













連休後半の週末は恒例の大菩薩宿泊山行だ。一日目は丸川峠から大菩薩嶺に登り、上日川峠のロッジ長兵衛さんに宿泊、翌日は大菩薩峠を越えて丹波山に歩く定番コースだ。天気予報もまずまずだった。休みが分散しているので交通機関は空いているだろうと思ったが、普段の土曜日並みだった。塩山駅からタクシーで丸川峠入口まで行き、新緑の中を歩き始めた。
満杯の駐車場を後に沢沿いに歩き始めた。takeは沢水を何度も空き容器に入れて満杯にしている。沢筋から尾根に上がったところから、道は尾根通しだ。気温も上がってきて汗ばむような陽気だった。少し登るとトウゴクミツバツツジのピンクの花が目立つようになった。二時間ほど歩いて静かなたたずまいの山小屋のある丸川峠に着いた。小屋裏のベンチにシートを敷いてお弁当を並べた。このころまでは雲はでているものの平穏な天気だった。
シートを撤収して大菩薩嶺へと歩き始めた。尾根を泉水谷側に巻くように歩いていくが、この頃から奥秩父主脈側の空が真っ黒になり、遠くではあったが雷鳴が聞こえてきた。春雷は急に降雨や雹を伴ってやってくるので急いでtakeに雨具のパンツをはかせ、ザックカバーをかけた。もちろん自分も同じだ。急な降雨に対してtakeに雨具の上下を着せるのには時間がかかるので、自分の雨具を着用しようとする頃には濡れてしまう。早め早めが大事だ。大菩薩嶺の頂上への登りになる頃には、頭上の空も暗くなり、雷鳴も近くで炸裂するようになってきた。祈るような気持ちで大菩薩嶺の頂上も通りすぎ、雷岩に着くと不思議なことに暗い空の中で、甲府盆地だけは晴れていた。
雷岩から唐松尾根を福ちゃん荘を目指して下り、濡れることなくロッジ長兵衛さんに到着することができた。この雷雨は、あちらこちらで猛威をふるったようだ。翌日知ったことだが、6日前に3人で歩いたばかりの丹沢鍋割山で同じ頃、落雷による死亡遭難事故があったと聞き、改めて雷雨の恐ろしさを感じた。
宿に着いて、すぐ入浴して二人ともリラックスして過ごし、takeが夕食の準備状況(机の上の配膳)の確認頻度が多くなる頃、夕食の案内があり、二人で食卓についた。ボリュームたっぷりのホウトウ鍋等、どれも美味しい料理だった。 夜は19時前に寝たこともあって翌朝5時前にはtakeも起きた。朝食を頂き、6時15分には歩き始めた。福ちゃん荘の少しさきで富士山が現れる。薄雲が少しかかった感じだった。大菩薩峠は時間が早いせいか、人は少なかった。takeが麦茶と菓子を食べているうちに南アルプスの風景を眺めてた。
ここから先、丹波山へは峠の下り道でなだらかな道が続く、最初の休憩は、大菩薩嶺を目の前にした「フルコンバ」、また長い尾根を坦々と歩き「ノーメダワ」では早々と昼食だ。それぞれカレーパンとアンパンを一つずつ食べてすぐ出発だ。ここから先は新緑も多くなってきた。昨日も観たトウゴクミツバツツジのピンクも道の両脇を飾っていた。
次の休憩場所の「追分」は雲取山の好展望地でtakeがスポドリを飲んでいる間、私は眺めてた。ここから道は尾根を外れ沢筋へと入り、最後の休憩地の藤ダワに着いた。舗装路を歩きたどり着いた終着地の 丹波山釣りセンターは行楽客で賑わっていた。takeは売店でアイスいつもの「モナ王」を食べると、新緑にあふれる多摩川の吊り橋を渡りバス停へと向かった。
コースタイム
5/4 丸川峠入口0838ー丸川峠1046~1111-大菩薩嶺1253-雷岩1303-福ちゃん荘1348-上日川峠1410
5/5 上日川峠0615-大菩薩峠0711~21-フルコンバ0750~53-ノーメダワ0835~56-追分0937~40-藤ダワ1025~30-丹波山釣りセンター1118
毎年春秋に歩く大菩薩峠だが、いつもtakeと二人でtaketake山の会フルメンバーの三人で歩いたことはなかった。昨秋は三人で宿を予約したものの前日takeが風邪をひき、予約もあったので私一人で出かけた。春も二人だったので、この秋は三人でと早くから予定を立てていたが、中期天気予報は雨でまたも延期かと思われたところ二日前から曇り時々晴れに変わった。いつもだと丸川峠から大菩薩嶺に登り、上日川峠のロッジ長兵衛に宿泊し、翌日峠越えをして丹波山村に下るのだが、今回は出発時間を遅くして大菩薩嶺は割愛することにした。
家を出たのは、私の出勤時間より30分ほど遅い6時半頃だ。土曜日のこの時間だと通学の高校生がいたりして、takeの指定する電車の角席に座らせるのもなかなか難しい。「申し訳ないですが」などとお願いして確保した。塩山駅9時30分のバスに乗って終点、大菩薩登山口で下車、身支度を整えて出発した。天気は快晴で、陽光を浴びながらのハイクだ。
家人は29年前に同じ道を二人で歩いているが、全然記憶にないとのことだった。千石茶屋前のテーブルを使わせてもらって昼食にした。この辺りまでは紅葉もまだ残っていたが、上日川峠へと登っていくにつれて、だんだん木々の葉も落ちている。ブナの森辺りはもうすっかり冬枯れの風景となっていた。takeは落ち葉のラッセルを楽しむように歩いていた。
午後の早い時間にロッジ長兵衛に到着した。家人はこの宿に泊まるのは初めてだが、takeは17回目と慣れている。決まり通りお茶を飲んで部屋に入いり、3時には入浴し5時半からの夕食の後はすぐに布団を敷いて6時半には就寝した。私も起床したのは5時半なので11時間睡眠したことになる。年とともに普段の生活では、6~7時間しか寝れない私だがいつもこの宿では熟睡できるから不思議だ。
翌朝6時からの朝食をいただいて出発した。天気は高曇りで、富士見平の富士山も大菩薩峠からの南アルプスもややおぼろげだった。大菩薩峠から東側に下るとたちまち霧の中になった。地域天気予報で甲州市は曇り時々晴れ、丹波山村は一日曇りだったが、こんなに違うのかと思った。フルコンバで休憩し、ノーメノダワで昼食にしたが、景色は皆無だ。追分の分岐あたりでやっと雲の下にでて周りの風景が見れるようになったが、山々の頂は雲に覆われていた。
追分から丹波山村への道を下った。峠から追分までは夏の台風による倒木も整理され、通行に支障はなかったが、ここから先は倒木くぐりが何度もあり時間がかかった。峠から初めて出会った人は猟銃を持った地元猟友会のハンターさんで、山から谷へと犬に追われてくる獲物を待ち構えていた。いつもは藤ダワから貝沢にそった道を下っているが、猟もその方面だということで、東側の林道を歩くことにした。終着の「丹波山つりセンター」のイチョウの黄色が色鮮やかだった。
コースタイム
【11/17】裂石1005-千石茶屋1045~1113-上日川峠(ロッジ長兵衛)1301
【11/18】上日川峠0623-大菩薩峠0731~38-フルコンバ0813~16-ノーメダワ0906~26-追分1015~19-藤ダワ
1117~23-丹波山つりセンター1215~25-丹波バス停1230
5月連休の宿泊山行は大菩薩ということになってからもう何年にもなる。この時期の中級山岳は普通だとまだ残雪の影響があるし、人も多い。大菩薩は一部を除いて雪の影響を受けることも少なく、コースを選べば静かな山歩きを楽しめるのも魅力だ。今年も連休最後の土日に上日川峠のロッジ長兵衛さんに宿泊して定番コースを歩くことにした。
八王子駅発普通松本行に乗って8時前に塩山駅に着いた。手前の甲斐大和駅で多くのハイカーが下車した。大半のハイカーは日帰りで、上日川峠まで車・バスで入り、大菩薩峠から大菩薩嶺を廻り上日川峠に戻るルートを歩いている。週末もこのルートだけは人が多いが、ルートを外れると5月の連休中でも、意外と静かな山歩きを楽しむことができる。
丸川峠入口までタクシーで入り丸川峠への道を歩き始めた。天気は晴れだ。沢沿いの道から尾根に取りつき、わりと急な登りになる。トウゴクミツバツツジの花が新緑によく映えている。ペースよく高度をかせぎ、歩き始めから一時間四十五分程で丸川峠に着くことができた。
丸川峠でtakeは待望(毎回だけど)のお弁当を食べて、足取りも軽く大菩薩嶺へと続く稜線を進んだ。4月下旬だと、谷筋に残る雪も今年は早く消え去ったとのことで、苔の中の道を順調に歩いた。 山頂に着いてびっくり、なんと狐がいるのだ。休憩している大勢のハイカーと距離は保っているが、その周囲にいた。きっと餌を与えるハイカーがいるのだろう。野生動物への餌やりはNGだ。
狐に構うことなく、takeがスポドリ を飲み終えたら出発だ。雷岩から唐松尾根を下り、上日川峠のロッジ長兵衛さんに早々とチェックインした。夕食のメインはホウトウ鍋。二人ともお腹いっぱいで、19時頃にはベッドの布団をかぶって就寝した。
翌朝、私は5時半頃起床、身支度をしてからtakeを起こした。普段の生活では疲れていてもせいぜい7時間ぐらいしか眠れないが、山だと何故かぐっすりと眠ることができる。焼鮭(身が厚くて美味しい)の朝食をいただいてから大菩薩峠へと出発した。大菩薩峠への道は、まだ日帰りハイカーが上がってくる前なのでとても静かだ。峠から南アルプスの山々を眺めてから丹波山村へと下った。この道も歩く人の少ない静かな峠道だ。
途中のノーメダワのベンチで菓子パンを食べ、更に歩いて追分に着いた。ここから沢を下り、また山を巻いて車道の通じている藤棚に着いた。ここから山道は西側の貝沢沿いに続いている。道が荒れているので、ここ何年かは東側の車道を歩いていたが、今回は山道を下った。多摩川岸でたところにある「釣りセンター」の売店でアイス「モナ王」を買うのがtakeの決まりだ。モナ王を食べたtakeは、吊橋で多摩川を渡った。
コースタイム
5/5 丸川峠入口0816-丸川峠0958~1024-大菩薩嶺1153~59-福ちゃん荘1252-上日川峠1313
5/6 上日川峠0635-大菩薩峠0742~50-フルコンバ0816~22-ノーメダワ0900~15-追分0952~55-藤棚1037~40-丹波山村つりセンタ1114~23ー丹波バス停1128