Takの山行記録

私が登った山やアウトドア活動の記録です

両神山(りょうかみさん 1,723m) 奥秩父 10月26日

2022-10-26 21:21:50 | 日記
 

早朝、埼玉県小鹿野町から見た両神山です。初めて見た両神山の姿ですが、一目でわかる山頂部です。これを見て、深田久弥が100名山に選んだ理由がわかったような気がしました。

両神山は奥秩父の埼玉県小鹿野町にある、埼玉で唯一の日本百名山です。関越自動車道の花園インターから甲府へ抜ける国道140号線で小鹿野町には自宅から約3時間かかります。それでも開通した圏央道のおかげで随分短縮されました。今日は両神神社のある日向大谷から、荒川源流の薄川を遡り、源頭をへて尾根に出て山頂に至る両神山のメインコースです。

薄川沿いに何度か渡渉しながら遡ります。この一帯は広葉樹林帯ですがまだこの時点(10/26)では紅葉は始まっていません。

1時間ほどで清滝の大岩壁に出逢います。

清滝小屋を過ぎるあたり、標高で1,200mを超えると薄川の源頭となり、紅葉も見えるようになりました。ここが荒川の源流の一つ、ですね。

晴天と紅葉がコラボレートして美しい!

尾根に出ると山頂部分が現れます。錦の織物を羽織ったようです。



両神神社本宮。この二日間の寒波で一帯の山岳には雪が降りました。関東の人は一気に白くなった富士山に驚いたことでしょう。
両神神社では、狼が眷属(従者)だそうです。この両神という名前ですが、日本武尊の東征で、この山を八日見たから、ようかみ→りょうかみ、となった説と、イザナミとイザナギの両神を祭っているからという説があるそうです。どちらでも日本の神様由来で素敵ではないですか!イザナミとイザナギなら子宝に恵まれそうだし、日本武尊であれば、日本書紀では相模国から甲斐国に抜けたとあり、本当にこの山を眺めたのかもしれませんね。

山頂までは紅葉と雪を眺めながら歩きます。雪はまだこの季節ですから日が当たるとすぐに溶けます。ポタポタ垂れる雫を浴びながら歩くのも楽しいものです。

雪と落ち葉のコントラストも良いです。

2時間半ほどで岩の上の山頂に到着。特に南西方向に開け秩父の山々がよく見えました。
東京都最高峰の雲取山。


秩父の山々の向こうに雪化粧した富士山。毎日眺めていますが、この二日で、真冬並みの姿になりました。

真ん中の三角形が甲武信岳。なかなかその姿を見ることができない山と思っていましたが、ここからは完璧に見えます。

八ヶ岳が近くに見えます。

ここからはよくわかりませんが浅間山も雪化粧しています。高速道路からはもっと白く見えました。先行者によると、浅間山の雪は今日になって随分溶けたそうです。残念ながら北東の谷川岳や上越の山と、山頂から北に向かうギザギザの峰々は見えませんでした。深田久弥はその日本百名山で、この両神山をその西にある御座山(おぐらやま 2,112m)に登る途中の山として記載している。登った時には、この山は主役ではなかったようです。

日向大谷の登山口には両神山荘があり、駐車場は1日千円で提供されていますが、300m下には無料の駐車場があり
ます。
山容を障害物無しで撮るのは難しいのですが、今日は良い場所がありました。すすきが障害物なんですがこう撮るといい感じではありませんか?道の駅両神温泉で日帰り入浴600円。




 
 

武尊山(ほたかやま2,158m)

2022-10-16 22:06:00 | 日記
関東は天候が悪くようやくこの週末に晴れの予報が出ました。今回は、紅葉を見に北関東の武尊山と尾瀬の至仏山に登りました。北関東から上越国境には名山が数多くありますが、自宅から遠いこともあってこれまであまり向かうことはありませんでしたが、これからはそうは行きません。

武尊山には7つの登山ルートがあり、いずれもこの山を取り囲むように作られたスキー場から入ることになります。宝台樹、武尊牧場、川場と、80年代のスキーブームの名残です。今回は、尾瀬へのアプローチに便利な武尊牧場の東俣コースを選択しました。昨夜は昔の仕事仲間と盛り上がりましたがものともせず、4時に自宅発、圏央道、関越道を乗り継いで8時半には目的地に到着。しかし事前の情報収集が甘く、登山口への林道は閉鎖されていて、標高で500m下の元スキー場駐車場からのスタートとなりました。(涙)コースタイムで往復2時間のロスとなりました。

それでも元スキー場跡はキャンプ場になり、よく整備された気持ちの良い上りです。道も舗装されていて、キャンプ場がオープンしていれば車の乗り入れも可能なようです。(シーズンは10/10まででした)しかし、ここでタイムロスを気にしてオーバーペースとなったようで、後から堪えました。

キャンプ場を過ぎると白樺の気持ちの良い小道が続きます。キャンプ場からのアクセスも良く、シーズン中は多くの人が歩くのかもしれませんが、今日は誰もいません。こんな気持ちの良い場所を独り占めです。

もみじや楓も色づいてものすごく綺麗です。これまでは、紅葉をあまり意識していなかったのですが、この季節は紅葉を意識しながら山を回るというのも良いですね!去年まではほぼ丹沢(それも塔ノ岳)で、こんな紅葉にはお目にかかりませんでした。

少し高度が上がると遠くが見通せるようになってきました。

このコースはぬかるみが多いと聞いていましたが、本当です。行程のほぼ4分の1が水溜りとぬかるみでした。こんな時には悪いことが重なるます。木の根っこで滑って転んだらこのぬかるみで、下半身泥まみれ。その時、携帯ホルダーからスマホが飛び出して落としたことに気づかず、15分後に気づいて慌てて戻りました。幸いにも後続のご夫婦が拾ってくださっていて大変助かりました。

このコースの名物。ほぼ垂直な岩が3枚続きます。ここまで来ると別コースと合流して多くの登山者が登ってきます。老若男女、元気よくこの岩をよじ登っていますが、気をつけてください。僕はあまり登りたくありません。

振り返るとこの絶景です。あらためてこの辺りの1,000m以上では紅葉がピークのようです。素晴らしいです!

岩を超えたあたりから山頂が見えるようになりました。しかし、よくあるように、山頂にはなかなか着きません。そうこうしているうちに、疲れがどっと出てきました。今日のオーバーペースもあるのでしょうが、最近の、歳を考えない活動が堪えているのだと思います。この三ヶ月の間、百名山を武尊山を入れて16座登り、この一ヶ月毎週平均50k走り、その間、父の死、葬式、四十九日、母の転居などもあって、やっぱり疲れているのだと思います。そもそも体力のある方ではないのです。
山頂近くにはこの山の由来、日本武尊像がありました。でもその由来などの説明はなく、またよくある寺社の名残もなく、歴史を感じさせるものがあまりない珍しい山です。そもそもは修験道の山で、その昔はお坊さんたちが修行をしていた山です。あの岩山をよじ登っていたのでしょうかz?日本武尊が八咫烏に導かれて東に進み日本統一する途中、北関東の山を登ったことでしょう。しかし、この辺は大きな山だらけなので、どの山に登ったかを特定するのは難しかったのでしょうし、下手に特定すれば、地域間の揉め事にもなりかねません。

それまでは雲ひとつない良いっ天気だったのですが、俄にガスが湧き起こってきました。従って山頂からの山座同定はできませんでした。天気が良ければ、谷川岳から会津駒ヶ岳、日光白根山、赤城山、富士山まで見通せる頂きだそうです。


それでも下りは紅葉の木々に囲まれて楽しくお散歩モードです。

今朝のオーバーペースから色々考えました。あまり無理をしてはいけない。特に下は景色を楽しむことが肝要。これまでは、一刻も早く下山してビールを飲む、これが大事でした。下りは筋力が落ちているから転倒リスクが高いわけで、この間転倒したのも下山時でした。慌てず、ゆっくり景色と登った余韻を味わいながら降りよう。

登り同様、合流地点から先は歩く人もいません。紅葉の森を独り占めです。
群馬県200万人達成記念映画、というのもあったらしい。

遠くのあの頂きはなんという名前なのでしょうか?




 
 

至仏山(2,228m) 分水嶺そして紅葉の尾瀬

2022-10-16 18:42:16 | 日記
日曜日の朝を尾瀬、鳩待峠の駐車場で迎えました。天気はあまり期待していなかったのですが、予想に反してご覧の晴天です!紅葉シーズンを迎えてまだまだ観光客は多いようで、今朝も4時には満車となったそうです。満車になると標高で500m下の戸倉駐車場まで戻らなくてはいけません。戸倉には、鳩待峠が満車であれば表示が出ている(昨日、お風呂の方に教えてもらった)のでご注意ください。

今日は予定通り、鳩待峠から尾瀬ヶ原に200mほど下り、山の鼻から至仏岳に登り、鳩待峠に戻る周回コースとしました。距離もさほどではなく、紅葉の尾瀬をしっかり楽しもうと思います。何しろ、昨日の武尊山で最近のオーバーペース(むしろオーバーヒート)を感じ、疲れによる怪我を心配していることもあります。

尾瀬ヶ原に向かう道から至仏岳が顔を出しました。紅葉と、朝焼けが映えます。昨日、鳩待峠まで登る道は、紅葉が素晴らしく、夕暮れの紅葉の海をかき分けて進むような感覚を味わいました。

尾瀬ヶ原に降る道もご覧の素晴らしい紅葉ですっっっ!!

今日の天気は変わりやすく、太平洋側と日本海側の分水嶺にあたるこの辺の天候は読みづらい。天気のよいうちに早く山頂まで行ってしまおう、と昨日からの反省をすっかり忘れさせるこの光景です。

鳩待峠から尾瀬ヶ原に流れ込む川上川に注ぐテンマ沢に架かる橋からは息を呑むような紅葉を見ることができました。広角のレンズで撮影したい場所ですね。

40分ほど降ると尾瀬ヶ原の入り口、山の鼻に着きます。ここから方向を西に変えて、至仏岳への登山ルートに入ります。湿原には朝靄がかかり幻想的です。ここから山頂まで水平距離2kmで標高差が800m、平均斜度40度の急登が始まります。さらに、この山は蛇紋岩に覆われていて、特に濡れると無茶苦茶滑ります。オーバーヒート気味の体には堪えます。アポイ岳や早池峰山も同じような地質だそうです。

それでも振り返ると朝霧と草紅葉の尾瀬ヶ原とその向こうに燧ヶ岳が見えます。これ以上を望むべくもない、光景です。この燧ケ岳の右側に尾瀬沼があり、その水は尾瀬ヶ原に注がれます。尾瀬ヶ原の水は、燧ヶ岳の左側を通って只見川となり、阿賀野川となって日本海に注ぎます。鳩待峠から流れる川上川も尾瀬ヶ原経由、日本海に流れ込むのです。そう、鳩待峠は、まさにその分水嶺となっていて、北側に降った雨は尾瀬ヶ原経由日本海に、南に降った雨は、片品川となって、利根川となり、太平洋に流れ込みます。昨日、戸倉からは、片品川、利根川に合流する津奈木沢沿いの林道を登ってきました。

これが恐怖の蛇紋岩。雨の日の登山はやめた方が無難です。岩のグリップを使って登れないのは、相当な負荷を体にかけます。こういう山では、一歩一歩慎重に歩きましょう!
至仏山山頂間近、でもなかなか辿り着きません。それでも晴れている間につけそうです。昨日登った武尊山の遠景をまだ見たことがないため、この山頂からの眺めを期待しています。

8:25、山頂着。登りの最中、暑い暑いと思っていたら、昨晩着込んでいた冬用のアンダーを着たまま登っていました。暑いはずです。おかげさまで山頂ではTシャツ一枚で。今日は風もほとんどなく最高の状態でした。


武尊山全景。右から武尊山、中の岳、家の串山、前武尊山。昨日は手前から中の岳経由、登っています。

北西に越後三山(駒ヶ岳、中の岳、奥に八海山)。少し左に見えるのが巻機山。

巻機山(と信じている)

この時間から北風がガスを運んできてかすみ始めました。谷川岳を期待していたのですがガスがかかって見ることができませんでした。

東の日光白根山と右の皇海山。

山頂の景色を楽しんだ後は、紅葉の山を降ります。帰路は南の小至仏経由、東に折れて鳩待峠に戻る、なだらかなコースです。

途中、小さな湿原が見事な草紅葉を見せていました。

高度を下げるとシラビソの森です。中の楓やぶな、もみじの紅葉を眺めながらのんびり降りながら、この尾瀬と東京電力との関係を思い出しました。「冬の東電小屋」という怪談を昔聞かされました。それは、
「冬のある日、吹雪に巻かれた2名の登山者が尾瀬ヶ原にある東京電力の水量調査のための小屋に避難しました。その吹雪は何日も止む事なく続き、一人の登山者は寒さと飢えで亡くなりました。残されたもう一人は遺体を外の雪の中に埋めました。吹雪はなお続き、小屋から脱出できない登山者がある晩目を覚ますと、外に埋めたはずの遺体が小屋の中に戻っているのです。ぎゃあー」というものでしたが、ググってみても出てきませんでした。雪に親友を埋めたことに対する自責の念が、遺体を掘り出して小屋に戻すのですが、寝ている間にそのことを忘れて驚く、という結末でした。尾瀬は、今の国立公園の40%を東京電力が所有しています。もちろん、かつて、水力が主力の電源であったためで、現在も尾瀬の下流には奥只見ダム、田之倉ダムなど大きな水力発電所が並んでいます。水力が主電源の座から降りて以降、東電はその自然保護に随分力を入れてきて今の景観を保つ原動力となっています。福島の原発事故以来、東電の経営は厳しく、SDGsに力を入れている場合か、という批判もありそうですが、何しろ国が株主ですからこの辺はうまくバランスをとって欲しいものです。


木道にもTEPCO

鳩待峠一帯は大改造されて、駐車場やバス乗り場(シーズン中は自家用車の乗り入れ禁止)は少し下に移設されました。おかげで広いスペースを登山、観光客が利用できるようになりました。

麓の戸倉にあるビジターセンター(としては少しシャビーですが)に日帰り温泉があります。隣が鳩待峠行きのバス乗り場と大駐車場。原則、ここまで車、ここからバスで尾瀬に向かい、帰りがけに戸倉温泉に癒されて帰る、です。600円で強アルカリ性の良いお湯でした。


 
 
 
 

富士は眺める富士がいい!

2022-10-04 20:17:00 | 日記

2022年10月4日

40年ぶりに学生となって、夏休みを謳歌しました。が、それも今週で終わります。最後にどこに登ろうか?関東の地図を眺めるうちに富士山に登っていないことを思い出したのでした。これまで幾度となく富士山の画像をアップしてきました。そして、その山は未だ登っていない百名山の一つなのでした。好天予報の今日、思い立って登ってきました。実は一度吉田ルートで8合目までは登りましたが嵐の日に当たって撤退しています。又、須山登山ルートで宝永山まで登った事もありました。シーズンの終わった富士山はアプローチが容易です。

 

明日以降、関東は天気が悪く、気温も低下します。夏山としての富士山は今日が最後でしょう。それでも、今日は風が強く、山頂では10m以上吹いていて、体感温度は氷点下でした。幸い快晴で、陽の光が強く寒くて凍えるようなことはありませんでした。

今の時期は、山は閉山、山小屋も閉鎖されています。そのかわり、夏には交通規制で車では入れなかった各登山ルートの五合目まで入れるようになり、日帰りピストンが容易になっています。平日なので登山者もほとんどいません。夏のあの大混雑が嘘のようです。

今日は南西からの富士宮ルートで登りました。高度が上がると駿河湾が一望できます。

富士山山頂ですが、誰もいません。山開き前か、閉山後の平日ならば、富士山山頂独り占めも可能です!ただお手洗いが全て閉鎖されているので、女性の方は対策が必要。

富士山山頂測候所。今では人は居らず、自動観測となっているそうです。剣ヶ峰と呼ばれる最高地点にあり、名実ともに日本で最も高い観測地点です。

てっぺん取ったぜ!とご満悦な誰かさん。サングラスまがってます。どなたもいらっしゃらない為、せっかくの富士山記念写真も自撮りです。

お鉢には転落防止柵のない場所も多く、キョロキョロしていると落っこちかねません。気をつけましょう。

なんと!南アルプスが低く見えます。富士は仰ぎ見るもの、富士からは全て見下ろします。

八ヶ岳もこうしてみると小さく見えます。いつも富士山を眺めていた丹沢方面は雲がかかり見えません。
お鉢を挟んで剣ヶ峰を眺めます。この頃から強烈な西風が雲を運んできました。この後山頂はガスに巻かれます。

河口湖と黒岳。

下山は富士の裾野と宝永年間に大爆発した宝永火口を眺めながらの下りで飽きる事はありません。

5-6合目では草紅葉が始まりました。

不思議な雲

箱根側の富士八景の湯から富士山を見ましたが、すでに雲の中、今日は絶好のタイミングで登りました。
ご覧のように富士宮ルートからの標高差は約1,500mで特別高い山に登るという感じではありません。しかし、今回は3,000mすぎてから眩暈がするようになりました。またいつも以上に動悸が上がり胸が苦しいという感じを持ちました。これは高山病の兆候というのか、単なる老化現象なのか分かりませんが、強風が吹きまくることもあって、いつもと違う慎重な行動を求められました。
さて、富士山山頂からは絶景を楽しむことができます。でも、富士山の無い絶景というのも寂しいものです。多くの山好きが富士山に登って、富士山が見えないことに違和感を覚えるといいます。関東はもとより、山梨、長野、静岡ではさまざまな場所から富士山を望む事ができます。僕は一年を通して富士山を眺めていますから、富士山とは眺める山であり、登る山という感じがしません。今日登って、改めてこの事を実感しました。
下山途中の六合目では外国人の女性グループがピクニックをしていました。この時期に、ここに来るとはなんとクールなんだろうと思います。以前、須山登山ルートを水ヶ塚から登った時にも感じましたが、富士山麓には広大な森があり、手付かずの自然が残っています。富士山は、遠くから眺め、山麓を歩き、生涯に一度は登る、そういう山なのです。これで、水ヶ塚から六合目まで登ってきたルートと繋がって、一合目から2回に分けて富士山完登、となりました。
 
2015年 水ヶ塚から宝永山に登る
 
同年 富士宮ルート撤退記録