今年も年末恒例の’若者たちと行く雪山登山’で南アルプスの鳳凰山に登りました。例年であれば八ヶ岳に登っていましたが、趣向を変えて南アルプスにしてみました。南アルプスはアプローチが長く、また、主要な山小屋は冬季はクローズとなります。なので分け入るのはテン泊の元気な山やさんに限られます。鳳凰山は登山口の夜叉神峠までは車が入れ、途中の南御室小屋、薬師岳小屋が年末年始営業しています。おかげ様で我々のような軟弱登山者でも大丈夫。
今年の南アルプスは雪が異常に少ない。雪の状況を宿泊予定の南御室小屋のご主人に事前に聞いたところ、’通常私たちはスノーシューで入ります’’心配なら来ない方がいいですよ’とか。なんちゅう言い方やねん!、と不愉快に。
YAMAPの記録を見ると、1週間前同じコースでピストンした方が投稿していて、雪はほぼ無いことがわかりました。
1週間前に中央高速から撮影した鳳凰三山。右の地蔵岳のオベリスクがはっきりみえます。雪、確かに少ないです。
それ以降、年末まで南アルプスは好天で雪も降らないため、雪のない雪山登山となりました。
北岳が美しい!
それでも何が起こるかわからない南アルプス、アイゼン、チェーンスパイク、ワカン、ピッケル、冬用ストックを担いで向かいます。しかし、やはり雪はなく、装備と宴会用のワインが肩に食い込む。
間ノ岳、来年はここに登る!
間ノ岳、来年はここに登る!
今回、直前まで風邪気味でどうしようか迷いましたが、前日にはずいぶん楽になり、風邪は山で治す、という教えもあって(?)強行参加。これがいけなかった!初日の登りは標高2,500mの山小屋まで快調だったのですが、夜、若者たちが担ぎ上げた材料ですき焼きを食べるあたりから変調。お酒もあって頭がクラクラ、目が回る。6時には布団に潜り込み寝ましたが、翌朝になってもクラクラ感が収まらず、やむなく登頂を断念。1人きた道を戻りました。
農鳥岳と合わせて白峰三山と呼ばれます
今日登った彼女たち、彼らが見た白峰三山と富士山
そして、小屋のご主人、皆が戻るまで布団に入っていて構わないよ、とのありがたいお言葉。聞けば、この年末年始の営業は、彼1人でやっているとのこと。掃除から食事、売店、いくらお客の数が少ないからとはいえ、それは大変です。最近、特に今年はこの山域で遭難が多く、1人営業のためいざという時に救助活動ができないため、入山者には厳しく注意喚起をするんだそう。仲間を置いて(見捨てて)登ってくる信じられないパーティもあるんだとか。いやはや、以前のあの冷たい言い方はそのせいか。さて、ご主人や他のメンバーに風邪(もしかしてインフルエンザ?まさかのコロナ?)をうつしても悪いので、自分だけ下山するというと、それはダメだ、途中で怪我したらどうする、仲間が降りてくるまで凍えてしまう(確かに雪はないが寒い)と引き留めらる。結局、下山したらすぐに連絡することを約束して小屋を出ました。心配でしょうがないから、という、なんとも心優しい、山小屋のご主人でした。
こうして、今年最後の登山は締まらない結果となりましたが、優しいご主人に出会い、登山への心構えを新たにする良い機会でした。今年は滑落事故もありました。来年もリスク管理と健康管理はギアを上げて取り組みましょう!
帰宅後微熱がありましたが風呂に入って後片付けしたら平熱に戻りました。みなさんにはご迷惑をお掛けしなかったようで何よりでした。