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FXフォーマットデジタル一眼

2008年12月22日 | Photo
 デジカメ市場に面白い動きが見えている。

 一つは、かつてフィルム一眼レフをいじっていたクラスの人達を満足させるような高級コンパクトデジタルカメラ(Canon「PowerShot G10」等)が完成の域に至ったことである。これは以前ブログに書いた。

 もう一つは、FXフォーマットのデジタル一眼(Nikon D700Canon EOS 5D MarkⅡSony α900)の出現だ。
 デジタル一眼では、フィルムの代わりに光を受ける撮像素子(光センサ)が使われているが、大型のセンサを使うのにはコストがかかるため、従来の35ミリフィルムより小型のAPS-Cサイズ(DXフォーマット)が使用されている。このため、例えば、デジタル一眼に従来のフィルム一眼の50ミリ標準レンズを付けると、約1.5倍の75ミリ中望遠になってしまう。受像素子が小さいのだからレンズを通過した光の一部しか使えないのである。フィルム一眼の望遠レンズは、だましだまし使うとしても、広角レンズの焦点距離が1.5倍になってしまっては広角の用をなさない。デジタル一眼専用レンズが必要となる理由である。

 フィルム一眼からデジタル環境に移行した途端に、フィルム一眼で揃えた交換レンズは無用の長物になってしまうのである。これはイタイ。
 と、こ、ろ、が、である。最近、撮像素子の大きさが35ミリフィルムと同じサイズ(FXフォーマット)のデジタル一眼が手が出そうな価格で市場に出始めたのだ。手が出そうな価格というのは実売価格で10万円台の後半ということではある(^^; 大きな特徴は、先ほど「無用の長物になってしまった」と書いたフィルム一眼用レンズの全てが基本的にそのまま使えてしまうのだ。これは大きい! とすると・・・とりあえずボディだけ購入すればよく、嘗てのフィルムのコストが現像代も含めて1本2千円強もしたことを考えればそれほど高くないとも言える。
 FXフォーマットの利点は大きく、ボケ味などの描写、高感度でのノイズの低減は目を見張るもののようだ。高級デジコンなどは足下にも及ばないSAS3200を常用感度にできるほどだという。無理矢理増感現像することもなく、感度を6400とか12800とかにセットして夜空に向けてシャッターをきると目に見えない星が映ってしまうワケだ。「暗い対象でもフラッシュを使うことなく楽々とシャッターをきる」というのは、高級デジコンやDXデジタル一眼でできない芸当だ。ボディの大きさ・重さを勘案しても捨てがたい魅力である。

 FXフォーマットが明らかに優秀であることから、このカメラがもう少し安くなると、フィルム一眼のレンズを持っているアマチュア写真家は、間違いなく現在主流のDXフォーマット一眼を捨てるだろう。より安いデジタル一眼を求めるDXフォーマットユーザーはしばらくは存在するだろうが、FXフォーマット一眼との価格差がそこそこ縮まったところで、ある程度の期間を経て淘汰され、最後はFXに移行することになると思う。

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