SMILEY SMILE

たましいを、
下げないように…

悪い血

2006-09-18 11:34:08 | 
これは悪い血
これは悪い血
出てゆけ、出てゆけ

悪い血?
ん、悪い血


この色は悪い血
指についた悪い血
こびりつく

あなたは?


剥れて、落ちる
悪い血悪い血






6月生まれ

2006-09-04 10:17:12 | 
6月生まれの私は梅雨っ子


世界は、雨なのかと思っていたよ
あれ、雨がやんだ
世界が、おわるのかしら
なんだか暑くなってきた
世界は、こんなにも苦しいところなんかね?

あ、
いい風・・・
救われた
このままこんな世界だったら、
厭になってしまうところだったよ

秋というのだね
あき
おぼえておこう


関係・環形

2006-08-31 12:31:13 | 
関係はややこしい
最初から全ったき関係などない
傷つけたり
奪ったり
包んだり
一緒になったり
つもりだったり
裏切ったり
寄り添ったり

でもそれらはいつも
ひとつのものを
廻って、巡っている

それはあなたもご存知のはず♪

流サレル

2006-08-31 01:31:38 | 
川、多摩川だ
膝くらいまでの深さ
戯れに、向こう岸まで歩いて行ってみようということになったのだろう
「この川で育ったみたいなもんだ」
という自負のようなものがあった
でもそれは、ただの高慢にすぎなかった
もう少しで対岸、振り返る
小川のように穏やかだった川は
台風のあとのように荒々しい濁流になっていた
慌てて戻る
深さは腰まで浸かるほどに
一歩一歩、慎重に進む
ひとつ誤ると流れに呑まれる
中洲があった辺りを過ぎると一気に肩まで深みを増す
泳ぐしかない
意を決して、遮二無二泳いだ
だいぶ流されたようだけれど
辿り着いて、手を掛けた
そこは何故か誰かの家の窓で、
部屋のなかでは知らない男が嘲笑っていた




無題

2006-08-17 16:43:27 | 
まっさらで・・・・・・・


誰に会いたいの?
誰に見つけて欲しいの?

誰に抱きしめて欲しいの?

探して
探す
探してる
探す
捜してる
捜す
捜して

探して
探してるの
探してるの?

さがして
探して

探してるの
本当?



夢の門のもとで、私はあなたを待っている

あなた、来るかしら?


咲き乱れる

枯れる
萎れる

届かない手紙

苛立ち

誰も見ていないあの行為

知っているのはあなただけ
莫迦って、言った?


さう・・・。

あの壁は僕のすべてを表現しているよ

あの壁は、ね。

君にも覚えがあるはずだ。

つややかな錯乱坊


生け捕りはむつかしく
交点にて好転


ごめんね


信じて敗れルことに
なんの悔いもないよ


解けた、ほどけた糸
惚けた、とぼけた意図

ここは、四角い箱
レモンを投げながら天頂で笑う

知ったことか

白はあくまでも甘く、僕を赦すことだろう

殺してくれ

その手で




まだ蕾だ

優しく撫でると濡れる




驟雨
酒気を帯び
牧童は、微醺

あれかし




25はあんたの為の番号だよ
そら、
空へ投げる

あなたは受け止めるはず、苦い涙と共に




永遠はあなたを哂う
刹那と言って

善し

だから言ったのに
そこに入っていけないよ、と

底には・・・

「あれ」があるはずなのだ

僕らが待ち望んだ「あれ」が


どこにもいないあなたは言う
まだらになってゆくのと

大理石が微笑む
四角
戸惑いは、続く
呪いのように
惚気のように



少し沈んで
また浮かぶ







希望は儚く

石を積む

生まれなかった子の為に祈る

光を聞かせて


単調なリズムをやめて

聴いて
聞かせて

点描で
夏の空に投げる


それはアキの為にあるのだと

風は嘘を吐く
いつだってやつに吹かれて来た

僕はそのために生きてきたっていうのに!!

僕の力はそのためだけにあるというのに!


風が
問いかける
もう止めときなってさ

ん・・・・



やめるよ



またね




あとのことは、知らない。



























葉桜と魔笛

2006-04-20 23:12:31 | 
葉桜の頃には、
かならず魔笛が聞こえる
去年もそうだったし
遡れば、胎内でも響いていたはずだ
そして今年は
昨日

僕は落っこちそうになってた
日付の変わる頃
目黒川沿いのベンチに座って
街灯に透かされた葉桜を凝視していた

すると、役目を終えた萼が狙いすましたように額に命中した

目覚めよ

というように
でも僕はこんなこともあるんだな
というふうにしか感じなかった
相変わらず
なま暖かいみどりを見つめていた
ビールをするすると流し込みながら

対岸からだろうか
帰途を急ぐ人から漏れたのだろうか
それとも
僕自身が吹いたのだろうか

口笛が
聞こえた

それは短くて軽い、なんてことはない口笛

僕はそれに
すっかりやられてしまったんだ

やられてしまったんだよ


あれは
誰の仕業だったんだろう




森の中

2006-04-12 04:46:14 | 
目が醒めると
ぼくは、雨の森にひとり、いた
ぽつりとベッドだけがある
ひんやりしているけど、肌寒くなく
密に生い茂る木々のせいか
不思議と雨は遮られている
ただ雨音だけが
いやに生々しく
まるで胎内で聞えるように心地よく響いていた

ここへ来るのは何度目だろう
希っても容易に来ることはできないのだ
忘れた頃に連れてこられる
だから
一瞬、自分がどこにいるのか
どこにつれてこられたのか
わからなくなる
しかし不安は、すぐ安堵に変わる
そしてそれも束の間
ぼくはまたもとの場所に戻っている

あの森は、どこにあるのだろう

天使の見上げる空は (4)

2005-01-25 05:01:38 | 
かみさまのお顔はやっと晴れ晴れいたしました。そのせいで世界に光

があふれ、すべてのものに希望が宿った、とさえ言われています。

かみさまは嬉々として曰く、

「おおそうか、お易い御用だ。すべて教えてあげよう。人間に聴かせ

 てやってくれ。あやつらのココロは放っておくと、簡単にすさんでい

 ってしまう。(・・・こやつは人間の中でも出来損ないだったんだが

 なるようになるものだな。)」

ふたりとも、思いのほか、都合よくことが進み、笑顔で別れることが出

来ました。

「たまには、ここに顔をだすがいい。うたの評判も気になるでな。」

「そうだね、僕くらいになると、ここを思いさえすれば、一瞬でやって

 来れるからね。気が向いたら、ご報告にあがりますよ。」

こうして、詩人は世の中の至る所で、うたを詠うことになったのです。


「やれやれ、もう安心。ゆっくりお茶でもしようかしらん。どれどれ、

 果物はりんごに、いちじく、あとラファエルの作ったギモーヴも食べ

 たいな。」

仕事のあらかた片付いたかみさまは、すっかりご機嫌で玉座にゆった

りあぐらをかいて、鼻歌、リラックス。

「ねぇねぇ、お茶のオカワリを頂戴」

側に仕える天使たちは、「はいよろこんで」とばかりに立ち働く。

しかしどこの世界にも、のんびりやというか、ぼんやりしたのがいるも

の。本人としては全く悪気はなく、公然と世の流れから外れて平気で

いる。沸いているお湯を不思議そうに眺めていたり、真赤に輝くりんご

を名残惜しげに撫でつけていたり、とかく役立たずではあるのだけれ

ど、憎めない天使がいるのでした。

天使の見上げる空は (3)

2005-01-23 02:01:18 | 
困り顔のかみさま曰く、

「もう遅いよ・・・。これから誰かの場所を取り上げたりしたら、その

 人はどうしたらいいんだい。わがまま言わんでください。かみさまだ

 って大変なのです。みんな仲良くしてほしいのです。隣人愛!みんな

 みんな、ほんの少しずつ譲り合え上手く行くのに、いやらしい、みん

 な揃って少しずつ欲張るものだから、嫌な思いするのです。・・・そ

 れはそうと、君はいったい、どこでボンヤリしていたのです。」

「どこって・・・、ここだよ、ここ。アンタの足元にずっといたのさ、
 
 かみさま、あなた夢中だったからね。楽しそうに、歌いながらこの世

 を創っておいでになったからさ、コッチはウットリしてたって訳よ。

 あの歌、教えてお呉れよ。

 素敵なうた。

 そしたらさ、手前の場所なんていらない。おいらはどこへでも行くさ。

 さすらいましょうや。そのうたさえ歌えたら、ねぇ。」

            
                                    (続く)
 




天使の見上げる空は (2)

2005-01-15 04:09:44 | 
天地創造。

かみさまは、この世界をお創りになり、とりあえず、ホッと一息。大地

に生え始めた低木の葉をひと掴みお湯に投げ入れお茶の時間。しばし

和み、自作の庭、眺めるが如く世界を見下ろしになる。すると、何やら

足元で先程創った人間が、何だかもじもじ、ぶつぶつ言っているので、

仕方なく話を聞いてやることにしました。

「かみさまかみさま、かーみさま。聞いてますかー。なんかね、あたく

しの場所、なくなっちゃったみたい。ぼんやりしてたら、海も、山も、

大地も、みいんな誰かのものになっちゃったい。あなたサマのお力でな

んとかしておくんなまし。どこでもいいから、さ、できるよね、かみさ

まだものネ。ねぇ、旦那ったら、そんな嫌な顔するもんじゃありません

よ、ね、頼みます。」

いやに馴れ馴れしいこの人間は、「詩人」といい、今この世に跋扈する

人間の試作品、試作人、言ってしまえばデキソコナイ、失敗作、穀潰し

、ろくでなし、習作、スケッチなのでした。

                             (続)


天使の見上げる空は (1)

2005-01-14 06:34:00 | 
さてさて、どこまで話しましたかね。今や、「ペンギン」などと呼ばれ、

きゃあ、可愛らしい、などと専ら婦女子なぞに人気の、あの鳥類につい

て。

この話を、あなた、聞いたなら、あの珍妙な鳥類への考えがちょっ

と変わるかもしれません。いや、なあんだ、やっぱりそんなことだろう

と思っていたよ、とも思われるかもしれませんが。



ペンギンは、実は、天使だったのです。


                              (続)