「ぶらり車イス紀行」 その488
☆ 『葛飾北斎』&『リヴィエール』展
2014年7月12日~8月31日まで、葛飾北斎とリヴィ
エールによる二つの三十六景展が、滋賀・守山市の佐川美術館
で開かれている。
今年は、日仏文化協力90周年にあたり、在日フランス大使
館も後援して、葛飾北斎の描いた『富嶽三十六景』に多大な影
響を受けたフランスの画家リヴィエールが描いた『エッフェル
塔三十六景』が同時に展示されている。
『富嶽三十六景』と言えば、葛飾北斎の描いた最高傑作で、
浮世絵の風景画として有名である。その中でも、逆巻く荒波の
谷間に、遠く浮かぶ富士山が描かれた『神奈川沖浪裏』や、周
りの快晴の空に鱗雲が浮かび、山肌を赤く染めた富士山、一般
的に、赤富士と呼ばれる『凱風快晴』は、誰でもが一度は見た
ことがある余りにも有名な作品である。
しかし、上記の作品の他に『富嶽三十六景』をじっくりと見
たことがなく、この機会に出かけてみることにした。ところが、
出掛けてみると、ほとんどが見た覚えがあり、さすが、有名な
作品ばかりである。この葛飾北斎が描いた『富嶽三十六景』は、
遠く富士山を望んだ風景が多く、そこで働く人が生き生きと描
かれていて、当時の労働環境と仕事内容が見えてくる。
それと引き換え、リヴィエールが描いた『エッフェル塔三十
六景』は、フランス革命100周年を記念し、また、1889
年のパリ万国博覧会のために建設されるエッフェル塔を建設中
から追い掛け、パリの名勝地・モンマルトルの丘・コンコルド
広場・ブローニュの森等から見た近景のエッフェル塔が描かれ
ている、それに加えて、物干し竿に干された洗濯物も描かれて
おり、当時の庶民の生活感も漂わせる。この辺りを、ジックリ
と見比べてみるのも面白い。
次回は、葛飾北斎とリヴィエールの違いを、調べてみたい。
お楽しみに……。
たかし でした。