高麗人参の泰盛社 あきない日誌

このブログでは高麗人参産地の様子や加工法,栽培法をご紹介したり、食べ方、エピソードなどをご紹介できればと思います。

高麗人参六年根って??

2014年03月20日 | 高麗人参の種類
よくお客様で高麗人参の六年根って五年根や四年根の物とそんなに違うの??って聞かれます。
テレビでもネットでもそのように話題になりますね。

韓国でも中国でも日本国内の高麗人参でも今はとても珍しい、貴重な商品です。
巷に流通している商品でエキス(濃縮液)、粉末に加工した商品で六年根を100%使用した商品はほとんどないと思います。絶対数の流通量と栽培量が合わないからです。
また韓国の飛行場などで販売されている人参も全姿(原形)のもので6年根は1斤(600g)で最低3万円ほどするはずです。高いのはこの十倍します。
http://www.ippindou.com/goods_list/ginseng/chijin.html
参考までに韓国のブランド正官庄さんのをアップいたしますね

高麗人参エキスを500g作る場合、乾燥した人参は当社の場合約1.2kg最低必要なのです。それを考えますと6年根100%で高麗人参エキスを作るということは現実的には、ほとんどありえないと思っています。


それは中国産でもありえないと思います。なぜなら中国で栽培される高麗人参の主流は4年根~5年で収穫をいたします。ですから中国産で6年根でも金額はかなりいたします。
中国産ですと確かに生産量は多いのかもしれませんが対日本や韓国などへ輸出する場合、全部の高麗人参が輸出できるわけではないのです。
なぜなら昨今、言われている農薬問題で地域によっては禁止農薬を十数年前にほかの作物で使いそれが土地に残留しているので結果、日本などへは輸出できない商品があります。


そういったことを考えますと6年根が巷にこれだけ流通することは僕個人の意見としてはあり得ないと思います。しかし、もしお客様でどうしても6年根がほしいというのであれば当社に限らず全姿をおいている漢方薬店またはお店を覗いてみてください。そこで大きさや首のところを確認して6年根として購入するのが当社としてはお勧めです。
間違っても粉末になったものやエキスになったものを六年根として高く購入してはいけないと思います。


国内の高麗人参ですと当社との代々お付き合いのある農家の方が多いですし国内の高麗人参の8割は輸出されます。その中で生人参を6年根というととてつもなく貴重なものです当社で販売しております信州産高麗人参LL(250g以上)は年間でも数百本とれるかとれないかです。当社でも、ここ数年は供給に追い付いておらずご予約いただいた方の中でも先着順で後にご注文いただいた方にはご迷惑をおかけするときが多々ございます。

私個人の意見といたしまして購入するときは年数などを参考にするよりも見本などによる味の苦み、濃縮液でしたら粘度などを重視してください。苦みがある程度あれば高麗人参の成分であるサポニンが含まれていますので大丈夫だと思います。エキスの粘度ですがこれは水分量による濃度と品質劣化の防止です。水分が多いとカビや腐食の原因になり劣化しやすいですし、それを防ぐために防腐剤がたっぷり入っています。

当社のエキスはスプーンが突き刺さるほど水分量を減らしてます。それはひとえに品質劣化を防ぐのとお客様の体のことを考えてのことです。

栽培された高麗人参も人間同様に良い環境や栄養がたくさんあるところでは5年根でも6年根をしのぐものもございます。

当社といたしましては、高麗人参の使い方や楽しみ方と同時に適正な価格、適正な知識をお客様に知っていただき産地の育成や継続などの活動をしていきたいと思います。



信州産と会津産

2011年03月09日 | 高麗人参の種類
信州産と会津産の栽培法の大きな違いは
人参小屋と栽培される畑の違いが大きいと思います

信州産は比較的山手の緩やかな傾斜面で栽培されます。
信州産の産地である佐久地方は粘土質の地質のため水はけが
悪いので緩やかな傾斜があることで水はけを良くしているためです。

高麗人参は水気が強すぎると腐れを起こしやすく
数年間かかって栽培して発生させてしまう場合もあります
ですので収穫量は天候に左右されるところが非常に強いです。


信州産の小屋の外見として屋根はワラやよしずをひいて柱は木の杭を打ち込んで作られます。
これは江戸時代から続く伝統的なスタイルです。

写真は一年目の小屋の様子と人参の芽です。



会津産は信州産と違って田んぼのような場所で栽培される場合が多いです。
これは会津の地質が水はけがよく用水路などが発達していて畑を作ったばあいに水が残らないように工夫されているからです。
外見としては金属製のパイプを柱に屋根は遮光ネットで覆うスタイルが一般的です。

写真は四年目の物です


形も収穫した段階で信州産が比較的太く、会津産の物の方が細長い傾向があります。
土の硬さなどで影響が出ているものと考えられます。

高級贈答用に秋になると出回る国内産の高麗人参はほとんどが信州産です
形状が太く見栄えがするので好まれる傾向があります。


泰盛社

高麗人参の産地と種類

2011年02月21日 | 高麗人参の種類
よくお客さんと話をしていて質問を受けます。

高麗人参と言ってもいろいろあるけど、どう違うの?

そうですね、韓国などに行くと南大門市場やロッテ免税店、飛行場などに行くと缶入りの高麗人参
販売してますね紅参エキス紅参の原物、高麗人参の粉末、白参の原物など様々なものがあります。

高麗人参は学術的分類ではウコギ科の多年草です。朝鮮半島に自生する植物ですが江戸時代に種を輸入し将軍吉宗公の時代に栽培方が確立されて今では日本でも栽培されております。

その高麗人参ですがどうしていろいろな呼び方があるのでしょうね?

朝鮮人参と読んでみたり、韓国人参と読んでみたり、信州人参と読んでみたりいろいろ言われますね。また先ほど述べた紅参や白参などもあります。このほかオタネ人参や生干し参、曲参なんて言うのもあります。


よく僕はお客様に高麗人参の説明をするときにお茶に例えることにしてます。

たとえば、まず一つ目の分類の違いは、朝鮮人参や信州人参の呼び方ですがこれは
おおざっぱにいうと産地の違いです。お茶でも静岡茶や伊勢茶、京宇治茶など産地で呼び名が変わりますね、
人参も同じように産地分けされる商品です。
意外かもしれませんが日本の高麗人参は海外ではかなり人気あるんですよ、風味と独特の苦みが好まれます。(苦いのが好まれるのも不思議ですね)

加工品である紅参や白参などはお茶で言うところ緑茶や紅茶、ウーロン茶などの違いと同じように
お茶の葉が加工の仕方によって変わるのと同じです。

紅参は人参を綺麗に水洗いしたのちに大きなセイロのようなかごで蒸します。蒸される過程で高麗人参のサポニンが糖分と結合して新しいサポニンが生成されることが報告されております。
紅参はスライスしたり、エキス用に抽出されたり、粉末など幅広く使われています。生産量としては人参の中で一番多いといわれております。

白参は人参を水洗いしたのちに皮を竹べらで綺麗にむきます。皮をむくことで色が綺麗な白色になります。皮をむいた後、天気のいい日に天日干しをします。そうすることでより一層綺麗な色に仕上がります。
白参はご高齢の方や病弱な方にお勧めの商品です。皮をむくことで穏やかな効果が期待できます。
白参の仲間として曲参などがあります。人参の足をひもで縛って人参を団子状にしたもので韓国などでは好んで使われます。料理に使用したりします。