SMILEY SMILE

たましいを、
下げないように…

天使の見上げる空は (3)

2005-01-23 02:01:18 | 
困り顔のかみさま曰く、

「もう遅いよ・・・。これから誰かの場所を取り上げたりしたら、その

 人はどうしたらいいんだい。わがまま言わんでください。かみさまだ

 って大変なのです。みんな仲良くしてほしいのです。隣人愛!みんな

 みんな、ほんの少しずつ譲り合え上手く行くのに、いやらしい、みん

 な揃って少しずつ欲張るものだから、嫌な思いするのです。・・・そ

 れはそうと、君はいったい、どこでボンヤリしていたのです。」

「どこって・・・、ここだよ、ここ。アンタの足元にずっといたのさ、
 
 かみさま、あなた夢中だったからね。楽しそうに、歌いながらこの世

 を創っておいでになったからさ、コッチはウットリしてたって訳よ。

 あの歌、教えてお呉れよ。

 素敵なうた。

 そしたらさ、手前の場所なんていらない。おいらはどこへでも行くさ。

 さすらいましょうや。そのうたさえ歌えたら、ねぇ。」

            
                                    (続く)
 




ぬかるみ

2005-01-23 00:42:23 | 偏愛
愚かさ、誤り、罪、吝嗇は、

われらの精神を領し、肉体を苦しめ、

われら、見に巣食う愛しい悔恨どもを養うさまは、

乞食たちが蚤や虱をはぐくむに似る。


われらの罪はしぶとく、悔悟の情はだらしがない。

告白をしただけで、お釣りがくるほどの気持ちになり、

卑しい涙に一切の穢れを洗い落としたつもりで、

浮き浮きと、泥濘の道に舞いもどる。


 ~S・ボードレール 『悪の華』 「読者へ」  (阿部良雄訳)


あまりに有名なボードレエルの『悪の華』。

この冒頭の言葉に出会った、20代初めの頃から、この言葉たちが折に

触れて想起される。

ホントに俺は、懲りないヤツだ。

―ダメな自分、告白の限界、卑しい涙、ぬかるみへまた一歩入りこむ―

どうにもならない・・・。

どうしたらいい?

溜息

やりきれない思い

ヌカルミミチ

泥濘

はてさて

嬉々として

鬼気として

行こう

逝こう