新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

照会・お便りetcはこちらへどうぞ
opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

「ペルー沖中国人船員ナゾの死亡事件」続報

2008-05-06 12:01:15 | 報道

ペルー沖の中国船で中国人船員2名がナゾの死を遂げ、「すわ、新型インフルエンザか!?」とペルー当局が色めきかけた件の続報です。
http://blog.goo.ne.jp/tabibito12/d/20080423(新型インフルエンザより怖いかもしれない話)
http://blog.goo.ne.jp/tabibito12/d/20080421 (ペルー沖で中国人船員ナゾのウイルスに死す)

新型/鳥インフルエンザは否定され、アデノウイルスらしいというところまでは前回のニュースでした。
細菌培養では特に突然変異株は見つからず。死亡した船員にマウスツーマウスで救命処置をおこなった関係者には同症状見当たらず。検疫も解除。

死亡した2名の解剖結果は、肺浮腫・脳浮腫の所見、また、組織所見(臓器をちょこっとプレパラートにとって顕微鏡で見た所見)では毒素(toxin)の所見。

つまり、がつくった”毒素”にやられた・・最近話題になったものではo-157に近い構造みたいです。

同乗の船員はペルー当局者に感染者は出ておらず、とりあえず”新型インフルエンザより怖い話”にはならないようでほっとします

ソースは4月23日付ProMed↓
Date: Mon, 5 May 2008 19:31:54 -0400 (EDT)
From: ProMED-mail <promed@promed.isid.harvard.edu>
Subject: PRO/EDR> Undiagnosed deaths, Chinese fishermen - Peru (03): toxin susp.

UNDIAGNOSED DEATHS, CHINESE FISHERMEN - PERU (03): TOXIN SUSPECTED
******************************************************************
A ProMED-mail post
<http://www.promedmail.org>
ProMED-mail is a program of the
International Society for Infectious Diseases <http://www.isid.org>

Date: Mon 5 May 2008
From: Cesar Carcamo <carcamo@u.washington.edu


Peruvian National Institute of Health (INS): quarantine lifted
- --------------------------------------------------------------
Members of the Chang An 168's crew and the Peruvian personnel in contact with them are in good health, and local health authorities therefore lifted the quarantine on [22 Apr 2008].

According to the ship's captain, the only symptom in the 2 fatal cases on board of the ship was fever, 5 and 2 hours (respectively) prior to death, but the language barrier has precluded a more detailed investigation.  [Poor excuse: there is a Chinese restaurant in every major city worldwide! - Mod.JW]

Immunofluorescence showed evidence of adenovirus infection in the 2 cases and in 6 other crewmembers. No evidence of other respiratory viruses has been found. Cultures for adenovirus are being processed at this time, but there is still no evidence of a "mutant" strain.
Tests for leptospirosis were negative in all crewmembers. Upon contact with Peruvian health personnel, 15 of the fishermen had mild respiratory symptoms, but none had fever. No evidence of adenovirus or respiratory symptoms has been found on a crewmember that provided mouth-to-mouth breathing to one of the victims.

Autopsies on the fatal cases showed evidence of pneumonia and cerebral edema. Histopathology revealed evidence of a toxic process, although samples from the corpses were negative to 12 toxins evaluated.

The ship set sail from Yan Tai on 19 Aug 2007 and has remained at sea since. The Chang An 168 remained quarantined since 15 Mar 2008, when it delivered its cargo to the (mother ship) Dong Fen in international waters.

***Investigators interested in collaborating with the toxicological studies can contact Dr Patricia Garcia, Chief of the Peruvian National Institute of Health at <pgarciaf@ins.gob.pe>

- --
Cesar Carcamo, MD, MPH, PhD
Universidad Peruana Cayetano Heredia
Lima, Peru

 


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韓国 大邱市で鳥インフルエンザ(H5N1)

2008-05-05 16:35:11 | 報道

韓国 大邱市の民家で飼われていた鶏に鳥インフルエンザ発生、H5N1確定です

大邱は工業都市で、養鶏業とはあまりイメージ結びつかない場所ですが、それでも、半径3キロ以内に小規模農家が3軒あって260羽の殺処分がおこなわれています。

また、青空市場で鳥類を売ることも禁止になっています。隣の中国でもそうですが、庶民のうまい物は青空市場にあり・・という国は多く、庶民の溜息が聞こえてきそうです

ソースは5月3日付Yonhap news↓
http://english.yonhapnews.co.kr/business/2008/05/03/52/0501000000AEN20080503000400320F.HTML

2008/05/03 09:41 KST

Highly pathogenic bird flu strain killed chickens in Daegu: quarantine service

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北海道もH5N1確認(鳥インフルエンザ)

2008-05-05 16:04:17 | 報道

北海道の鳥インフルエンザ@別海町も、H5N1確定です。

ソースは5月5日付Yahooニュース↓ですが、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080505-00000011-yom-soci


この報道に限らず、「強毒性」という言葉がその意味を知られることなく、どんどん一人歩きを始めているような危うさを感じます。

強毒性とは、「(通常のヒトインフルエンザH3N2やH1N1のように)呼吸器に限った感染をするのではなく、消化器系や神経系、腎泌尿器系にも感染する可能性がある」という意味で、それ本来にはオドロオドロしい意味は無いはずなんですが、「強毒性なんですってね!!」と化け物みたいなとらえかたの日常会話を耳にします。

報道にあたっては、「強毒性」の意味・解説を添えていただくと良いのではと思います。(何度も繰り返し)

地元紙の報道(北海道新聞)↓
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/environment/90988.html

 


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県知事が「風評被害を心配・・」と(鳥インフルエンザ 秋田)

2008-05-04 14:15:02 | 報道

秋田県知事が鳥インフルエンザ現場の十和田湖を視察し「風評被害を懸念・・・」とコメントしています。

土産物店から、客足がGWとしては少なめと聞いてのコメントですが、こんなコメントを呟いていても何にもなりません。「事実ではない噂」「風評被害」にはもっと積極的に戦わなければダメです。

「事実ではない噂」を拾い上げ、「こんな話があるけどウソです。その根拠はカクカクシカジカ」と全国に発表する。十和田湖のハッピを着て新宿か渋谷か梅田かでキャンペーンをやる。 お役所が動くには”前例”が必要なことが多いですが、当選直後の東国原知事が鶏燻製を片手に駆け回った前例がしっかりありますからこれはOK。数日間秋田県庁をあけて知事が銀座の街頭に立っていても秋田の世論は納得します。

そして、秋田魁新聞はじめ共同通信、各社秋田支局の尻を叩き「十和田はOK」のメッセージを出す。 フェーズ3の今ならヒト感染能もまだまだ、潔癖な日本人が死んだ白鳥をいじったりするワケもありませんから十和田は100%大丈夫と言い切れば良いでしょう。

ソースは5月4日付秋田魁新聞↓
http://www.sakigake.jp/p/special/08/avian_influenza/news.jsp?kc=20080504g

 


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秋田の鳥インフルエンザは韓国と無関係かも?

2008-05-01 20:34:59 | 報道

今回、秋田の鳥インフルエンザはシベリア~中国東北部由来のものではないかとの報道(Yahoo)。これは京産大 大槻教授のコメントを基にしたものですが↓
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080501-00000058-san-soci
ProMedのコメントでも、渡り鳥のパターンからみて、(最近話題の)韓国から日本へのルートは一般的ではないこと、だから、韓国の一連の鳥インフルエンザの遺伝子型と今回十和田のものの比較に興味が持たれる・・と言っています。ちなみに、ProMedがいう一般的な渡り鳥パターンは
http://www.npwrc.usgs.gov/resource/birds/migratio/patterns.htm
です。

つまり「十和田のウイルスが韓国からやって来たと早合点するのは待った!!」ということのようです。結果発表(すぐには出そうもありませんが)を待ちましょう。


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こういう過剰反応はイケマセヌ(秋田の鳥インフルエンザ)

2008-05-01 14:58:27 | 報道

十和田湖の宿泊施設にキャンセルが出ているとの地元紙報道。

今のところ30件あまりと少ないですが、これはいくら何でも過剰反応。H5N1のヒトーヒト感染例は極めて限定的ですし、ヒト感染能力もまだまだのレベル。衛生には神経質な日本人のこと、インドネシアのように死んだ鶏に子供が触ったり、西ベンガルのようにこっそり食べてしまったりということは皆無なはず。 十和田湖に連休旅行予定している人、キャンセルなんかしないで、GW中にもかかわらず講義をしなければならない(涙)私の分まで楽しんできてください。 まあ、もともと家族サービスに気乗りのしなかったお父さんがこれを口実に十和田行きをゴロ寝に切り替えた・・・というならちょっとだけ理解せぬでもないですが(30件ならその程度の数かも)。

そしてマスメディアの皆さんには、秋田に対するこのような過剰反応が出ないよう頑張ってもらいたいところです。頑張るって?・・たとえば、十和田湖を回り比内地鶏を食するツアー特集だとか、○○新聞旅行社でそういうの企画してドンと大広告を打つとか・・・

ソースは5月1日付秋田魁新聞↓
http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20080501j

 


 


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秋田の鳥インフルエンザ海外の報道(いつもと同じ)

2008-04-30 19:02:35 | 報道

秋田の鳥インフルエンザ、ロイターの報道をペーストします。

4月29日付ロイター↓
http://uk.reuters.com/article/idUKT34225620080429

全文を見ると、特に目新しい内容はありません。優秀な日本のマスメディアの皆さんは必要なことをすでに報じてくれているので、いくつかの国のようにロイターに書いてあることが初耳!なんてことは発生しません。

特に注意してほしいのは、このロイターの報道、論調は、これまで白鳥に発生したUKはじめいくつかの件とまったく同じ。そしてそれらは特に目立った展開もなく報道から消えて終わっている。つまり、今回の件では、世界の鳥インフルエンザウォッチしていると、いつもの平凡なニュースのひとつです。世界的に見ていれば、「今ここで」パニックになる必要は何一つありません

これが今日のメッセージです。

↓に全文貼り付けます。平凡な書き方を実感ください。

TOKYO (Reuters) - Japan on Tuesday confirmed four swans found last week were infected with the H5N1 strain of bird flu.

It was the first case of bird flu in Japan since March 2007 when the highly virulent H5N1 strain was found in a wild bird in Kumamoto prefecture on Japan's southern Kyushu island.

The swans, three of which had died, were found on the shores of Lake Towada in northern Akita prefecture on April 21, the prefectural government said.

Inspectors had initially detected the H5 subtype of bird flu in the dead swans and conducted further tests, the local government said on Monday.

Japan has been stepping up checks of birds after a series of bird flu outbreaks in South Korea over the past month.

There are no chicken farms within a 10 kilometer (6 mile) radius of the area where the swans were found, and no unusual incidents were noted at other farms.

Local authorities plan to conduct on-site inspections on Wednesday and Thursday at 15 farms within a radius of 30 km (19 miles) of the site where the swans were found, the official said.

Earlier on Tuesday, South Korea reported a suspected bird flu outbreak at a chicken farm in Ulsan City which, if confirmed, would be the first in the southeast, as the country grapples with its worst outbreak of avian influenza.

South Korea previously confirmed 20 cases of the H5N1 strain in poultry in less than a month, despite having killed more than 5 million chickens and ducks, as the virus spreads at its fastest rate since the country reported its first case in 2003. 


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現状まとめのHP(鳥インフルエンザ)

2008-04-29 18:29:27 | 報道

世界の鳥インフルエンザ状況、コンパクトにまとめたHP紹介。

在中国日本国大使館HP↓
http://www.cn.emb-japan.go.jp/consular_j/birdflu080410_j.htm

また、Homeよりメーリングリストに登録しておくと、更新の折にメールが送られてきます。

この大使館は2003年のSARS流行の際に修羅場を経験していることもあり、鳥インフルエンザの情報発信では良い仕事をしています


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秋田の鳥インフルエンザ続報

2008-04-29 11:23:27 | 報道

十和田湖畔の白鳥の鳥インフルエンザ続報。

今のところ、確定した4羽+23~26日にみつかった死亡3羽+衰弱1羽、合計8羽ということになります。その他大量死などは確認されず(この場合、本当に無いと解釈してよさそう)。養鶏業にも被害は出ていません

もちろん秋田県では初です。これまで秋田市の雄物川や横手市の皆瀬川など7カ所で白鳥の餌付けがおこなわれてきましたが、秋田県は自粛を呼びかけています。

餌がもらえなくなった白鳥は今後どうなるのか、続報を待ちたいと思います。

秋田魁新聞↓
http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20080428k
http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20080429e
http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20080428q

Yahooニュース↓
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080428-00000027-yom-soci
産経↓
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/141209/


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日本のハクチョウも鳥インフルエンザ

2008-04-28 15:02:07 | 報道

ついに・・・というべきか、日本国でも鳥インフルエンザ。

十和田湖畔で死骸の見つかった白鳥から、鳥インフルエンザH5確定です(秋田県発表)。

ヒト感染は今のところありません。

湖畔で白鳥の死骸からH5が見つかった・・・というニュースはUKはじめいくつかの国で報じられてきていますが、そのいずれも、ヒト感染のニュースが続くこともなく立ち消えになっています。

おそらく、今回もそうでしょう。

注意しなければならないのは、尾ひれのついた噂が流れないかどうか。秋田は危ないらしいとか、秋田県の人がゆえなく避けられたりという事がないか、厳重に注意してゆかねばなりません。

報道の皆さんには、理性を働かせ頑張っていただきたいところです。

ソースは、地元紙にエールを送りつつ秋田魁新聞をリンクします↓
http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20080428k

Yahooニュース↓
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080428-00000027-yom-soci


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