ原0620~30ー秩父沢0745~55ー林道0848ーワサビ平小屋0905~14ー笠新道入口0924ー新穂高ロープウェー駅1015

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雲上の立山を歩く(北アルプス)8月12日~15日

2011年08月20日 | 北アルプス

     今年の夏山は昨年に引き続き北アルプスに行くことにした。山は立山・奥大日岳で雷鳥沢ヒュッテをベースに三泊の計画だ。今年もサポートをMIさんが引き受けてくださった。

【一日目】
  富山駅から地鉄、ケーブルカー、高原バスと乗り継いで室堂平には1時半に着いた。事前説明でtakeも大筋は理解したようで、心配した東京駅発の新幹線も難無く乗車できた。P8120015

     室堂平ターミナルを出ると目の前に立山の峰々がそびえ立っている。二十五年ぶりぐらいに見る懐かしの風景だ。昼食の弁当を食べながら周囲の山を眺めた。室堂平から雷鳥沢はすぐの距離だ。宿の雷鳥沢ヒュッテは泊まるのは初めてだが、記憶に残る建物だ。受付を済ませ入室した。部屋の窓から立山がよく見える。温泉に入いり18時からの夕食を待った。山小屋としては快適な施設にtakeもすぐ慣れてくれた。P8120018

CT 室堂平1345~1435ー雷鳥沢ヒュッテ1520

【二日目】
    朝食を済ませヒュッテを出発した。天気は晴れ。室堂平を経由して一ノ越までの石畳の道を歩いた。歩き安いのかtakeのピッチも快調だ。主稜線の一ノ越からは岩ごろの急な道だ。takeのペースもゆっくりになる。この頃から山稜に霧が流れるようになり、視界が遮られるようになった。雄山神社社務所には一ノ越からちょうど1時間の登りで着いた。雄山頂上はお払い料五百円を支払わなければ登れない。今まで3月~5月の社務所が閉まっている時期しか登ったことがなかったので、これには驚いた。P8130023

     雄山頂上は左から巻いて少し行くと、今日の最高地点の大汝山だ。3015の頂上で記念撮影を済ますとtakeは早々とスポーツ飲料を飲み干した。 頂上を後にしばらく進むと大きなザックを背負ったパーティーが反対方向から登ってきた。母校山岳部の現役メンバーだ。「オリレイーウオウオ」という伝統のコールをかけると返事のコールが返ってきた。一行は剣沢の定着後の縦走初日で、まだみんな元気だ。夏合宿計画を聞いた時ひょっとしたらすれ違うかも知れないなと思っていたが、本当に出会うとは思わなかった。takeがすたすたと先に行って行くので、励ましの言葉をかけてすぐ別れた。P8130035

     富士ノ折立を慎重に下り、真砂岳手前で昼食だ。相変わらず霧が流れて展望はイマイチだ。別山の登りで一瞬霧が切れたので剣岳の景観を期待したが、だめだった。 別山乗越から雷鳥沢を下った。takeは途中明日の予定確認で立ち止まることが多くなった。一昨年まで夏山は二泊だったので三泊はまだ混乱するようだ。不穏な表情を見せながらもパニックにならずヒュッテに戻った。部屋に着けば楽しい小屋生活、温泉に入りジュース飲んで夕食を楽しみに待った。 P8130039_2

CT 雷鳥沢ヒュッテ0615ー室堂山荘0705ー祓堂0740ー一ノ越0750~55ー雄山0855~0905ー大汝山0925~35ー真砂岳手前1030~1100ー別山1155~1200ー別山乗越1230ー雷鳥平1415ー雷鳥沢ヒュッテ1420

【三日目】
    朝明るくなる頃部屋の窓から立山を見る。今日は雲一つない快晴だ。朝食を食べ、小屋のお弁当をザックに入れて奥大日岳に向けて出発した。室堂乗越への道は左右の高山植物が美しい。室堂乗越に着くと剣岳の勇姿が見えた。先を歩くMIさんが待つ新室堂乗越でゆっくりと周囲の景観を楽しんだ。P8140056

    ここからの奥大日岳への道は称名川側を巻きながら高度を上げていく。二十一歳の3月、奥大日岳直下に設営したキャンプから剣岳に登頂した帰路、天候が悪化し降雪の中苦労して帰幕したことを思い出した。

    奥大日岳手前ですれ違ったハイカーが「先月北八ヶ岳でお会いしましたよね」と話しかけられた。私は覚えてなかったが、「しらびそ小屋World cup応援団」の一員だったらしい。こちらが感じている以上に我々は目立っているのだ。P8140063

    奥大日岳頂上は狭く混んでいたので、少し下った二重山稜の窪みで山小屋の弁当を食べた。そのまま同じ道を戻ったが、昼になると霧が出て剣岳も姿を消してしまった。P8140069

CT 雷鳥沢ヒュッテ0625ー新室堂乗越0710ー室堂乗越0730~40ー奥大日岳0920~1130ー室堂乗越1245ー新室堂乗越1305ー雷鳥平1340ー雷鳥沢ヒュッテ1345

 

【四日目】
    いよいよ帰京日だ。機嫌よく起きたtakeに新しいシャツを着せて最後の食堂に行った。部屋を片付け、忘れ物確認をして部屋を閉めた。今日の行動は室堂バスターミナルまでだ。地獄谷を経由してミクリガ池にでることにした。地獄谷を歩くのは初めてだが硫黄臭のガスが流れ咳込みそうになる。地面からは蒸気が吹き上がっている。山岳信仰が始まった頃ここが地獄のイメージとされたのもよくわかった。P8140076

  地獄谷を離れ石段を登るとミクリガ池でバスターミナルはすぐだ。バス乗り場にザックを置いて、ターミナル前の広場に戻った。takeは「玉殿の湧水」を最後と思ったのか杓で受けて飲み始めた。見上げると今日も山々は輝いている。剣岳にもう一度登りたいなと思いながら高原バスに乗る私だった。P8150080

CT  雷鳥沢ヒュッテ0645ーみくりが池0715ー室堂平0725

 
    最後に文中にはあまり登場しませんでしたが、今回も大変お世話になったMIさんにこの場を借りてお礼申し上げ、今回の山旅日記の終わりとします。

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三泊四日の北アルプス縦走(燕岳~常念岳)7月31日~8月3日

2010年08月07日 | 北アルプス

  いよいよ毎年恒例の夏山だ。今年は私がまだ登ったことがない北アルプス常念岳だ。アプローチは上高地からにしようか迷ったが、五年前に登った燕岳からの縦走で計画した。今回、四年前の富士山に同行してくれたMIさんがサポートに加わってくれることになった。P8010002_2

7月31目

  早朝の立川駅から特急あづさに乗って穂高駅へ、中房温泉行パスの先頭に並んだ。バスに乗って有明山荘で下車した。バス乗客のほとんどはその日のうちに燕山荘に登るようだ。 余裕をもっとうとする私達は、正午から有明山荘前のベンチでお弁当を食べてからチェックイン、温泉に入りゆっくり過P8010003_5

8月1目

  翌朝は7時から朝食、食べ終え出発しようかという時に、翌日からの予定に不安を感じたのか固まってしまった。ここP8010008_2 は回復を待っての出発だ。7時45分に元気よく歩き始める。中房温泉から山道に入る頃には機嫌も戻りうれしそうに歩いている。霧がかかり直射日光を遮ってくれるのがありがたい。三本で合戦小屋に着き昼食のパンを食べた。ここら辺から森林限界を超え始めるが、相変わらずガスっている。

  霧の中から現れた燕山荘に着き、ザックを小屋に置き、雨具だけ持って燕岳に向かった。takeはザックを置いた泊まり場所が遠ざかって行くことに、やや不安感を持ちながらも五P8010013_2 年前にも同じ行動をしているので、固まることもなく歩いてくれた。花崗岩の稜線は枯山水の庭のようだ。砂礫の斜面にはコマクサの花が一面に咲いていた。展望のない頂上から小屋に戻り受付をしてた。

  部屋は快適な六畳個室だ。部屋に入りMIさんとビールで乾杯、takeはお気に入りのジュースだ。夕方から霧が上がり部屋の窓から燕岳がはっきり見えた。夕食は6時からでtakeの好物のハンバーグだった。山の生活らしく早々と就寝した。

コースタイム

有明荘0745-中房温泉0755-第二ベンチ0910-第三ベンチ0945-合戦小屋1050~1110-燕山荘1215-燕岳1245~1250-燕山荘1315

8月2日

  P8020025_3 3時45分に起床、takeは普段の生活通りパジャマを着て寝ているので身支度に時間がかかる。食堂の前に並んで4時45分からの朝食を食べて出発だ。takeとの夏山は今まで長くて二泊三日と決まっていた。五年前、この小屋に泊まった時も翌日はまっすぐ来た道を下りている。「明日は新しい山小屋にお泊り」の葛藤は前日からtakeの中で続いていたが、朝にはふっきれたようで前日とは打って変わったようなニコニコ顔で出発だ。

  朝から雲一つない好天で、槍穂から鷲羽、水晶、どうだ参ったかというような景色だ。 大天井岳に続く尾根をゆっくりP8010011_2 だが快調に歩いた。大天井岳の巻き道登りでは、登りの長さに嫌気がさしたのか、時折立ち止まることもあった。しかし登りきって大天井荘前に着き「お弁当あったね」と言って餅米のお握りを食べてから元気回復した。

  次に気になるのが宿泊場所、歩き始めてからは「お泊り」を連呼し始めた。なだらかな道が続くなか、雛鳥5羽を連れた雷鳥に出会ったりした。ここでトラブル、何故かカメラがフリーズしてしまった。まだ使い慣れていないカメラで、ここからのP8010012 写真は撮れなくなった。 横通岳を巻いて下りにかかると、今日の宿泊地、常念小屋の赤い屋根が見えてきた。自然とtakeの足取りも軽くなり、正午に小屋に着いた。

  まだ常念岳を往復するには十分時間があるが、翌朝登ることして小屋の受付をした。小屋のご配慮により個室扱いにしていただいた部屋に荷物を下ろし、夕食までの時間をゆっくりと過ごした。夕食は5時からだった。夕食⇒布団敷⇒就寝がtakeの宿泊パターンとなっていて、この日は6時前に布団をP8020028 敷いた。しかしtakeも明るいうちから布団に転がるのには抵抗があるようで、時々カーテンを開けて外を見ていた。ようやく暗くなってきたと思ったら、ずっと遠くで落雷しているようで、音はしないが空がピカピカしている。気になるようで、ずっと外を見ていた。

コースタイム

燕山荘0520-為左衛門0800-大天井荘0855~925-東大天井1020-横通岳1100-常念小屋1210

8月3日P8020029

  いよいよ常念岳だ。5時からの朝食を食べていると窓から見える槍穂がモルゲンロートに輝いている。これは展望も期待できると、靴を履いて出ると、外は霧に覆われていた。目の前の常念岳も見えない。石ごろのジグザグ道を一歩一歩足を進めるうちに霧が下がってきてまた展望が戻った。takeも機嫌よくスローペースながら確実に歩いた。出発から1時間25分で思ったより狭い頂上に着いた。頂上にはMIさんが手を振って待っててくれた。P8020038

  水分を補給してすぐ頂上から常念小屋のある常念乗越を目指して下り始めた。小屋からのピストンなので本当は空身でもよいのだが、荷物を置いておくとtakeの先行きの見通しが混乱するかも知れないと思い全ての荷物を背負って歩いているのだ。下りは登りより慎重に歩いた。段差のある岩場では手と手を取り合って歩いた。常念小屋が近くに見えるようになると、傾斜も緩くなる。takeの歩きも軽やかになったので、私が「アルプス一万尺」を歌ったら、takeは歌に合わせて踊りP8020034 のステップを踏みながら歩いた。

  そして下山、一ノ沢林道への道を進んだ。40分程下ると最初の沢を渡った。ここから沢沿いに下っていった。道はよく整備されている。takeには「山下りたらタクシーで駅に行ってラーメンを食べる」と話していた。しかし歩けど歩けどタクシーがいそうな道にならないことへのtakeのイライラが最高潮に達した時、林道の終点に着いた。常念小屋で予約してあったタクシーに乗り、豊科駅に着いき駅前の食堂に入った。こういP8020036_2

  takeもラーメンを食べたことで先行きが見えてきたのか表情も穏やかになった。食堂を出て見上げる西方の山々は雲に覆われてていた。色々とtakeの面倒をMIさんが見てくれた中で、天気に恵まれ、山小屋に恵まれたことを山々に感謝して今年の夏山登山は終わった。

コースタイム

常念小屋0530-常念岳0655~0705-常念乗越0805-最終水場0845~0850-笠原0940-大滝ベンチ1035~1040-一ノ沢林道1140

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