「ぶらり車イス紀行」 その498
☆ 日本国内でデング熱の流行か?
厚生労働省は、約70年ぶりに、日本人3人がデング熱に国
内感染したと発表した。70年ぶりと言うことは、太平洋戦争
直後に、引揚者が持ち帰って以来と言うことになる。
デング熱は、アジアや中南米などの熱帯や亜熱帯の地域で流
行し、ヒトからヒトへの感染はなく、蚊に刺されることによっ
て、感染が広がっていくと言われている。ところが、今回、デ
ング熱に感染したと思われる20歳前後の男女3人は、3人と
も海外への渡航歴が無く、その感染経路が問題になった。
この問題に、長崎大学熱帯医学研究所の森田公一所長は、
「デング熱が流行している地域で蚊に刺され、デング熱に感染
した人が発症せずに来日、または、帰国した。その人が、たま
たま公園に来て、蚊がその人の血を吸った。体内にウイルスを
持った蚊が、別の人に刺して広がったのではないか」
と話す。ここ近年、日本人が、デング熱が流行している地域を
旅行中にデング熱に感染し、帰国後、デング熱を発症する人が
増えており、これまでにも年間200人ほどが報告されていて、
昨年は、過去で最も多い249人の患者が確認されている。
デング熱のデングとは、スペイン語の激痛からきており、高
熱と背中の筋肉や関節に激しい痛みが出て、歩く姿勢に『よろ
めく』『ふらつく』『前かがみになる』などの傾向が出る。
しかし、デング熱には、これと言った治療薬はなく、長袖、
長ズボン、虫除けスプレーを振りかけるなど、蚊から身を守る
以外にない。それなら、デング熱を媒介するヒトスジシマ蚊を
全滅してしまえばよいと言うことになる。ところが、ヒトスジ
シマ蚊は、東北地方以南の、日本中の何処にでも生息すると言
われるヤブ蚊で、特に、都市部を好んで生息すると言われてい
る。だから、どのヤブ蚊が、デングウイルスを保有しているの
か、見分けがつかない。だから、駆除が大変である。ところが、
9月1日になって、新たに19名の感染者が発見され、合計で
6都県22名が感染したと発表された。これは、エボラ出血熱
と同じく、特効薬がない、嫌なご時世になったものである。
たかし でした。