関西初登山は、考えた挙句の果てに、世界文化遺産に登録された、大峯奥駈道から入る事にした。奈良県を南北に貫き、北は吉野から南の熊野まで続く大峯山系は、1,200m以上の山を50座以上擁する大きな山並みであると同時に、平安時代から山岳信仰の修行の地でもあり、奥駈道はまさに、稜線を駈け抜ける、道場だ。
北の入り口、吉野は、あの太閤のお花見で有名な吉野だ。近鉄吉野線で終点まで、難波を6時に出て2時間かかってやっと到着。世界遺産に登録されている寺社も沢山ある有名な場所なのでさぞかし混んでいるのだろうと思ったら、終点で降りた乗客は自分も含めて4人だけ。あの京都の混雑と比べると嘘のようだ。
8:00吉野駅出発。下千本と呼ばれる桜並木の下を登る。春は素晴らしい光景で、大混雑が予想されます。
黒門と呼ばれる門を潜ると、金峰山寺をはじめとする多くのお寺さんの門前町となる。旅館、食堂、土産屋が軒を連ねる。
世界遺産、金峰山寺蔵王堂
世界遺産、吉野水分(みくまり)神社。あまり世界遺産、には見えない。
高城山山頂(702m)から大阪方面を望むと、金剛山(左)と、葛城山
金峯神社。お寺と神社が同じ名前で、いかにも日本らしい。いよいよここから奥駈道吉野古道が始まる。(熊野側では熊野古道)
10:00奥駈道最初のピーク、青根ヶ峰858m。視界は全く効かず、次の四寸岩山を目指す。
誰もいないし、細くて随分荒れた登山道だなぁ、世界遺産なのに?と思っていたら、
道が違っていた。随分長くトラバースしているなと思っていたら、ピークをまいてその先のコルまで行ってしまっていた。
11:30今日の目的地、四寸岩山1,236m到着。
山頂から西方向
南の大峯山系。ここから延々80km、1,000-1,800mのアップダウンが熊野まで続く。普通であれば一週間はかかるこの道のり、チャレンジする日は来るのだろうか?
南に向かう奥駈道。
こんな感じで続くのだろうか?
四寸岩山のピークから今度は良く整備された登山道を降りると、あとは整備されていない古道は避けてひたすら舗装された林道を駆け下りる。登りで辿ったピークは全てパスして、13:00吉野駅到着。
今回何故大峯山系を選んだか。
まず南北80kmという大きさ、南アルプスの120kmにだって引けを取らない。最高峰は八経ヶ岳1,915mで百名山でもある。関西では最大の山域だと思う。
次に歴史的な味わい。8世紀に開かれた登山道(修験道)というから1300年以上続く。
で、第一印象はどうだろう。
驚くほど人がいない。奥駈道に入ってから出会ったのは1組のご夫婦のみ。
標識やビジターセンターなど整備されておらず、世界遺産とは思えない。
一部の古道は、整備されていないため相当荒廃が進んでいる。
展望が開けない。
要するに、人気(にんき)の無い山、という感じでだ。
南に進むとアプローチはマイカーか、数少ないバスしかなくなり、更にひとけがなくなるのではないだろうか?これは今後の調査課題かな?
これだけの山域であれば、ヤマケイのガイドブックがありそうだが無いのは、こんなことが原因なのかもしれない。登山の魅力と、修験道の要件とは合わないのかも知れない。
それでも興味を惹かれる大峯山系、これからその魅力を発見して皆さんにご紹介していきたいと思います。こう、ご期待。
それにしてもTAKさん、若々しくて、チャレンジしようとする気持ちが凄いです!目が離せませんっ!
いつか? いつか??
と、待っていた。
私にとってもTak同様、見たこともない全く未知の世界なので、開拓を楽しみにしている。
仕事も落ち着いたようでよかった。
旅に出とうございます。
Toshiめ、実は古寺・秘仏巡りと登山が組み合わされれば、そればーっかり
やっていると思います。
そんな楽しみ方は北海道ではできません。
よい週末の楽しみ方を見つけましたね。