Takの山行記録

私が登った山やアウトドア活動の記録です

釈迦ヶ岳 大峯奥駈道

2021-11-20 19:25:00 | 大峰奥崖道


今日は、大峯奥駈道、山上ヶ岳より南は初めての釈迦ヶ岳(1,799m)に登りました。


かつては東の前鬼口から一泊しなければ辿り着けなかった釈迦ヶ岳。今は西の旭ダムから付けられた立派な林道を使い標高1,300mまで車で入れるようになりました。
朝寝坊して、6時過ぎには大阪を出たものの、ここは3時間はかかる奥深さ、到着は9時を過ぎていました。


それでも予報通り、快晴、無風で気分も盛り上がります。登山口にはトイレと駐車場があります(15台くらいでしょうか、今日はすでに一杯でした)。9:20スタート。


大峯山脈としては珍しく、緩やかな登りで尾根に出ます。さらに、笹原にダケカンバという珍しい取り合わせです。お陰で眺めは最高で、大峯奥駈道を囲む山々が果てしなく広がります。


釈迦ヶ岳山頂が見えて来ました。山頂がはっきり見えるというのも珍しい体験です。


山頂手前、千丈平の先には湧水がありました。この辺りはテント泊ができるようですが、場所的にニーズは無い様に思います。


山頂手前で大峯奥駈道に合流します。山頂まではすぐ。


山頂には高さ2mはあろうかという、釈迦如来像が安置されています。1924年に、岡田雅行さんと言う方が、三分割して担ぎ上げたと伝わります。どのような想いでこの難事をやり遂げたのでしょう?
第四十靡、と書かれています。靡(なびき)とは、拝所、行所を指し、大峯奥駈道には75箇所の靡があります。山頂で行を行うのですね。


一等三角点


錫杖


釈迦ヶ岳は大峯奥駈道のちょうど中間になります。南半分が脈々と連なります。


北は、左から八経ヶ岳、仏生ケ岳、孔雀岳と連なります。いずれも1,800mクラスが続きます。


孔雀岳手前の五百羅漢。

素晴らしいのは山の上だけではありません。麓の旭ダム周辺は紅葉が見頃でした。

Takは、薄く色づいた紅葉が好きですが、見事にピークを迎えた紅葉も素晴らしいと改めて思いました。

五條市にある神社のイチョウの巨木。素晴らしいです。

今年の大峯奥駈道はこれで終了です。この一年、奈良県の山々を巡りましたが、紀伊半島の山並みの奥深さと深く刻まれた谷に、感銘を受けました。紀伊半島は雨が多い。だから深く谷が刻まれている。それは時には大水害を引き起こし村を消滅させることもある。その分、治水、治山は徹底して行われて、谷の隅々、山の上まで手が入り管理されている。人間の営みは守られて、山林も守られている。これは、今に始まる話ではなく、神代の時代から続く紀伊半島の歴史なのでしょう。自然は時に猛威を振るいますが、人もできる限りの努力をして、共存を図ろうとする力を感じます。
















今週は稲村が岳

2021-10-30 20:54:00 | 大峰奥崖道
今週も大峯奥駈道を攻めます。この写真は先週登った大普賢岳から見た稲村が岳ですが、右に、いいね!の親指のようなものが見えますよね。これがどうも気になったわけで、稲村が岳というより、この親指、大日山に登ってきました!いいね!はFacebook→Metaに社名が変わり、どうなるのでしょう?


稲村が岳は大峰山登山口の少し手前の母公堂にあります。8時過ぎに着くと10台程度の駐車場はすでに一杯で今日も路駐です。ちなみに近くには名水ゴロゴロ水と、洞川温泉があるため、有料駐車場は沢山ありますが、少し先に行くとスペースはあります。この山域は車でないと日帰りは無理です。


大峰山寺のお膝元、見事に手入れされた杉林を登ります。


急坂もなく、快適な登りを進むと紅葉が始まります。


まだ浅い紅葉が美しい!


50分ほど登ると、尾根にでます。法力峠と言いますが、どんな力で切り開いたのか?


さらに尾根を50分進むと、山上辻の稲村小屋が現れます。ここは、山上ヶ岳(大峰山)への分岐となります。


これが大日山。これ登れるんか?穂先に紅葉が見られます。北アルプス槍ヶ岳の穂先とは随分違いますが、雰囲気は堂々の大峯の槍です。


大峰の槍、までは笹の尾根道を進みます。


穂先の根元。木がびっしり生えていて、これなら登れそう。


とはいえ、結局梯子と鎖で攀じ登らざるを得ないわけです。



山頂は残念ながら眺望はありませんが、大日如来を祀る社があります。剣が鎮座しているはずとの事で探している2組と会いました。そのような物はありませんでした。もしあれば避雷針になってしまいそうな場所です。


かろうじて山上ヶ岳が見えました。


大日山を降りて登り返すと、直ぐに稲村が岳山頂に着きます。


ここはいい眺めでこれまで登った山たちと再会できました。


山上ヶ岳、大峰山。すでに冬支度で山頂の大峰山寺はクローズだそうです。


先週登った大普賢岳。雲がかかり、あのアップダウンをお見せできなくて残念。


そしていつも山頂が隠れている弥山と八経ヶ岳。


下は山上ヶ岳に向かう尾根から、女人結界門のあるレンゲ辻で降るコースとなります。以前山上ヶ岳に登った時、レンゲ辻経由下山する予定でしたが、コース状況が良くないとの事でやめたルートです。


紅葉はもう最高にキレイ!ですが、先週同様人影はなく、トレースもわかりにくい。昼を過ぎるともう夕方の気配となり、静寂感と相まって、寂しいです。これがいいんです。


レンゲ辻の結界門まで来ました。女性が1人恨めしそうに門を眺めています。聞くと300名山も残すところ40座弱のツワモノ!でした。やはり、今時の女人禁制には異議あり!


ここからは急な下りとなります。ルートを外さないよう、尻餅つかないよう、結構慎重に降りました。


途中からは沢となり、夏ならばマイナスイオンを拡散させる素敵な下りになるのでしょう。

今日は初めてYAMAPのお世話になりました。なかなか便利でした。


ちなみに周囲の位置関係はこんな感じです。山上ヶ岳、大普賢岳、八経ヶ岳の位置関係です。ご参考まで。
今日は少し雲がかかって残念
紅葉は1,000m以上でうつくしぃ!
稲村が岳は、山上ヶ岳が女人禁制のため女性のための大峰山といわれる
そのせいか、単独の女性が結構多い
レンゲ辻までのトラバースは、急斜に細い道がつけられていてなかなか怖い
相変わらず、高所恐怖症でこの山も怖!
締めはお馴染みの洞川温泉センターで
お一人様700円也


























大普賢岳から七曜岳周回

2021-10-24 12:11:00 | 大峰奥崖道


大峯奥駈道も5回目となります。今日は大峯山と八経ヶ岳の間にある大普賢岳と七曜岳を周回するコース。写真中央が大普賢岳、右が小普賢岳。見るからにアップダウンがキツい。


この山も修験の山。岩の窟で祈りを捧げた。普賢とは仏教の菩薩。知恵の文殊と慈悲の普賢と言われているそうだ。


10月も下旬となり紀伊半島にも紅葉がやってきた。標高1,000m位から始まっていて、まだまだ始まりの好きなタイプの紅葉。


登山道といえば、急登と鎖、梯子が続きます。大普賢岳までの登りは、プロローグにすぎませんでしたが•••••


今日は北の高気圧が張り出して稜線から山頂は、すれ違った方曰く、爆風スランプ。山頂に着いた10:30ごろは、風速10m、体感温度は氷点下。

山頂からは大峯の山々がはっきりと姿を見せてくれました。西北西の稲村が岳。大普賢岳と大峯山の間にありユニークな山容を持つ。次はこの山か!右に見える変なピークは大日岳と言います。

大峯山系の最高峰、八経ヶ岳。大普賢岳からでも道のりは遠い。

遠く南には熊野灘。大峯奥駈道はそこまで続く。

吉野川を挟んで東に位置する大台ヶ原。雨の多いこの場所も今日は快晴のようだ。

そして大峰山、または山上ヶ岳。大峯奥駈道では未だに女人禁制の山。


素晴らしい景色の山頂を後に奥駈道を七曜岳に向かう。途中、大普賢岳の尖った山容がくっきり。大変です。


七曜岳も尖ったピークです。これまたダウンアップがしんどい。


1時間急斜を降り登りして七曜岳山頂に。ここからが今日のハイライトとなりました。急坂を600m降り、鎖梯子を500m登り返す羽目に。トレイルは落ち葉に覆われて、トレースが難しく、登りの岩場は鎖とホチキスの連続という場所も。途中、やはり単独の外人さんが道を外しているのを目撃、コースに戻るまでは見届けたが、その後離れてしまい、無事に帰れたか心配。そのくらい、トレースは難しく、人もいない周回コースでした。ガイドブックでは、初心者向けと記載されていたと記憶していて、帰ったら抗議せねば、と思い、再度確認すると経験者向き、と書かれていた•••
今日入山したのは国道169号の新伯母峯トンネル南出口(ちなみに北出口は大台ヶ原に入る分岐)から和佐又山ヒュッテに向かう4km弱の急坂を登った先にある駐車場から。和佐又山ヒュッテ、キャンプ場共に閉鎖され、駐車場も7台程度しか駐車できないため、多くの車は路上駐車となっていた。今後、モンベルか、スノーピークあたりに再開発してもらいたい場所。
今日の登山はほぼ1ヶ月ぶりにも関わらず、体には相当応えた。鎖場を相当登り上半身を使い、下半身にも負荷がかかり、下山後入った温泉では全身攣りまくりました。又、大峯奥駈道は相当怖い。改めて実感したものです。鎖梯子のみならず切り立った斜面をトラバースし、登り降りる、だけでも相当でした。さすが修行の道!


東ハジ、登山口の和佐又ヒュッテから日本が岳のコル経由大普賢岳へ。そこから南下して七曜岳から東に降ります。1:20地点が無双洞と呼ばれる綺麗な沢になっており、見事な景観ですが、周りは急峻かつ、落石も多く、あまりのんびりもしていられません。全く他の登山者がいなかったのでまだましですが、要注意。そこから登り返しにとんでもない岩の急登が待ち構えています。ビビリのTakにはちときついルートでした。
累積標高差1,521m
距離11.7km
時間5時間
大普賢岳の意味:普賢とは仏教の菩薩。知恵の文殊と慈悲の普賢。
コース難易度:高所恐怖症の人には高い!
足攣りまくり
ムッチャ怖い
あの外国人は大丈夫か?
和佐又山ヒュッテはどうなる?
駐車場一杯!
七曜は平安時代から。ただし、日曜日休みは明治9年から。

山上ヶ岳 大峯山

2021-08-28 21:35:00 | 大峰奥崖道


8月28日は大峯奥駈道の中核、山上ヶ岳(1,719.2m)に登りました!写真は山頂から望む、大天井ケ岳(1,439m)。


朝6時に自宅を出発、南阪奈道路経由、309号線を2時間かけて大橋駐車場に到着。山の方角は雲がかかっているが、いずれ晴れるハズ。





大峯山といえば、この山上ヶ岳をさし、修験道の聖地として、未だ女人禁制を守る唯一の山。山上ヶ岳山頂には、修験道の本山、大峯山寺があり、さまざまな業場がある。この門は、女人結界門。


見事に手の入った杉林から登り始める。ここは信仰の山。行者姿の参拝者も多い。山での挨拶といえば、こんにちは😃!だが、ここでは、ようおまいり!と言う。最初、なんと言われたのか分からず、思わず聞いてしまった。


1時間ほど気持ちよく登ると奥駈道に出会う。左(北)の吉野迄22kmとある。吉野は奥駈道の北の始点だ。4年前に吉野から四寸岩山迄歩いたのがこの奥駈道との出会いだった。


山頂方向はなかなか晴れない。


この参詣道(もはや登山道とは呼べなくなってきた!)には、供養塔が数多く、それこそ所狭しと建てられている。参詣回数や、時期などを記念して信徒らが担ぎ上げたものだ。新しいものが無いと思ったら、駐車場から直ぐ、結界門の内側に新しいものがずらりと並んでいた。もう、山上には置けないという事なのか?


修験道の山では、恐ろしい体験は修行、岩山を登るのも、谷に身を乗り出して覗くのも、修行。


これを攀じ登り、


西の覗きで、身を乗り出して下を見る、


足を押さえて貰い、身をさらに乗り出すのだそうです。これ以上無理!


山頂付近、大峯山寺にはいります。


1,700mの山頂にある、それが素晴らしい。思わず、世界平和を祈らずにはいられない。奥駈道は北の吉野から南の熊野本宮まで約100Kmの行程だが、5泊6日で踏破できるらしい。というのも、この奥駈道の要所要所に宿坊と呼ばれる、まぁ山小屋ですね、があるからだ。食事、風呂付きとは今時の北アルプスの山小屋より良いでは無いですか!山上ヶ岳山頂には5件の宿坊があり、その中の龍泉寺(大峰山寺の中に、何故お寺が?)さんに聞くと、一泊二食付きで9,000円だそう。値段も北アルプス並みだが、食事は美味いそうです。風呂があるなら安いですね。


山頂はお花畑にあります。女性が見ることのできない世界をお見せします。


南には大峰山脈最高峰の八経ヶ岳(1,915m)。雲がかかりよく見えないのが残念。


南東には稲村が岳(1,726m)。右の尖ったのは大日山(1,689m)。


東には大普賢岳(1,780m)。


手前の行者還岳とその奥に見える、弥山と八経ヶ岳(多分)。


大峯の山は深くて広い。素晴らしい眺めでした。


遠く葛城山や金剛山。


これまでこのブログでご紹介した大峰山脈の山々は、北の吉野から四寸岩山、大天井ケ岳、山上ヶ岳、弥山と八経ヶ岳です。大普賢岳、稲村が岳、釈迦ケ岳とこれから南へ入って行きます。


登りのガスがかかった天気から一転、下りは晴天と西寄りの涼しい風に恵まれ、ムチャ気分が良い。これなら永遠に歩ける、って感じ。


木漏れ日の杉林。

美味い湧き水。


1,300年の歴史。女人禁制への言い訳がましく聞こえるのは難しい時代になってきたからなのでしょう。登る最中は、何か神域に入るような気分にさせられたのですが、山頂の素晴らしい景色と爽やかな風は、そうは言っても山は山、といつもの感覚に戻りました。そうした意味では、この山頂の素晴らしい雰囲気を女性が味わえないのは申し訳ないと思います。


登山口に並ぶ現代の供養塔。


駐車場からは昨年登った大天井ケ岳が、すぐそこに見えました。


締めは昨年もお世話になった洞川温泉で。大峰山寺のお膝元には、古くからこの洞川温泉がひらけ、今も参詣者(登山者)はこの温泉で英気を養い、疲れを癒しているようです。大峰山脈は、奥深く歴史もある素晴らしい場所です。しかし、アクセスが極めてよくありません。周囲の村が限界集落化しており、公共交通機関が使えません。車でないと分け入ってくるのが難しい。Takは関西生活は2年ほどですが、この紀伊半島の山並みは素晴らしいと思いますし、もっと多くの人に知って貰いたいと思います。温泉もあるし、熊野、吉野、橿原、飛鳥というパワースポットもたくさんあります。少し南に降れば広大な熊野灘がひらけます。人が増えても大したことありません、丹沢や北アルプスに比べれば。
さあ、Takと一緒に奥駈道踏破をしましょう!来年以降、同行者募集!




























八経ケ岳 大峰山系

2021-04-24 19:32:00 | 大峰奥崖道


明日から緊急事態宣言となりますが、対象地域の皆さん、いかがお過ごしでしょうか?Takはその前に念願(懸案?)の大峯山系の最高峰、八経ケ岳に登ってきました!


この大峯奥駈道の中核にして、世界遺産、日本100名山のこの山に登るのは大変です。公共交通機関を使うと日帰りは不可能です。元々縦走(修行)して登る山です。従って、山小屋ならぬ宿坊が数多く置かれています。大阪からは国道309号線が尾根(奥駈道)を貫通しており、トンネル口に登山道がつけられ、駐車場もありますからこれを使わない手はありません。国道とは言え、すれ違えない幅の距離がトンネル手前20km程続きます。


それは、この山が多くの登山者を寄せ付けない、太古の自然が残されていると言う事ですね。



トンネル脇から登山道に入ります。奥駈道に共通する事ですが、最初は急登が続きます。が、こんな花が待っていてくれました。山ツツジです。


30分大汗をかくと尾根に出ました。左に行くと行者還(ギョウジャガエリ)岳や山上ケ岳方面(これまで歩いてきた吉野や大天井ケ岳の北方面)、右が目的地の八経ケ岳、南方面。登山は4ヶ月ぶりでした。ハムとバランスを支える筋肉たちが悲鳴を上げました。




奥駈道です。穏やかな尾根が続きます。


が、大峰山へは壁の様な急登が待っていました。右が弥山(みせん)、左の尖った山が八経ケ岳。


最初のピーク、弥山(1,895m)。後ろに見える尖ったピークが八経ケ岳。次の写真をご覧ください。今いるこの場所は大変ありがたい場所の様です。


古代より、神々の集う場所。一家の繁栄と安全をお祈りいたしました。


弥山山頂付近には宿坊があります。今は冬季休業中との事ですが、コロナ禍の事もあるのでしょう。

30分のアップダウンで、日本100名山にして世界遺産、八経ケ岳(1,915m)到着です。
素晴らしい眺めです!


南の釈迦ヶ岳。


奥駈道は南に延びる。


この山頂に立ち、改めてこの山域の広さと天然林の素晴らしさを噛み締めました。コロナが収まれば、吉野から熊野まで、いつかは縦走したいものです。


帰り道は、この山に良く来るという男性と降りました。いろいろ良くご存知で、あれやこれやと教えもらいました。これは、行者還岳(1,546m)。この手前のコルの下を、車を停めた行者還トンネルが貫通しています。


これは山ツツジ。朝見たものですが、光の加減でとても綺麗に見えました。青空とのコントラストもナイスです。
実は、今日も多くの登山者が来ていましたが、女性も大勢いました?ここは女人禁制では?実は女人禁制は、この場所より北側、山上ケ岳周辺なんだそうです。結界門があるのはそこでした。山上ケ岳には大峰山寺もあり、信仰では山上ケ岳が総本山のようです。



まだ桜が咲いている細い道を帰ります。久しぶりに素晴らしい、山と自然を満喫しました!