【24日】
秋に八ヶ岳を歩くというのがここ何年間のパターンになっている。今年も昨年と同じルートで本沢温泉に泊まり夏沢峠から東天狗岳を越え黒百合平を経て渋の湯に行くプランをたてた。10月17日の宿泊予約を本沢温泉に入れようとしたが、その日はどぶろく酒飲み放題の日なので避けた方が良いというアドバイスもあって24日の宿泊とした。私だけだったらどぶろく酒飲み放題の日の方が歓迎なのだがそうもいかない。
余裕を見て朝6時44発の北陸新幹線に乗車、takeはこの列車の座席枕が大好きで上野に着く前に二度寝体制に入っていた。佐久平に着くと中込駅止まりの小海線ハイブリッド列車が入線してきたので取りあえず乗り込んだ。終点中込駅で取りあえず降りて、後からくる小淵沢行を待つことにした。ホームにtakeは機嫌よく座り込んだが、8時半に突然流れてきたラジオ体操の音には少し驚いた顔をした。やがてやってきた小淵沢行きに乗り、小海駅からバスで稲子湯に着いた。
小海駅から稲子湯に向かう途中の木々が紅葉真っ盛りといった感じだった。稲子湯から少し歩いた唐沢橋のたもとでいつもの通り昼食にした。takeはお弁当の上に唐松の落ち葉が降ってくるのが気になるようで、おにぎりの上に付いた落ち葉をひとつひとつ手で取り除いては食べていた。シートの上にも瞬く間に落ち葉がたまっていた。
ここからはみどり池への登りは歩きやすい道だ。駒鳥沢の水場でスポーツドリンク休憩をすると、一気にみどり池へと歩いた。一昨年まではここシラビソ小屋が、天狗岳へのベースキャンプだった。しかし個室対応がなかなか難しいので昨年から本沢温泉へと変えた。takeには「お風呂のある山小屋」と差別化を図っている。takeもシラビソ小屋は過去のものとして急ぎ足で通り過ぎようとした。
私の好きな森の道を歩いて本沢温泉には2時前に到着、早速温泉に浸かり夕食までの時間をゆっくりと過ごした。谷あいの小屋は日が陰るも早い。5時半の夕食を食べ終えると6時には布団に入った。パジャマのtakeが寒くはないかと案じたが、すぐ鼾が聞こえてきた。
【25日】
薄明るくなった6時に朝食をいただき、すぐ出発した。夜は相当冷え込んだようで水たまりも厚い氷が張っていた。天気は快晴だが、気圧配置が西高東低で北風が吹き込み谷間にいても上空の風の響きが聞こえた。夏沢峠で一息ついて稜線を北上した。箕冠山までは樹林の中なのであまり感じなかったが、樹林帯を抜けた根石岳あたりから風も強くなってきた。吹き飛ばされるほどではないが、バランスを崩すことがあるのでtakeと手を繋ぎ合って歩き、瞬間的に風が強まるときはその場で足を止め、風が弱まってから歩いた。
東天狗岳への最後の岩場も無時スルーして頂上に立つことができた。記念撮影だけして少し下った所でおやつタイムにした。立ち止まって風に吹かれると寒いので早々に頂上を後にして中山峠へと下って行った。真下に見える黒百合平が昼食場所だとtakeも理解している。ゆっくり慎重に進み中山峠に着くと黒百合平までは木道だ。木道は氷が貼りついているところがあったが、takeはそういう場所では木道を下りて脇を歩いた。
黒百合平は風もなく穏やかな昼食(パン)をとることができた。時間に余裕があるのでもう少しここでゆっくりとしたかったが、食べ終えるとtakeの「イク」の一言で出発しなければならない。沢沿いの道を下って唐沢鉱泉への分岐でスポーツ飲料を飲むと尾根を下りやがて渋の湯の建物が見えてきた。
バス停に着いたのは12時50分でバスの出発まで2時間10分待ちとなった。後から来た人はみんなひと風呂浴びて旅館で過ごしているが、takeはそんなことを許してくれない。バス停は日蔭なので、陽あたりの良い旅館の前の駐車場に陣取ってパスを待った。バスが来るまでの日光浴で少し日焼けしたtakeだった。
コースタイム
10/24 稲子湯1010-唐沢橋1022~53-駒鳥沢1158~1205-みどり池1235-本沢温泉1350
10/25 本沢温泉0622-本沢峠0740~45-箕冠山0819-東天狗岳0903~10-中山峠1012-黒百合平1017~40-唐沢 鉱泉分岐1123~30-渋の湯1255