Takの山行記録とバイオリンとかAIとか

山行記録に加えて必死に練習中のバイオリン、必死に勉強中のAIについて

塔ノ岳 丹沢山 鍋割山

2022-02-13 10:38:00 | 日記


関東は今年2度目の降雪となりました。神奈川県南部の丹沢もすっかり雪景色となり、この雪を目当てに多くのハイカーがやってきます。僕もその中の1人です。

冬の丹沢は、空気が澄んで関東平野から、房総半島、伊豆半島の先の大島、南アルプスはもちろん、八ヶ岳と北アルプスも遠望できます。雪の後は、雪化粧もさることながら、空気の透明度が上がって最高の景色が楽しめます。


富士山の姿も素晴らしいですが、その右に広がる南アルプスは甲斐駒ヶ岳から北岳、赤石岳に至るその全貌を見せてくれます。何度来ても飽きることはありませんが、今日も全方位、最高でした。


こういう日は、丹沢の峰々をつなぐ尾根歩きが素敵です。紅葉樹の葉は落ち、視界がひらけます。日差しは既に春を感じさせ、もうすぐ始まる新緑の季節を予感させます。今日は、少し足を伸ばしていつもの塔ノ岳から丹沢山と鍋割山をつなぐ尾根を歩いてきました。


視界の良い尾根からはいつもとは違う風景を楽しめます。写真は南関東の名峰、大山ですが、この角度では秀麗な三角形の山姿を視認できます。この山は江戸の昔から、相模の大山詣として人気の観光スポットで、今ではケーブルカーも設置されていて老若男女、子供でも登れます。新幹線や東名高速からは、大山が目の前に見えて、他の山はその後ろ、影に隠れてよく見えません。南関東の人々はこの大山を眺めて生活をしていたのでしょう。


丹沢は富士山の東に位置していますが、どこからでもその姿が見えるわけではありません。山頂から眺望が良いのは主脈と呼ばれる、塔ノ岳、丹沢山、蛭ヶ岳です。
今日のこのハイキングにあたり、問題がありました。それは、雪用の装備一式が大阪に置かれていて手元にないことでした。結局、トレランシューズにランニング用のウインドブレーカー、30年まえのニット帽といういでたちで登ることになりました。神奈川県とはいえ標高1600mあたりを歩くわけですから気温はもちろん氷点下、日の当たる場所では雪が凍結して滑ること間違いなし、ダメなら引き返すつもりでした。結局、雪は全般的に締まっていて歩きやすく、困ったことにはなりませんでしたが、いい年をして相変わらず用心が足りないようです。他のハイカーさんたちは、ほぼスパッツにクランポン装着と完璧でした。年を重ねて、いくらか思慮深くはなったのかも知れませんが、しかし、そうではない行動、勢いでやってしまうことが相変わらず多いようで大いに反省すべきです。


鍋割山山頂にある鍋割山荘では、鍋焼きうどんが有名です。僕もここで食べることを楽しみにしていました。気持ちの良い、塔ノ岳からの尾根を歩いて山頂に着くと、外でうどんを食べる大勢の方々に遭遇しました。30人ほどはいたと思いますがその光景と、お値段に気圧されて食欲を失いました。この鍋焼きうどんを食べるのが楽しみで登って来られる方も多いと聞きます。コロナで山小屋の経営も大変な中、小屋の方、外で気にせず食べられるハイカー双方にとってありがたい一品かもしれません。

丹沢は神奈川県の水源で、水質も良く、自宅では水道水をそのまま飲んでいます。鍋割山からの下山は谷沿いに急降下して四十八瀬川に出逢います。山歩きの楽しみのもう一つは、多くの沢に出会い、源流から河口までの経路を地図で辿ることです。今日の四十八瀬川は、塔ノ岳と鍋割山を源流として、その後、中津川、川音川となり酒匂川(さかわがわ)となって小田原の相模湾に流れ込みます。この川沿いを歩いたのはほんの2km程度でしたが、砂防ダムが整備されまた、周囲の山林もよく整備されて清流が守られていました。整備されて清流が守られるというのは変な言い方ですが、ここでは人が手を入れないと山林や清流が保てない、急峻で崩壊しやすい場所でもあるということでしょう。
今日は少し長い距離を歩いてみました。最高の眺望と雪景色、尾根を滑りながら歩く感触、素晴らしい1日でした。そしてもう少し、思慮深く、用心深い大人になろうと改めて思った1日でもありました。