「ぶらり車イス紀行」 その493
☆ 遂に『STAP細胞』で死者が出た
STAP細胞とは『人為的な操作によって、色々な細胞にな
れる能力を持つようになった細胞』とある。
この『STAP細胞』で、人間の思うような働きをする細胞
が出来、今まで治らないと言われてきた病気でも治ると言う画
期的な発見である。それも、より短時間に、また、効率的に作
り出すことが出来、なおかつ、嬉しいのは、細胞がガン化する
可能性も低いと言われる。だから、難病で苦しんでおられる人
にとっては、待ち待った細胞である。それほど素晴らしい細胞
が発見されたのに、死者が出てしまった。
亡くなったのは、この『STAP細胞』を発見した理化学研
究所の小保方晴子氏の上司・笹井芳樹副センター長である。彼
は、異例の若さ(36歳)で京都大学の再生医科学研究所の教
授に就任し、ES細胞から選択的に神経細胞を分化させる方法
を確立して、次期ノーベル賞候補と言われてきた。
そして、小保方晴子氏が発見した『STAP細胞』の論文の
共著でもある。ところが、その論文に疑義が生じ、小保方晴子
氏と共に、あらゆる所と人からパッシングを受けた。
その疑義に対し、6月11日、外部有識者でつくる理化学研
究所の改革委員会は、小保方晴子氏が所属する発生・再生科学
総合研究センターの解体や笹井芳樹氏に事実上の退任を求めた。
しかし、笹井芳樹氏の後進の育成や管理に問題があったこと
は否めないので、退任の処分は受け入れるとして、組織の有り
方や解体については、理化学研究所の組織内の問題であるので、
この問題で責任を持つのは、当然、理研トップである。
それにも拘らず、問題を一緒くたにして、二つのことを、あ
たかも笹井芳樹氏一人に責任があるように報告し、それが重荷
となって、笹井芳樹氏は自殺の道を選んだと思われる。これは、
これまで挫折もなく、順調に歩んで来た人の弱点なのかもしれ
ない。でも、この自殺は、若くして京都大学の教授に、また、
次期ノーべル賞候補と言われた男への、外部の人間の悋気(リ
ンキ=やきもち)が影響しているかもしれない。
たかし でした。