Takの山行記録

私が登った山やアウトドア活動の記録です

苗場山 撤退 2023-5-17

2023-05-19 16:24:00 | 日記
春の上越攻め第3回目は苗場山でした。苗場といえば、バブル期のスキーブームを代表するスキー場で有名ですが、平かな山頂部に広大な湿原をいただく優美な山としても人気の山です。

スキー場側からのアプローチもありますが、長野県側、小赤沢集落からのアプローチは残雪期に人気のコースで、今回はこちらから登ってみました。

結論から言えば、途中の雪渓で足を痛めて撤退しました。夏道から外れて雪渓を直登しようとしたのですが、最後の尾根への取り付き部で笹薮に阻まれ断念。一旦降ってルート変更しようとピッケルで制動尻滑りをしたらアイゼンをはいた足が何かに引っ掛かりグキッ!

しばらく佇みましたが痛みは引かず、登山は中止としました。5時間のドライブと快晴の天気には思いきり後ろ髪を引かれましたが。

ストックにすがりながら(持ってきてよかった)、よろよろ降り駐車場まで降りた時には、下山開始から2時間あまりが経過していました。

この季節、平日でもありすれ違ったハイカーは外国人一人だけ。ここの良さがわかっているねー君は!何故か嬉しい。

その後、5時間運転して自宅近くの整形外科直行。結果は右足首に複数箇所ヒビ、で当分松葉杖の生活となりました。
今思えば、こんな程度(自力で下山できた)で済んでよかったです。そんなスピードが出ていたわけでもなく、アイゼンが雪の下の岩か木の根にからまったのではないかと思いますが、何が起こるか分からないのが山です。今後はもっと用心深く、ビビりながら登ります。




日光男体山5-10-2023 71/100

2023-05-11 23:00:00 | 日記
右から女峰山、小真名子、大真名子、男体山

日光に男体山という山があります。何かのついでに登る山、という失礼な印象だったのですが登ってみてそれは間違いだと判りました。


名古屋からやってくるユディットさんの到着を待ち、8:30の遅めスタート



中禅寺湖畔の二荒山(ふたらやま)神社中宮祠から山頂(2,484.2m)まで標高差およそ
1,200mの直登で、結構な急登です。少しだけある林道歩きがありがたい。

今は男体山と呼ばれていますが、山全体が二荒山神社の御神体で二荒山、というのが正しいそうです。

この二荒山、読み方を変えると、にこう、と読めます。そう、日光の語源なんだそうです!

山頂にはこんな像があり、記念写真など撮っていますが、どなたか氏子さんが最近寄贈されたものでありがたいものではありません….

中禅寺湖の向こうには、先週の皇海山と左に鋸山、さらに左には浅間山です

日光白根山はすぐそこです。右には白く雪の残る至仏山が見えます。

真ん中は燧ヶ岳で左は平ヶ岳。もうすぐ行くからな〜。

白いテーブルはなんだろうと悩みましたが会津駒ヶ岳でした!

北西には大真名子、小真名子、女峰山

中禅寺湖の右手に広がる戦場ヶ原

今日の本番はこれから。帰りは反対、北斜面を降り、戦場ヶ原に抜けるコース。この山は二荒山神社が所有、入山料も¥1,000払います(!)。

二荒山神社は、この北に抜けるコースを推奨していません。おそらく登山道の整備に手が回らないのでしょう。そのせいか、登りは外国人を含む大勢の登山者がいましたが、こちらは誰も歩いていません。

上りとは違う、日光五兄弟と言われる山々、戦場ヶ原を眺めながら気分良く歩きます。

もっとも春先でもあり、道は荒れていますが、本来の登山道です。

天気が悪ければ気の滅入りそうな荒れた道

お社にも手が入っていません。

戦場ヶ原には志津峠から左に折れて向かいます。立派な避難小屋ですが、社務所との表記ががありました。

荒れた山道から林道へ。

戦場ヶ原に向かう自然遊歩道。

戦場ヶ原はもうすぐ花の季節になりますが、今は何もありませんでした。

急登、人気のないトレイル、湿原と湖、遠く北アルプスまで見渡す山上のパノラマと、盛りだくさんの山旅でした。

皆さんは日光を訪れたことはありますか?僕は当然あると思っていました。が、それは気のせいでした。映像や情報が多い大観光地のせいか、行ったつもりになっていたようです!男体山登山前日に東照宮に行ってみて何の記憶もない事に愕然としたのです。こんなこと、ある?

眠り猫を見るのも、

ざる、を見るのも、初めてでした。

お隣には明日の二荒山神社本社。勿論、安全祈願しました。

これが華厳の滝です!わお!登山前に、朝一番で。
日光という世界遺産は、東照宮、中禅寺湖、華厳の滝、戦場ヶ原、そして男体山と観光資源てんこ盛りの場所でした。観光客でごったがえすイメージの日光にはあまり興味はありませんでした。今回は静かな日光を男体山から見下ろし、静かな戦場ヶ原を歩き、早朝の華厳の滝、夕暮れの東照宮と素晴らしい日光を発見したような気がします。実は初めてきたのですが。皆さんもぜひ季節外れの平日に、日光を訪れてみてはいかがでしょう。


山頂からの動画です↓
上越攻めはまだまだ続く。




皇海山クラシックルート 5-5-2023 70/100

2023-05-06 13:56:00 | 日記
連休は働くみなさんのためのもの、混雑に輪をかけないために登山は控える予定でした。ですが、学校が休講となり、天気も良いため我慢できず、予定していた上越の難関、皇海山に登りました。
銀山平で林道は閉鎖。向こうに庚申山が見える。

皇海山は群馬県側からの林道が災害で閉鎖。このため栃木県の足尾から登るルートしかありません。このルートは駐車場のある銀山平から主要な5峰を越えやっと辿り着きます。

山深い、山容の険しい山でもあり、登山者も百名山ハンターと、トレランナーくらいしかいないのではないでしょうか。

皇海山の手前、足尾側には庚申山という有名な山があります。この山を越えていくのですが、庚申講や庚申塚の庚申です。平安時代に始まったとされる庚申信仰の猿田彦神社をこの山に祀ったのが山名の由来なんだそうです。したがって、天狗が投げたんじゃないかと言われる岩が集積している場所があったり、胎内潜り、なんとか岩、があちらこちらにあって、4kmの林道歩きもなかなか楽しい。

猿田彦神社への参道は、一の鳥居から始まります。林道もここまでで、山道に入ります。尚、猿田彦神社は明治時代に焼失、現在は社殿を足尾にうつし銀山平での遥拝と合わせてお祀りしているそうです。

ちなみに、里見八犬伝でもこの庚申山は登場しているそうです。由緒ある場所です。

1日目は猿田彦神社旧社殿の少し上にある庚申山荘に泊まります。最初は日帰りを考えていましたが、銀山平駐車場からここまで約6km、標高差800mあり、先の難行苦行と自分の体力を考えて1泊2日の行程にしました。2日目、12時間超のコースタイム、鎖、ハシゴの岩場、笹藪こぎに備えて3:30出発。この時間でも遅いようです。

やっぱり泊まりで正解、を実感。庚申山荘からいきなりの急登、岩場、鎖、ハシゴが続き、夜中に登るのはしんどい。

1峰目、庚申山山頂(1,892m)には小1時間で到着。日の出にはかろうじて間に合いました。

庚申山山頂は眺めはありませが、すぐ先に展望のきく場所があります。早朝の日光白根山。日光や中禅寺湖はすぐそこです。

5峰にはカウントされませんが、こんな小さなピークも沢山あり、深田久弥山によれば12峰あるとか。

朝焼けが林の先に広がって素敵です。今日の楽しい山行が約束された気がしました。

2峰駒掛山(1,808m)をこえて、3峰渓曇山で皇海山のお出まし!

4峰薬師岳。ここからが今日の核心部、鋸山への登り返しが始まります。鎖やハシゴの連続とは聞いていましたが、そんなたいしたことではないだろう、と思っていました。いやはや、たいした事でした!

鎖場はよくありますが、ほとんどは3点支持で何とかなります。全体重を鎖かロープに預けるようなことはあまりありません。しかし、垂直に切り立った岩や崖が続きます。写真を撮る余裕ありません!高所恐怖症なんですからー!

恐怖の最中でも皇海山は見事な姿を近づけてくれます。ここを過ぎればもうすぐです。

崖の上から撮る写真。いやー、手足がすくみます。上州の山並みが素晴らしいですが、アプリや地図で山座同定の余裕無し。男体山と日光白根山が違う角度で見えます。

6:20。ここまで来ればあとは300mの登り返しを頑張るだけ。顔も緩みます。5峰鋸山(1,998m)。

皇海山の左、北西方面には上越の山並みが素晴らしい!右から巻機山、平ヶ岳、武尊山、谷川岳から苗場山まで見えます。

さあ、本丸の皇海山へ。こちらも急な斜面を滑りお(ち)ります。北斜面で濡れてます。

鋸山を降り、しばらく歩いて振り返ると、あー本当にノコギリ。

皇海山手前のく不動沢のコル。ここで群馬県側から入る不動沢ルートと出合うのですが、不動沢に至る栗原川林道が風水害により30kmに渡り閉鎖され登山道自体も閉鎖されました。そのため、皇海山には今日のルートでしか登れません。ここを使えばもっと手軽に登れるのですが、この山の良さは、この難行苦行の後に辿り着く奥深さにあるのだと思います。

庚申講の信者が明治期に奉納したとされる青銅の逆鉾。山頂の少し手前にありますが、あまりありがたみを感じないのは、この場の空気に合わないからでしょうか?

山頂は展望の無い静かな場所です。先行者2名とは山頂で入れ違い、独り占め状態ですが、残念ながらあまり長居する場所ではないようです。

そそくさと山頂を後にして再びノコギリを眺める。その後続々と登山者が上がってきて、独り占めできた山頂に感謝しました。

再びノコギリに登り返し、上越の山並みとはお別れです。

鋸山から往路を南に巻くルートになります。普通はこちらを帰るようです。あの激しいアップダウンはもう勘弁ですよね。山頂からは南の袈裟丸山に向かう尾根筋を六林班峠まで歩きます。

この尾根筋は笹薮を漕いで行きます。背丈ほどの薮もありますが、下道はしっかり残っており、迷うことはありません。標識やピンテもしっかり付いていました。

笹薮といえばこの季節マダニ。ここでマダニの話は聞かないのであまりいらっしゃらないのでしょうか。

鋸山から1時間ほど藪漕ぎで六林班峠に着きます。そこからはなだらかな降りをのんびりトラバースして昨夜泊まった庚申山荘に戻り、銀山平まで往路を下ります。朝の激しい登り降りから解放されてスッカリリラックスして歩けます。

長い巻道はたくさんの沢を渡ります。春の気持ち良い風が吹き、渓流の水を眺めながら極楽な下山でした。

庚申山の山頂です。山荘まであと少し。

と、山荘を前にして突然細かなアップダウンが。スッカリ緩んだ体と気持ちにはちょっとした登りもこたえます。

ツツジがかろうじて慰めてくれました。その後、庚申山荘でデポした荷物をピックアップし、下山。山荘までは元気でしたがその先の下では一気に疲れがでてよろよろと林道を歩いて2時前に無事銀山平到着。10:30の行程でしたが、心配していた脚も無事持ち堪え、上越攻め第一弾、最難関と言われる皇海山を終了しました。とは言え、後半はペースダウンしてしまいました。体力の維持と体のメンテナンスはこれまで以上に大事になります。まだまだ難関が待っています。つづく。